精神科の訪問診療を受けるには 寝たきりでなくても対象になる条件

精神科の訪問診療を受けるには 寝たきりでなくても対象になる条件

この記事で扱うのは、精神科の訪問診療です。うつ病や統合失調症、認知症などで通院が難しくなった方のご自宅に、精神科の医師が伺う診療を指します。

「通院が難しい」と感じていても、受けられる条件がはっきりしないと動けません。条件は感覚ではなく、診療報酬の決まりに書かれています。

そして精神科の場合、身体は動くのに通院できないという状況が対象になります。ここが内科の在宅医療といちばん違うところです。訪問診療は歩けない人のためのものだと考えて、相談しないままになっている方が少なくありません。

受けられる条件と、対象になりやすい状況を具体的に整理します。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療を行うものではありません。症状の受け止め方や必要な対応は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、かかりつけ医または精神科・心療内科にご相談ください。

精神科の訪問診療を受けるには「通院が困難」であることが条件になる

訪問診療の対象は、診療報酬の決まりのなかで定義されています。在宅患者訪問診療料(訪問して診察したときの診療報酬の項目)の対象は「在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なもの」とされています。

出典 厚生労働省令和8年度診療報酬改定 医科点数表(PDF)

ここで大事なのは、条件が「歩けないこと」ではなく「通院が困難なこと」だという点です。

よくある誤解実際
寝たきりでないと受けられない寝たきりである必要はない
要介護認定がないと受けられない介護認定は条件ではない
高齢者しか対象にならない年齢の条件はない
紹介状がないと相談できない診療情報提供書がなくても相談できる

こころの訪問診療でも、診療情報提供書はなくてもご相談いただけます。

精神科の訪問診療は計画に基づいて定期的に伺う診療

訪問診療は「具合が悪くなったら呼ぶ」ものではありません。あらかじめ計画を立てて、定期的に自宅へ伺う診療です。

在宅患者訪問診療料は週3回までと定められており、実際には月2回程度の定期訪問が基本になります。こころの訪問診療も基本は月2回で、状態に応じて間隔を調整します。

急な体調変化のときに臨時で伺うのは往診で、これは別のものです。違いは精神科の往診と訪問診療は何が違うかで扱っています。

精神科で「通院が困難」になる状況は体の問題とは限らない

内科の訪問診療では、歩けない、車いすが必要といった身体の状態が理由になります。精神科では理由が変わります。

1
外に出ること自体が難しい
ひきこもりの状態が続いている、外出しようとすると強い不安が出る、人目が怖くて電車やバスに乗れない。体は動いても通院は成立しません。
2
動く気力が出ない
うつの時期は、予約を取る、着替える、家を出るという一連の動作そのものが負担になります。予約を入れても行けない状態が続きます。
3
受診の必要を本人が感じていない
病気であるという自覚が持てない状態では、通院という行動が起きません。統合失調症や認知症で起こりやすい状況です。
4
連れて行くこと自体が難しい
認知症で拒否が強い、道中で興奮してしまう。家族が同行しても医療機関にたどり着けません。
5
子どもを連れての通院が難しい
産後や育児期のうつで、小さな子どもを連れて待合室で待つことができない。

こころの訪問診療では、こうした状況を対象としています。

  • 精神疾患により単独での通院が困難な方
  • 引きこもり等で外出が困難な方
  • 出産後・育児期のうつで、お子さまを連れての通院が難しい方
  • 認知症による周辺症状でお困りの方
  • 退院後の服薬管理や生活リズムの調整が必要な方

退院直後は対象になりやすい

入院していた方が退院するとき、通院に切り替えられるかどうかが分かれ目になります。

退院後に通院が続かず、状態が戻って再入院になる流れは珍しくありません。退院を控えている時期、退院直後の時期は、訪問診療を検討する意味が大きい時期です。

精神科の訪問診療で対応している疾患の範囲

こころの訪問診療で対応している疾患は次のとおりです。

対応疾患
統合失調症
うつ病
妊娠中・産後のうつ/育児期のうつ
双極性障害
認知症
不安障害

自宅でできる検査・処置には、血液検査、尿検査、薬の処方、点滴、予防接種、持続性注射剤(LAI。数週間に1回の注射で効き目が続くタイプの薬)があります。LAIに対応していることで、飲み薬の管理が難しい方でも治療を続けやすくなります。

疾患ごとの詳細は精神科訪問診療で対応できる疾患にまとめています。

住んでいる場所が対象エリアかどうか

訪問診療は医師が実際に伺うため、対応できる範囲が決まっています。

こころの訪問診療は、三軒茶屋駅を基準に半径16km圏が対象です。

エリア範囲
世田谷区全域
目黒区・渋谷区全域
港区・新宿区全域
杉並・中野・品川・大田・狛江・調布・川崎市一部

エリアの境目にお住まいの場合は、住所をお伝えいただければ対応できるかその場で確認できます。

費用の条件で迷っている場合

条件を満たしていても、費用が理由で踏み切れないことがあります。

区分目安
1割負担(自立支援医療等を含まない)約6,000〜9,000円/月
3割負担約18,000〜27,000円/月
自立支援医療を利用2,500円〜/月

自立支援医療(精神通院医療)を使うと自己負担は原則1割になり、所得に応じて月額の上限が決まります。住民税非課税で収入が年826,500円以下の場合は月2,500円、それを超える場合は月5,000円が上限です。生活保護を受けている世帯は0円です。

出典 東京都福祉局自立支援医療

申請の相談と書類の作成も訪問時に対応できます。費用の内訳は精神科の訪問診療の費用はいくらかかるかで詳しく扱っています。

精神科の訪問診療の対象にならない場合と、そのとき取れる方法

すべての状況が訪問診療の対象になるわけではありません。

状況考え方
自力で通院できているまずは通院を続ける形になります
対応エリアの外に住んでいるお住まいの地域で訪問診療を行う医療機関を探す形になります
入院が必要な状態訪問での対応範囲を超えるため、入院先の調整が先になります
身体の治療が中心内科系の在宅医療との連携が必要になります

対象かどうかの判断に迷う場合も、相談の段階で確認できます。ご家族だけでのご相談から始められます。

精神科の訪問診療を始めるまでの流れ

訪問診療が始まるまでの4つの流れ
1
ご相談
お電話またはWebから。ご家族や関係機関からのご相談も受け付けています。
2
内容確認・日程調整
状況を伺い、訪問日を調整します。診療情報提供書があればFAXまたは郵送でお送りいただきます(なくても構いません)。
3
初回訪問・ご契約
医師とスタッフが自宅へ伺い、病歴と服薬の状況を確認したうえで契約を結びます。
4
定期訪問スタート
月2回を基本に訪問します。間隔は状態に応じて調整します。

訪問診療を受けられる条件についてよくある質問

訪問診療を受けるには介護保険の認定が必要ですか

必要ありません。訪問診療は医療保険の診療です。介護保険を利用している方は、居宅療養管理指導(介護保険の給付区分のひとつ。医師などが自宅で療養上の管理や指導を行うもの)として連携する形になります。

歩けるのに訪問診療を受けてもいいのですか

体が動くかどうかではなく、通院が困難かどうかで判断します。精神科では、外出への強い不安や意欲の低下によって通院が成立しない状況が対象になります。

紹介状がないと相談できませんか

こころの訪問診療では、診療情報提供書がなくてもご相談いただけます。お持ちの場合はFAXまたは郵送でお送りください。

どのくらいの頻度で来てもらえますか

基本は月2回の定期訪問です。状態に応じて間隔を調整します。診療報酬上、在宅患者訪問診療料は週3回までとされています。

本人が「来なくていい」と言っています

ご家族だけでのご相談から始められます。ご本人との関わり方を含めて、精神保健福祉士(生活面や制度の相談に乗る精神科の専門職)が一緒に考えます。進め方は本人が受診したがらないときの進め方で扱っています。

対象かどうかは相談の段階で確認できます

通院が難しいときは、ご自宅での精神科診療という方法があります

こころの訪問診療 byミライメディカルクリニックは、世田谷区を中心に三軒茶屋駅から半径16km圏へ精神科医が伺う訪問診療です。うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害などに対応し、基本は月2回の定期訪問。ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。

  • 診療情報提供書はなくてもご相談いただけます
  • ご本人が同席されなくても、ご家族だけでのご相談から始められます
  • 自立支援医療をご利用の場合、自己負担は月2,500円〜が目安です
  • 自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書も作成できます

お電話でのご相談 03-6689-8121

条件に当てはまるかどうかを一人で判断する必要はありません。住所と現在の状況をお伝えいただければ、対応できるかその場で確認できます。

ご本人が同席されない状態でのご相談から始められますし、診療情報提供書がなくても構いません。医療・福祉の関係者からの紹介や連携のご相談も受け付けています。

まとめ

訪問診療を受けるための条件は「在宅で療養を行っていて、通院が困難であること」です。寝たきりであることも、介護認定も、年齢の条件もありません。

精神科では、身体が動いても通院が成立しない状況が対象になります。ひきこもり、意欲の低下、病気であるという自覚が持てない状態、認知症で連れて行くこと自体が難しい状態、子どもを連れての通院が難しい状態などです。

エリアは三軒茶屋駅を基準に半径16km圏で、世田谷・目黒・渋谷・港・新宿は全域が対象です。費用は自立支援医療を使えば月2,500円〜が目安になります。対象かどうか迷う場合も、相談の段階で確認できます。

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