月経困難症に悩む多くの女性にとって、フリウェルは有効な治療法の一つです。しかし、その効果や用途について、誤解が広がっているのも事実です。
フリウェルは日本では避妊薬としての承認を受けておらず、あくまでも月経困難症の治療を目的としています。
本記事では、フリウェルの真の効果と用途、避妊に関する誤解、そして緊急避妊の選択肢について詳しく解説します。フリウェルについて正しく理解し、適切な選択をするための知識を得ていただければ幸いです。
フリウェルは避妊効果が認められていない
フリウェルは、ルナベルのジェネリック医薬品であり、日本で広く使用されている月経困難症治療薬です。
フリウェルの成分や作用機序は、海外で避妊薬として使用されているピルと同じになります。
しかし、日本ではあくまでも月経困難症の治療薬としての使用を目的としており、避妊効果については認められていません。
フリウェルの患者向医薬品ガイドでも、「この薬を避妊目的で使用しないでください。」との記載があるため、注意が必要です。
参考記事:「患者向医薬品ガイド」
フリウェルは月経困難症の治療薬
フリウェルは、月経困難症に悩む多くの女性にとって、効果的な治療薬として知られています。月経困難症とは、生理中に強い痛みや不快感を伴う症状のことを指します。
フリウェルの主な効果は、以下の通りです。
生理痛の軽減 | フリウェルに含まれるホルモン成分が、子宮の収縮を抑制し、痛みを和らげます。 |
経血量の減少 | ホルモンバランスを整えることで、子宮内膜の肥厚を抑え、経血量を減らす効果があります。 |
月経周期の調整 | 規則的なホルモン投与により、不規則だった生理周期を安定させます。 |
PMS(月経前症候群) | ホルモンの変動を抑えることで、イライラや頭痛などのPMS症状を軽減します。 |
フリウェルにはLDとULDの2種類がある
フリウェルには、LDとULDの2種類があります。
LDは「Low Dose(低用量)」、ULDは「Ultra Low Dose(超低用量)」を意味し、含有されるエストロゲンの量が異なります。
ULDは、LDよりエストロゲンが少ないため、副作用のリスクが低くなる可能性がありますが、効果も低下する可能性があるため、医師と相談しながら、自分に合った種類を選ぶことが大切です。
フリウェルの服用方法は、通常21日間連続で服用し、7日間の休薬期間を設けます。この28日間を1サイクルとして繰り返します。
服用を始める時期や、飲み忘れた場合の対処法など、詳細については必ず医師の指示に従ってください。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「患者向医薬品ガイド・フリウェル配合錠」
フリウェルの副作用について
フリウェルには副作用には、
- 吐き気
- 頭痛
- 不正出血
などが報告されています。
これらの症状が続く場合や、気になる症状が現れた場合は、速やかに医師に相談することが重要です。
フリウェルは処方箋医薬品であり、医師の診断と処方が必要です。自己判断での服用は避け、必ず医療機関を受診してください。
また、定期的な検診を受けることで、より安全に服用を続けることができます。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フリウェル配合錠LD「モチダ」/フリウェル配合錠ULD「モチダ」
超低用量、低用量、中用量、アフターピルの避妊効果の違い
ピルの種類によって、含有されているホルモン量が異なり、それに伴い避妊効果にも違いがあります。
ここでは、超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル、そしてアフターピル(緊急避妊薬)の避妊効果の違いについて表に示します。
名称 | 効果 | 副作用 | 代表的な薬品 |
---|---|---|---|
超低用量ピル | 避妊効果は認められていない。 月経困難症や子宮内膜症の治療を目的として使われる。 | 吐き気やむくみなどの副作用があるが、比較的副作用が少ない。 | ヤーズ、ルナベルULD、フリウェルULDなど |
低用量ピル | 正しく服用すれば、99%以上の高い避妊効果がある。 | 超低用量ピルよりもエストロゲン量が多いため、副作用のリスクがやや高くなるが、中用量ピルよりは低い。 | トリキュラー、マーベロン、ルナベルLDなど |
中用量ピル | ホルモンのバランスを整え、月経量や月経周期の異常などの改善に効果がある。 | エストロゲン量が多いため、低用量ピルよりも副作用のリスクが高くなる。 | プラノバールなど |
アフターピル | 性交後24時間以内に服用した場合、全体の妊娠阻止率は95%ほど。 | 一時的な吐き気や不正出血などが報告されている。 | ノルレボ、レボノルゲストレル錠、マドンナ、エラワン、エラ、ジョセイなど |
これらのピルの中で、フリウェルは超低用量ピル(ULD)または低用量ピル(LD)に分類されます。
ピルの選択は、個人の体質や目的、副作用のリスクなどを考慮して、医師と相談しながら決定することが重要です。
経口避妊薬(ピル)の正しい使用による避妊成功率は99.7%とされています。
ただし、これは避妊目的で承認されているピルに関する情報であり、フリウェルのような月経困難症治療薬としてのピルには直接適用されないことに注意が必要です。
ピルには避妊効果だけでなく、月経困難症やPMSの改善、月経周期の調整など、様々な効果があります。
しかし、副作用のリスクもあるため、使用にあたっては必ず医師の指導を受け、定期的な健康チェックをすることが大切です。
また、ピルは性感染症を予防する効果はないため、必要に応じてコンドームなどの併用を検討することも重要です。
フリウェルと低用量ピルの比較
フリウェルと低用量ピルは、一見似ているように思えますが、実際には重要な違いがあるのです。
ここでは、両者の特徴や効果、使用目的などを簡潔に比較し、その違いを明確にしていきます。
フリウェル | 低用量ピル | |
---|---|---|
使用目的 | 月経困難症の治療 | 避妊 |
避妊効果 | 避妊効果は公式には認められていない | 高い避妊効果が認められている |
処方の条件 | 月経困難症の診断が必要 | 避妊目的であれば、特定の疾患の診断は不要 |
保険適用 | 月経困難症の治療薬として保険適用あり | 避妊目的での使用は保険適用外 |
ホルモン量 | ULDタイプはより少ないエストロゲン量 | 一般的に、フリウェルULDよりもやや多いエストロゲン量 |
ただし、どちらの薬剤を選択する場合も、必ず医師の診断と処方に基づいて使用することが重要です。
個人の体質や症状、生活スタイルなどを考慮し、医師と相談しながら最適な選択をしていくことをおすすめします。
フリウェルのメリット、デメリットまとめ
フリウェルには、多くの女性が注目する特徴がいくつかあります。
保険適用の可能性、副作用の少なさ、そして避妊効果に関する認識について、詳しく見ていきましょう。
メリット1|保険適用されることがある
フリウェルは、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として処方される場合、保険適用の対象となることがあります。
毎月の生理痛に悩まされている方が婦人科を受診し、月経困難症と診断され、フリウェルを処方されたとしましょう。
この場合、フリウェルは保険適用となり、経済的負担は大幅に軽減されます。
保険適用となる場合、患者の自己負担は薬剤費の3割程度になるため、1シートあたりの価格が約1,800円の場合、自己負担額は約540円になります。
これは、自費診療の場合と比べてかなりの節約になります。
厚生労働省の指針によると、「月経困難症や子宮内膜症などの診断を受け、治療が必要と認められる場合に限り、保険適用の対象となる」とされています。
つまり、単に避妊目的でフリウェルを希望する場合は、保険適用外となります。
参考:厚生労働省「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について」
メリット2|低用量ピルと比べて副作用少ない
フリウェルは、従来の低用量ピルと比較して副作用が少ないことが特徴の一つです。
これは、フリウェルに含まれるホルモン量が従来のピルよりも少ないためです。
低用量ピルを服用した際に、吐き気や頭痛などの副作用に悩まされていた方でも、フリウェルに切り替えてからは、副作用症状が改善する方もいます。
また、フリウェルのULDタイプは、さらにエストロゲン含有量が少なく、副作用のリスクがより低いとされています。
例えば、フリウェルULDに含まれるエチニルエストラジオール(エストロゲン)の量は0.02mgで、従来の低用量ピルの約半分から3分の2程度です。
このため、エストロゲン過剰による副作用(吐き気、頭痛、むくみなど)のリスクが低くなっています。
デメリット3|避妊効果が認められていない
フリウェルの特徴として最も注意が必要なのは、日本では避妊効果が公式に認められていないという点です。
これは、フリウェルが月経困難症などの治療薬として承認されているためです。
フリウェルの成分は、海外では避妊薬として使用されているものと同じですが、日本の薬事法の関係で、避妊効果を認めることができません。
そのため、添付文書や公式情報では避妊効果について言及されていません。
実際には、フリウェルを正しく服用すれば、ある程度の避妊効果が期待できる可能性があります。
しかし、医療機関では避妊目的での処方はできず、あくまでも月経困難症の治療薬として使用されているため、避妊を確実に行いたい場合は、フリウェルの服用に加えて、コンドームなどの他の避妊法を併用することが推奨されます。
緊急の避妊目的ならアフターピルがおすすめ
緊急の避妊が必要な場合は、アフターピルの使用をお勧めします。
アフターピルは高い避妊効果が認められており、適切に使用すれば望まない妊娠を防ぐ効果が期待できます。
ここでは、アフターピルの効果や特徴、入手方法について詳しく説明します。
アフターピルの効果や特徴
アフターピルの主な効果や特徴は以下の通りです。
高い避妊効果
アフターピルは、性交後72時間〜120時間以内に服用することで高い避妊効果を発揮します。
例えば、エラという120時間有効のアフターピルの場合、120時間以内の服用で95%の避妊阻止効果があるとされています。
具体的な例を挙げると、コンドームが破れてしまった場合や、避妊具を使用せずに性交渉してしまった場合などに、アフターピルを服用することで妊娠のリスクを大幅に低減できます。
参考:日本産科婦人科学会 「緊急避妊法の適正使用に関する指針」
排卵抑制作用
アフターピルの主な作用メカニズムは、排卵を抑制または遅らせることです。
例えば、排卵前にアフターピルを服用すると、排卵のタイミングがずれることで受精の可能性が低くなります。
これは、通常の月経周期において、排卵日の前後数日間が最も妊娠しやすい時期であることを考えると、非常に効果的な避妊方法だと言えます。
子宮内膜への影響
アフターピルには、子宮内膜の状態を変化させる作用もあります。
これにより、万が一受精卵ができたとしても、子宮内膜への着床を妨げる効果があります。
例えるなら、アフターピルは子宮内膜を「受精卵が着床しにくい環境」に一時的に変えることで、妊娠を防ぐ働きをします。
副作用への配慮
アフターピルにも副作用はありますが、多くの場合、軽度で一時的なものです。
一般的な副作用として、吐き気、頭痛、めまい、不正出血などが挙げられます。
例えば、アフターピルを服用した後に軽い吐き気を感じることがありますが、これは通常数時間から1日程度で収まります。
重度の副作用が続く場合は医師に相談することが推奨されます。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ノルレボ錠」
使用のタイミング
アフターピルは、性交後できるだけ早く服用することが重要です。
例えば、避妊に失敗したことに気づいたら、すぐにアフターピルの入手方法を考える必要があります。
時間が経つほど効果が低下するため、「明日病院に行こう」と先延ばしにするのではなく、できるだけ早く対応することが大切です。
例えば、ノルレボという一般的なアフターピルを24時間以内に服用した場合、約95%の確率で妊娠を阻止する効果が期待できます。
これは、フリウェルのような月経困難症治療薬とは異なり、高い避妊効果が公式に認められていることを示しています。
アフターピルの入手方法
アフターピルを入手するには、主に以下の2つの方法があります。
産婦人科での対面診療
従来の方法として、産婦人科を直接受診してアフターピルを処方してもらう方法があります。
この方法のメリットは、医師と直接対面して詳しい説明を受けられることです。
例えば、月経不順や他の婦人科系の症状がある場合、同時に相談できますし、アフターピルの服用方法や注意点について、その場で質問することもできます。
しかし、デメリットとしては、予約が取りにくかったり、診療時間外では対応できないことがあります。
また、緊急時に近くの産婦人科を探すのが難しい場合もあるでしょう。そんな時におすすめなのがオンライン診療です。
オンライン診療
最近では、オンライン診療でアフターピルを処方してもらうことが可能になっています。
この方法は、特に緊急時や産婦人科への受診が難しい状況で非常に有効です。
例えば、深夜や休日に避妊の失敗に気づいた場合、オンライン診療なら24時間対応のサービスを利用できる可能性があります。
また、地方在住で近くに産婦人科がない場合や、仕事が忙しくて平日の診療時間内に病院に行けない場合にも便利です。
オンライン診療の利用の流れ
- LINEに登録する
- 問診票に記入する(最終月経日、性交渉の日時など)
- 医師の診察を受ける
- 自宅に薬が届く
薬は条件次第で数時間から翌日には届きます。
例えば、土曜日の夜に避妊の失敗に気づいた場合でも、日曜日中にはアフターピルを入手できる可能性が高いです。
このように、オンライン診療のメリットは、迅速性と利便性であり、自宅にいながら医師の診察を受けられ、薬も自宅に届くため、プライバシーの面でも安心です。
緊急アフピルであれば、避妊専門の医師が常に在籍しており、24時間365日待ち時間なしで無料相談が可能で、国内で承認されているアフターピルを8,800円(税込)〜販売しております。心配な方やアフターピルの購入を迷われている方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
フリウェルは月経困難症の治療薬として効果的ですが、避妊効果は公式には認められていません。
ピルと成分が近いため、フリウェルでも避妊できる可能性はありますが、確実性はなくデータもありません。
緊急の避妊が必要な場合は、アフターピルの使用を検討するのがおすすめです。
アフターピルは、性交後72時間〜120時間以内の服用で高い避妊効果を発揮します。
アフターピルの入手方法としては、産婦人科での対面診療とオンライン診療があり、特に緊急時や産婦人科への受診が難しい状況では、オンライン診療が便利で効果的な選択肢となります。
ただし、アフターピルは緊急避妊薬であり、定期的な避妊方法として使用するべきではなく、日常的な避妊には、コンドームや低用量ピルなど、他の適切な方法を選択してください。
オンライン診療では、避妊に関する不安や疑問がある場合には無料相談も行っているので気軽に相談し、自分に最適な方法を見つけましょう。