家族が精神疾患で疲れたときに離れてよい場面と、使える相談先

家族が精神疾患で疲れたときに離れてよい場面と、使える相談先

支えている側が「疲れた」と思うところまで来ているなら、離れてよい場面はあります。限界かどうかは、本人の症状ではなく支えている側の状態で決まります。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療を行うものではありません。症状の受け止め方や必要な対応は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、かかりつけ医または精神科・心療内科にご相談ください。

精神疾患の家族が限界に近いサイン

次のどれかに当てはまるなら、すでに支援を入れる段階です。

サイン意味
眠れない日が続いている判断力が落ちます
自分の受診や服薬をやめている支える側が倒れると全部が止まります
相手の顔を見るのがつらい感情の限界です。人格の問題ではありません
消えてほしいと思ってしまった珍しくない感情です。状況が限界に来ている信号です
仕事や学業に支障が出ている生活の基盤が崩れ始めています
誰にも話していない孤立は状況を悪くします

最後の項目が最も多くあります。 精神疾患の話は外に出しにくく、一人で抱えたまま年単位が過ぎることがあります。

攻撃的になるのは症状のことがある

うつ病というと落ち込む病気だと思われがちですが、イライラや攻撃性として出ることがあります。とくに家族に対して強く出ます。

現れ方背景
ささいなことで怒る余力がなく、刺激に耐えられない状態
家族にだけ強く当たる外では保っている反動が家で出る
責める言葉が出る自分を責める気持ちが外に向くことがある
何を言っても否定される思考が否定的な方向に傾いている

これは性格が変わったのではなく、症状として出ている可能性があります。 そして症状であれば、治療で軽くなる余地があります。

境界性パーソナリティ障害や双極性障害でも、家族への当たりが強くなる場面があります。疾患ごとの接し方は双極性障害や境界性パーソナリティ障害の人との接し方で扱っています。

症状であることと、耐える必要があることは別

「病気だから仕方がない」と受け取る必要はありません。

  • 暴力があるなら、距離を取ることが優先です
  • 言葉の攻撃が続くなら、その場を離れてよいです
  • 家族が心身を壊してまで支える形は、長続きしません

支える側の安全と健康は、譲ってよい条件ではありません。

精神疾患の家族が離れてよい場面

精神疾患の家族が離れてよい場面の4つの基準

罪悪感で動けなくなることがあります。基準を置きます。

1
身体的な暴力がある
すぐに距離を取ってください。警察や配偶者暴力相談支援センターへの相談も選択肢です。
2
自分が眠れていない
別室で寝る、実家に数日戻る。睡眠の確保は最優先です。
3
自分の心身に症状が出ている
自分の受診を先にしてください。支える側が倒れると全部が止まります。
4
経済的に破綻しそう
使える制度を確認してください。抱えたまま崩れるより、制度を使うほうが結果的に支えられます。

離れることは、見捨てることではありません。距離を取ったうえで、医療や制度につなぐという形があります。

通院そのものが難しい場合は、精神科の訪問診療とはを確認してください。

今日・今週・今月で分けて手を打つ

疲れているときに全部を一度に考えるのは無理です。期限で区切ると動けます。

いつやることどこへ
今日自分の睡眠を確保する。危ないと感じたらその場を離れる別の部屋、外、実家
今週家族だけで相談の予約を入れる精神保健福祉センター、保健所、かかりつけ医
今週自分の受診を予約する(後回しにしない)内科、心療内科
今月使える制度を確認する市区町村の窓口、地域包括支援センター
今月同じ立場の人と話せる場を探す家族会

今日の欄だけ見てください。今週と今月は、眠れてから考えれば間に合います。

あなたはどちらか

まだ支えられる状態いま人を入れる段階
夜はまとまって眠れている3日以上まとまって眠れていない
自分の受診や服薬は続いている自分の通院や薬をやめている
感情的にならずに対応できている手を上げそうになった、または上げた
仕事や生活は回っている仕事を辞めることを考え始めた
相談できる相手がいる誰にも言えず抱えている

右側が2つ以上あるなら、支える力の問題ではありません。人を入れる段階に来ているというだけです。ご本人が受診していなくても、ご家族だけで相談できます。

精神疾患の家族が使える相談先

本人が受診していなくても、家族が相談できる場所があります。

相談先何ができるか
精神保健福祉センター各都道府県・政令市に設置。家族の相談も受けられます
保健所精神保健の相談、訪問相談
地域包括支援センター高齢の家族の場合の入口
医療機関家族だけの相談を受けている医療機関があります
家族会同じ立場の人と話せる場
自治体の相談窓口生活面を含めた相談

こころの訪問診療でも、ご本人が同席されない状態でのご相談から始められます。ご本人とどのように関わるかを含めて、精神保健福祉士(生活面や制度の相談に乗る精神科の専門職)が一緒に考えます。

使える制度

制度内容
自立支援医療(精神通院)精神科の医療費の自己負担を原則1割にし、月額上限を設ける
精神障害者保健福祉手帳各種の割引や支援
障害年金(精神)一定の状態が続いている場合の年金
傷病手当金本人が働けない期間の所得の補填
介護休業・介護休暇家族が仕事を辞めずに休む
生活保護生活が成り立たない場合

手続きの前に診断が必要なものが多くあります。 受診につながっていない場合、まずそこが入口になります。

こころの訪問診療では、自立支援医療・手帳・障害年金・傷病手当金などの診断書や申請書の作成に対応しています。

本人が受診していない場合

支えている側が疲れる最大の原因が、本人が医療につながっていないことです。

理由を分けると打つ手が変わります。

拒む理由打つ手
病気だと思っていない本人が困っていること(眠れない・だるい)を入口にする
精神科に抵抗があるまず内科に相談する形から入る
外出がつらい訪問診療で自宅に来てもらう
変化が不安何をするかを具体的に伝える

詳しい進め方は本人が受診したがらないときの進め方にまとめています。

精神疾患の疾患別に見た家族の対応

家族が精神疾患で疲れたときについてよくある質問

家族なのに離れてもいいのですか

構いません。とくに暴力がある場合、自分が眠れていない場合、自分に症状が出ている場合は、距離を取ることが優先されます。

「消えてほしい」と思ってしまいます

珍しい感情ではありません。それ自体が異常なのではなく、状況が限界に来ている信号として扱ってください。相談する理由になります。

本人が受診していなくても相談できますか

できます。精神保健福祉センター、保健所、医療機関のいずれでも家族の相談を受けています。

攻撃的な態度は治りますか

症状として出ている場合、治療で軽くなる余地があります。ただし、それを待つあいだ耐え続ける必要はありません。

どこから手をつければいいですか

自分の睡眠の確保が最初です。そのうえで、相談先に一度電話してください。全部を自分で判断する必要はありません。

ご家族だけのご相談から始められます

通院が難しいときは、ご自宅での精神科診療という方法があります

こころの訪問診療 byミライメディカルクリニックは、世田谷区を中心に三軒茶屋駅から半径16km圏へ精神科医が伺う訪問診療です。うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害などに対応し、基本は月2回の定期訪問。ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。

  • 診療情報提供書はなくてもご相談いただけます
  • ご本人が同席されなくても、ご家族だけでのご相談から始められます
  • 自立支援医療をご利用の場合、自己負担は月2,500円〜が目安です
  • 自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書も作成できます

お電話でのご相談 03-6689-8121

こころの訪問診療は、ご本人が同席されない状態でのご相談から始められます。ご本人との関わり方を含めて、精神保健福祉士が一緒に考えます。

うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害に対応し、通院が難しい方のご自宅へ精神科医が伺います。自立支援医療や障害年金などの診断書の作成にも対応しています。

長期間医療につながっていない方こそ、訪問診療の対象です。診療情報提供書はなくても構いません。

まとめ

支えている側が「疲れた」と感じている段階では、すでに限界が近いことが多くあります。眠れていない、自分の受診をやめている、消えてほしいと思ってしまった。このどれかがあるなら支援を入れる段階です。

うつ病はイライラや攻撃性として出ることがあり、家族に強く向かいます。これは症状の可能性がありますが、症状だからといって耐え続ける必要はありません。暴力がある場合は距離を取ることが優先されます。

本人が受診していなくても、精神保健福祉センターや保健所、医療機関で家族の相談ができます。自立支援医療や手帳、障害年金などの制度は診断が前提になるため、受診につなげることが結果的に負担を軽くします。

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