精神科の訪問診療とは?来るのは精神科医、基本は月2回

精神科の訪問診療とは 誰が来て何をするのかを1本で解説

精神科の訪問診療は、通院が難しい方のご自宅に精神科の医師が定期的に伺い、診察と薬の調整を行う診療です。

来るのは精神科の医師で、基本は月2回の定期訪問です。診察と薬の調整に加えて、血液検査や診断書の作成まで自宅でできます。内科の在宅医療と同じ仕組みが、精神科にもあります。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療を行うものではありません。症状の受け止め方や必要な対応は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、かかりつけ医または精神科・心療内科にご相談ください。

精神科の訪問診療とは何か

往診と訪問診療の違い

計画に基づいて、定期的に自宅へ伺う診療です。通院の代わりに、医師のほうが移動します。

項目内容
誰が来るか精神科の医師。看護師や精神保健福祉士(生活面や制度の相談に乗る精神科の専門職)が同行することがあります
頻度基本は月2回の定期訪問。状態に応じて調整
対象在宅で療養していて、通院が困難な方
保険医療保険。自立支援医療などの制度も使えます

急な体調変化に応じて臨時に伺う往診とは別のものです。違いは精神科の往診と訪問診療は何が違うかで扱っています。

心療内科と精神科の違い

「心療内科の訪問診療」を探している方もいます。両者は重なる部分が多いのですが、成り立ちが違います。

精神科心療内科
主に扱うものうつ病、統合失調症、双極性障害、認知症、不安障害などストレスが関わる体の症状
代表的な症状気分の落ち込み、幻聴、被害的な考え、物忘れ胃の不調、頭痛、めまい、動悸

実際には多くの医療機関が両方を掲げており、症状によって使い分けています。訪問診療の対象になるかどうかで見ると、精神科の枠組みで考えるほうが実務に合います。

精神科の訪問診療は1回の訪問で何をするのか

1
体調と生活の確認(10〜15分)
睡眠、食事、服薬の状況、生活のリズム。前回からの変化を確認します。
2
診察
症状の経過を確認します。必要に応じて血液検査や尿検査を行います。
3
薬の調整
効き方と副作用を見ながら処方を決めます。持続性注射剤(LAI)を使う場合はここで実施します。
4
家族への説明
状態と方針を家族にも共有します。関わり方の相談にも応じます。
5
次回の予定
訪問の間隔を決めます。急変時の連絡方法も確認します。

診察室と違うのは、生活の場をそのまま見られることです。薬がどこに置かれているか、食事はどうなっているか、部屋の状態はどうか。診察室では聞き出すしかない情報が、そのまま目に入ります。

精神科の訪問診療でできること

こころの訪問診療で自宅でできる検査・処置です。

できること内容
血液検査薬の影響や身体の状態を確認
尿検査脱水や感染の確認
薬の処方自宅で受け取れます
点滴脱水などに対応
予防接種インフルエンザなど。通院せずに受けられます
持続性注射剤(LAI)飲み薬の管理が難しい方の治療継続に

LAIに対応していることには意味があります。毎日の服薬が難しい状態でも、治療を続けられるためです。

作成できる書類

  • 自立支援医療(精神通院)診断書
  • 精神障害者保健福祉手帳 診断書
  • 障害年金(精神)診断書
  • 介護保険 主治医意見書
  • 成年後見 診断書・鑑定書
  • 傷病手当金 申請書
  • 訪問看護指示書
  • 診療情報提供書 ほか

書類のために別途通院する必要がありません。 制度を使うための診断書は、訪問時に作成できます。

精神科の訪問診療の対象になるのはどんな方か

こころの訪問診療の対象です。

  • 精神疾患により単独での通院が困難な方
  • 引きこもり等で外出が困難な方
  • 出産後・育児期のうつで、お子さまを連れての通院が難しい方
  • 認知症による周辺症状でお困りの方
  • 退院後の服薬管理や生活リズムの調整が必要な方

対応疾患は、統合失調症、うつ病、妊娠中・産後のうつ、育児期のうつ、双極性障害、認知症、不安障害です。詳しくは精神科訪問診療で対応できる疾患にまとめています。

条件の詳細は精神科の訪問診療を受けられる条件で扱っています。

精神科の訪問診療の費用の目安

区分目安
1割負担(自立支援医療等を含まない)約6,000〜9,000円/月
3割負担約18,000〜27,000円/月
自立支援医療を利用2,500円〜/月
生活保護(医療扶助)自己負担なし

自立支援医療(精神通院医療)を使うと自己負担は原則1割になり、所得に応じた月額の上限が設定されます。申請の相談と診断書の作成は訪問時に対応できます。

費用の内訳は精神科の訪問診療の費用はいくらかかるかにまとめています。

精神科の訪問診療の対応エリア

医師が実際に伺うため、対応できる範囲が決まっています。こころの訪問診療は、三軒茶屋駅を基準に半径16km圏が対象です。

エリア範囲
世田谷区全域
目黒区・渋谷区全域
港区・新宿区全域
杉並・中野・品川・大田・狛江・調布・川崎市一部

精神科の訪問診療を始めるまでの流れ

訪問診療が始まるまでの4つの流れ
1
ご相談
電話またはWebから。ご家族や関係機関からのご相談も受け付けています。
2
内容確認・日程調整
状況を伺い、訪問日を調整します。診療情報提供書は無くても構いません。
3
初回訪問・ご契約
医師とスタッフが訪問し、病歴と服薬の状況を確認したうえで契約します。
4
定期訪問スタート
月2回を基本に訪問します。

ご契約中の方には緊急連絡先をご案内しており、夜間・休日の急な変化についても24時間お電話でご相談いただけます。

点数と算定の仕組みは精神科訪問診療の算定要件で扱っています。

使える制度をまとめて確認する

診断がつくと、使える制度が増えます。手続きの前に診断が必要なものが多いため、受診が入口になります。

制度内容窓口
自立支援医療(精神通院)精神科の医療費の自己負担が原則1割。所得に応じた月額上限市区町村
精神障害者保健福祉手帳各種の割引や支援。自治体により医療費助成市区町村
障害年金(精神)一定の状態が続いている場合の年金年金事務所
傷病手当金働けない期間の所得の補填加入している健康保険
介護保険訪問介護、デイサービス、ショートステイ地域包括支援センター
生活保護(医療扶助)医療費の自己負担なし市区町村

自立支援医療の上限は、住民税非課税で収入が年826,500円以下なら月2,500円、それを超える場合は月5,000円、生活保護世帯は0円です。統合失調症・躁うつ病・うつ病・認知症等は「重度かつ継続」(長く医療が必要な状態として、負担の上限が別に定められる区分)に含まれ、中間所得層でも上限が設けられます。

出典 東京都福祉局自立支援医療

どの制度も申請に診断書が必要です。作成できる書類は前の章にまとめています。

精神科の訪問診療についてよくある質問

精神科の訪問診療とは何ですか

通院が難しい方のご自宅に精神科の医師が定期的に伺い、診察、薬の調整、生活面の相談を行う診療です。基本は月2回の定期訪問です。

心療内科の訪問診療とは違いますか

重なる部分が多く、多くの医療機関が両方を掲げています。訪問診療の対象かどうかで見ると、精神科の枠組みで考えるほうが実務に合います。

1回の訪問はどのくらいの時間ですか

体調と生活の確認、診察、薬の調整、家族への説明を行います。状態によって変わりますが、診察室での診療より時間をかけられることが多くなります。

家族だけで相談できますか

できます。ご本人が同席されない状態でのご相談から始められます。

紹介状は必要ですか

診療情報提供書はなくてもご相談いただけます。お持ちの場合はFAXまたは郵送でお送りください。

通院が難しいときは自宅での診療という方法があります

通院が難しいときは、ご自宅での精神科診療という方法があります

こころの訪問診療 byミライメディカルクリニックは、世田谷区を中心に三軒茶屋駅から半径16km圏へ精神科医が伺う訪問診療です。うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害などに対応し、基本は月2回の定期訪問。ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。

  • 診療情報提供書はなくてもご相談いただけます
  • ご本人が同席されなくても、ご家族だけでのご相談から始められます
  • 自立支援医療をご利用の場合、自己負担は月2,500円〜が目安です
  • 自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書も作成できます

お電話でのご相談 03-6689-8121

長期間医療につながっていない方こそ、訪問診療の対象です。初回から診察にこだわらず、ご本人のペースに合わせて段階的に関係をつくることもできます。

まとめ

精神科の訪問診療は、通院が難しい方の自宅に精神科医が定期的に伺い、診察と薬の調整を行う診療です。基本は月2回の定期訪問で、急な体調変化に応じて臨時に伺う往診とは別のものです。

自宅で血液検査、点滴、持続性注射剤(LAI)まで対応でき、自立支援医療や障害年金などの診断書も訪問時に作成できます。書類のために別途通院する必要がありません。

対象は、精神疾患により通院が困難な方、引きこもりで外出が困難な方、産後や育児期のうつで子連れ通院が難しい方、認知症の周辺症状で困っている方、退院後の管理が必要な方です。費用は自立支援医療を使えば月2,500円〜が目安になります。

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