統合失調症は、本人が「自分は病気かもしれない」と感じにくい病気です。幻聴や被害的な考えは、本人にとっては現実として体験されるためです。
そのため、チェックの主役は本人ではなく家族になります。ここが他の病気のセルフチェックと違うところです。
家族用と本人用の両方を用意しました。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療を行うものではありません。症状の受け止め方や必要な対応は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、かかりつけ医または精神科・心療内科にご相談ください。
目次
統合失調症は本人の自覚が乏しいことが多い

統合失調症の症状は、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 現れ方 | 気づかれ方 |
|---|---|---|
| 現れてくる症状 | 幻聴、被害的な考え、まとまらない話し方、不安や興奮 | 周囲が先に気づくことが多い |
| 失われていく症状 | 意欲の低下、感情の動きが乏しくなる、閉じこもり | 「怠けている」と受け取られやすい |
このうち、後者は特に見過ごされます。学校や仕事に行かなくなり、部屋から出なくなった状態が「本人の性格の問題」として扱われると、受診まで時間がかかります。
単独の症状だけでは判断できない
インターネットで調べると、独り言や幻聴といった単独の症状が病気のサインとして紹介されています。ただ、それだけで判断はできません。
- 独り言は、考えごとをしているときに誰でも出ることがあります
- 疲れや睡眠不足でも、物音を人の声と取り違えることがあります
- 被害的に感じる時期は、強いストレス下では起こり得ます
判断の分かれ目は、続いている期間と、生活が回っているかどうかです。
統合失調症のチェック(家族用)
ご本人の様子について、この半年ほどを振り返ってください。
この半年ほどで、ご本人に当てはまるものを選んでください。
※このチェックは受診の目安を整理するためのもので、診断ではありません。当てはまる数が少なくても、生活に支障が出ているなら受診の対象になります。医療機関では、問診を軸に、症状が続いている期間と生活への影響を合わせて判断します。
統合失調症のチェック(本人用)
自分でも違和感を持っている場合はこちらです。
ここ数か月の自分の状態について答えてください。
統合失調症が疑われたとき、どこに連絡するか
| いまの状況 | 連絡先 | そこでできること |
|---|---|---|
| 本人が受診に応じる | 精神科、心療内科 | 問診と必要な検査。似た状態を作る病気の除外も含む |
| 本人が受診を拒む | 精神保健福祉センター、保健所 | 家族だけで相談できる。関わり方の助言と、つなぎ方の相談 |
| 暴力や自傷のおそれがある | かかりつけ医、救急、警察 | 安全の確保が先。ためらわなくてよい場面 |
| 通院が続かない | 訪問診療 | 自宅で診察と薬の調整。通院そのものをなくせる |
本人が来なくても、家族だけで相談できます。「連れて行けないから何もできない」ということはありません。
早い段階で気づくと何が変わるか
統合失調症は、はっきりした症状が出る前に、生活の様子が先に変わることがあります。眠れない、成績や仕事の質が落ちる、人と関わらなくなる、といった変化です。
この段階で医療につながると、症状が強くなる前に手を打てる場面が増えます。初期のサインについては統合失調症の初期症状と家族が気づくサインで詳しく扱っています。
医療機関ではどう判断するか
問診が中心です。いつから、どんな症状が、どのくらい続いているか。そして生活にどう影響しているか。
必要に応じて、他の病気が隠れていないかを確認するために血液検査や画像検査を行うことがあります。甲状腺の異常や薬物の影響など、似た症状を起こすものを除外する意味があります。
こころの状態を数値でとらえる尺度としては、厚生労働省の国民生活基礎調査で使われているK6(国の調査で使われている、こころの状態を点数で表す6項目の質問)のように、公的な調査で用いられているものがあります。
参考 島根県が公開するK6日本語版の質問票(PDF)
ただし、こうした尺度はいまの状態の重さを測るもので、それだけで病名が決まるわけではありません。
絵を見て統合失調症が分かるのか
「統合失調症 チェック 絵」という調べ方をされる方がいます。特定の絵の見え方で病気が分かる、という趣旨の情報を目にすることがありますが、絵の見え方だけで診断はできません。
見え方の違いは、目の状態、疲労、注意の向き方によっても変わります。診断は、症状の内容と続いている期間、生活への影響を合わせて判断するものです。
統合失調症で受診につながらないときにできること
この病気で最も多い行き詰まりが、本人が受診の必要を感じていないという点です。
進め方は本人が受診したがらないときの進め方で詳しく扱っています。家族の対応そのものについては統合失調症の家族の対応にまとめました。
統合失調症のセルフチェックについてよくある質問
チェックで多く当てはまったら統合失調症ですか
違います。このチェックは受診の目安を整理するためのもので、診断ではありません。医療機関では症状の内容と期間、生活への影響を合わせて判断します。
独り言が多いだけでも病気ですか
独り言だけでは判断できません。考えごとをしているときに出ることは誰にでもあります。他の変化と重なっているか、どのくらい続いているかを見ます。
本人が受診を拒みます
ご家族だけで医療機関に相談することができます。こころの訪問診療でも、ご本人が同席されない状態でのご相談から始められます。
何科を受診すればいいですか
精神科です。心療内科でも相談できますが、症状によっては精神科への紹介になります。
通院が難しい場合はどうすればいいですか
自宅に医師が伺う訪問診療があります。統合失調症も対応疾患に含まれます。飲み薬の管理が難しい場合、持続性注射剤(LAI。数週間に1回の注射で効き目が続くタイプの薬)を自宅で使うこともできます。
通院が難しいときは自宅での診療という方法があります
こころの訪問診療 byミライメディカルクリニックは、世田谷区を中心に三軒茶屋駅から半径16km圏へ精神科医が伺う訪問診療です。うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害などに対応し、基本は月2回の定期訪問。ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。
- 診療情報提供書はなくてもご相談いただけます
- ご本人が同席されなくても、ご家族だけでのご相談から始められます
- 自立支援医療をご利用の場合、自己負担は月2,500円〜が目安です
- 自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書も作成できます
お電話でのご相談 03-6689-8121
外に出ることが難しい状態が続いている場合、通院を前提にすると治療そのものが始まりません。こころの訪問診療は精神科医が自宅に伺う診療で、統合失調症も対応疾患に含まれます。
自宅で持続性注射剤(LAI)に対応しているため、飲み薬の管理が難しい方でも治療を続けやすくなります。ご本人が受診に前向きでない場合も、ご家族だけのご相談から始められます。
まとめ
統合失調症は本人の自覚が乏しいことが多いため、チェックの主役は家族になります。この記事では家族用と本人用の両方を用意しました。
独り言や幻聴といった単独の症状だけでは判断できません。分かれ目は、続いている期間と、生活が回っているかどうかです。絵の見え方で診断できるものでもありません。
意欲の低下や閉じこもりは「怠けている」と受け取られやすく、受診が遅れる原因になります。本人が動かない場合も、家族だけで相談することができます。外出が難しい状態なら、自宅で診療を受ける方法もあります。
