精神科の往診と訪問診療の違いは計画的かどうか どちらが必要か

精神科の往診と訪問診療の違いは計画的かどうか どちらが必要か

往診と訪問診療は、どちらも医師が自宅に来ます。違いは計画的かどうかです。訪問診療は月2回など決めて定期的に伺い、往診は急な変化のときに臨時で伺います。

そして精神科で必要になるのは、ほとんどが訪問診療のほうです。一度来てもらっても、その後の治療が続かなければ状態は戻るためです。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療を行うものではありません。症状の受け止め方や必要な対応は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、かかりつけ医または精神科・心療内科にご相談ください。

精神科の往診と訪問診療の違いは計画的かどうか

往診と訪問診療の違い
訪問診療往診
性格計画に基づいて定期的に伺う求めに応じて臨時に伺う
頻度月2回程度など、あらかじめ決める決まっていない
きっかけ契約時に立てた診療計画急な体調の変化
対象通院が困難な状態が続いている方状況に応じる
継続性続けて同じ医師が見る一回ごとの対応になりやすい

診療報酬のうえでも、在宅患者訪問診療料(訪問して診察したときの診療報酬の項目)と往診料は別の項目として扱われています。在宅患者訪問診療料の対象は「在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なもの」とされ、算定できるのは週3回までです。

出典 厚生労働省令和8年度診療報酬改定 医科点数表(PDF)

つまり訪問診療は、継続して診ることを前提にした仕組みになっています。

精神科では訪問診療が中心になる理由

精神科の治療は、一回の診察で完結しません。薬の効き方を見ながら調整し、生活のリズムを整え、状態の変化を追っていく必要があります。

精神科で必要なこと往診で足りるか
薬の効果と副作用を継続して確認する足りない
服薬できているかを見る足りない
生活のリズムの変化を追う足りない
家族の相談に継続して応じる足りない
診断書や意見書を作成する継続して診ている必要がある
急な体調変化に対応する往診の役割

精神科の場合、必要なのは「一度来てもらうこと」ではなく「続けて見てもらうこと」です。 そのため訪問診療が基本になります。

こころの訪問診療も、定期的な訪問診療を中心にしています。基本は月2回の定期訪問で、状態に応じて間隔を調整します。

急な変化にはどう対応するか

では、夜間に急に混乱した、暴れてしまったという場面ではどうするのか。

こころの訪問診療では、ご契約中の患者さまに緊急連絡先をご案内しており、夜間・休日の急な変化についても24時間お電話でご相談いただけます。まず電話で状況を確認し、そのうえで必要な対応を検討する形です。

契約している患者さんであることが前提になります。 一度も診たことがない方に、いきなり夜間対応をすることはできません。これは精神科に限らず在宅医療全体に共通する構造です。

往診してくれる精神科を探している場合

この検索をする方の多くは、次のどちらかの状況にあります。

状況実際に必要なもの
本人が通院を拒み、ずっと医療につながっていない訪問診療(継続して関わる形)
認知症で連れて行けない訪問診療
急に混乱した、暴れているまず電話相談。状況によっては救急
通院していたが行けなくなった訪問診療への切り替え

「一度だけ来てほしい」という状況は、実はあまりありません。 一度診てもらっても、その後の治療が続かなければ状態は戻ります。

長期間医療につながっていない方こそ、訪問診療の対象です。ひきこもりの背景に精神疾患が隠れていることは少なくなく、早めに診断を受けて治療を始めることが回復への近道になります。

緊急性が高い場合

次の場合は、往診や訪問診療を探すより先に動いてください。

  • 自分や他人を傷つけるおそれがある
  • 「死にたい」という趣旨の発言がある
  • けいれんを起こした
  • 高熱や強い痛みがある
  • 意識がもうろうとしている

この場合は、かかりつけ医、地域の救急相談窓口、状況によっては119番への連絡を検討します。

精神科の往診と訪問診療で費用はどう違うか

どちらも医療保険の診療で、自己負担の割合は同じです。ただし、算定される項目が違うため金額は変わります。

訪問診療の費用の目安は次のとおりです。

区分目安
1割負担(自立支援医療等を含まない)約6,000〜9,000円/月
3割負担約18,000〜27,000円/月
自立支援医療を利用2,500円〜/月

自立支援医療(精神通院医療)を使うと自己負担は原則1割になり、所得に応じた月額の上限が設定されます。詳しくは精神科の訪問診療の費用はいくらかかるかにまとめています。

精神科の訪問診療は訪問看護とも役割が違う

もう一つ混同されやすいのが訪問看護です。

☛ 表は横にスワイプできます

訪問診療往診訪問看護
誰が来るか医師医師看護師など
診断・処方できるできるできない
頻度計画的(月2回程度)臨時週1〜3回程度
開始に必要なもの医療機関への相談医療機関への連絡医師の指示書

訪問看護との違いは精神科訪問診療と精神科訪問看護は何が違うかで詳しく扱っています。

費用の目安は精神科の訪問診療の費用、算定の仕組みは精神科訪問診療の算定要件にまとめています。対象になるかどうかは訪問診療を受けるにはで確認できます。

精神科の往診と訪問診療で使える制度

診断がつくと、使える制度が増えます。手続きの前に診断が必要なものが多いため、受診が入口になります。

制度内容窓口
自立支援医療(精神通院)精神科の医療費の自己負担が原則1割。所得に応じた月額上限市区町村
精神障害者保健福祉手帳各種の割引や支援。自治体により医療費助成市区町村
障害年金(精神)一定の状態が続いている場合の年金年金事務所
傷病手当金働けない期間の所得の補填加入している健康保険
介護保険訪問介護、デイサービス、ショートステイ地域包括支援センター
生活保護(医療扶助)医療費の自己負担なし市区町村

上限額は所得で変わります。住民税非課税で収入が年826,500円以下なら月2,500円、それを超える場合は月5,000円、生活保護世帯は0円です。

出典 東京都福祉局自立支援医療

こころの訪問診療では、自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金・介護保険の主治医意見書(要介護認定のときに主治医が書く書類)・傷病手当金などの診断書や申請書を訪問時に作成できます。書類のために別途通院する必要はありません。

往診と訪問診療の違いについてよくある質問

往診と訪問診療はどちらが早く来てもらえますか

往診は臨時の対応ですが、診たことのない方への夜間対応は難しいのが実情です。継続して診てもらう関係を作っておくほうが、急な変化に対応しやすくなります。

精神科の往診をしてくれるところを探しています

多くの場合、必要なのは訪問診療です。一度診てもらうだけでは治療が続かず、状態が戻ります。継続して関わる形をおすすめします。

訪問診療はどのくらいの頻度で来ますか

基本は月2回の定期訪問です。診療報酬上、在宅患者訪問診療料は週3回までとされています。

急に暴れたときはどうすればいいですか

契約している医療機関があれば、まず電話で相談してください。自分や他人を傷つけるおそれがある場合は、救急への連絡を検討します。

通院と訪問診療は併用できますか

状態によります。どちらで診るかを医師と決めておくほうが、記録が分散せずに済みます。

続けて診てもらう形をご相談ください

通院が難しいときは、ご自宅での精神科診療という方法があります

こころの訪問診療 byミライメディカルクリニックは、世田谷区を中心に三軒茶屋駅から半径16km圏へ精神科医が伺う訪問診療です。うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害などに対応し、基本は月2回の定期訪問。ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。

  • 診療情報提供書はなくてもご相談いただけます
  • ご本人が同席されなくても、ご家族だけでのご相談から始められます
  • 自立支援医療をご利用の場合、自己負担は月2,500円〜が目安です
  • 自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書も作成できます

お電話でのご相談 03-6689-8121

こころの訪問診療は、定期的な訪問診療を中心とした精神科の在宅医療です。基本は月2回の定期訪問で、契約患者さま向けには状況に応じた対応も行います。

ご契約中の方には緊急連絡先をご案内しており、夜間・休日の急な変化についても24時間お電話でご相談いただけます。診療情報提供書はなくてもご相談いただけます。

まとめ

往診と訪問診療の違いは、計画的かどうかです。訪問診療は計画に基づいて定期的に伺い、往診は求めに応じて臨時に伺います。診療報酬上も別の項目として扱われています。

精神科では、薬の調整や状態の変化を継続して見る必要があるため、訪問診療が中心になります。「一度だけ来てほしい」という形では治療が続きません。

急な変化への対応は、契約している患者さんに対して行われるのが基本です。こころの訪問診療でも、ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。自分や他人を傷つけるおそれがある場合は、救急への連絡を先に検討してください。

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