経口避妊薬として知られている低用量ピルですが、避妊以外にも様々なメリットがあることをご存じでしょうか。ピルは女性ホルモンのバランスを整えることで、生理痛やPMS(月経前症候群)の症状を和らげたり、月経周期を調整したりする効果が期待できます。
この記事では、ピルの服用で得られる主なメリットについて、分かりやすく解説します。また、ピルによって生理痛が和らぐメカニズムや、服用する際の注意点についても紹介します。ピルの服用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次
低用量ピルを服用するメリット7選
低用量ピルには、女性にとって多くの嬉しいメリットがあります。ここでは、低用量ピルを服用することによる代表的な7つのメリットを紹介します。
メリット1|生理痛や腰痛などの月経痛の改善
低用量ピルは、子宮内膜の増殖を抑える働きがあります。子宮内膜が厚くならないことで、月経痛の原因となるプロスタグランジンの産生が抑制され、生理痛が軽くなる効果が期待できます。鎮痛剤が効きにくい方や、生理痛で日常生活に支障をきたしている方にもおすすめです。
メリット2|月経の時期を調整できる
低用量ピルは、月経周期をコントロールすることができるので、旅行や大切なイベント、試験など、自分の都合に合わせて生理の時期をずらすことができます。予定に合わせて生理日を調整できるのは、女性にとって大きなメリットです。
メリット3|PMS(月経前症候群)の改善
生理前にイライラしたり、気分が落ち込んだり、眠気や頭痛、腹痛などに悩まされるという症状は、PMS(月経前症候群)と呼ばれ、ホルモンバランスの乱れが原因と考えられています。


(「94.5%の女性が抱えるPMS(月経前症候群)に関する意識調査」を参考に編集部作成)
低用量ピルは、ホルモンバランスを整えることで、PMSの症状を軽減する効果が期待できます。生理前の不快な症状から解放され、安定して過ごせるようになるでしょう。
メリット4|子宮内膜症の予防や改善
子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるべき子宮内膜が、子宮以外の場所に発生してしまう病気です。月経痛や性交痛、不妊などの原因となることがあります。
低用量ピルは、子宮内膜の増殖を抑える効果があるため、子宮内膜症の予防や症状の改善に役立ちます。
メリット5|ニキビや多毛の改善
思春期以降のニキビや多毛などの症状は、男性ホルモンの影響が大きいと言われています。
低用量ピルには、男性ホルモンの作用を抑える効果があり、ニキビや多毛の改善にもつながります。服用することで肌のトラブルが解消されるかもしれません。
メリット6|経血量が減少し貧血の予防になる
低用量ピルを服用することで、経血量が減少する傾向があります。これは、子宮内膜の増殖が抑えられるためです。
経血量が減ることで、貧血の予防や改善にもつながります。また、生理中のナプキンの交換回数も減るため、より快適に過ごせるようになるでしょう。
メリット7|高い避妊効果が得られる
避妊法 | 避妊失敗率 | |
---|---|---|
理想的な使用注1) | 一般的な使用注2) | |
避妊しない | 46.0% | 46.0% |
緊急避妊法 | 5.1% | 5.1% |
コンドーム | 2.0% | 18.0% |
オギノ式避妊法 | 5.0% | 24.0% |
基礎体温法 | 5.0% | 24.0% |
膣外射精法 | 4.0% | 22.0% |
OC | 0.3% | 9.0% |
IUS | 0.2% | 0.2% |
IUD | 0.6% | 0.8% |
注2) 一般的な使用を想定した避妊失敗率:選んだ避妊法を使用しているにもかかわらず妊娠してしまう確率
低用量ピルの最大のメリットとも言えるのが、高い避妊効果です。正しく服用すれば、99%以上の高い確率で妊娠を防ぐことができます。
他の避妊方法と併用すれば、より確実な避妊が可能です。妊娠を望まない女性にとって、不安解消の一つとなりますので、パートナーとの時間を安心して楽しむことができます。
低用量ピルの成分と生理痛が和らぐメカニズム
低用量ピルは、主に2種類の女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲスチンを配合した薬です。これらのホルモンは、卵巣の働きを抑制し、排卵を止めることで避妊効果を発揮します。
そのため、低用量ピルを服用すると厳密には「生理」は起こりません。自然な生理は、排卵後に妊娠が成立しなかった場合に、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起こる現象です。
しかし、低用量ピルを服用している間は、排卵が起こらないため、子宮内膜は厚くなりません。そのため、ピル服用中に起こる出血は、「消退出血」と呼ばれ、自然な生理とは異なります。

(編集部作成)
消退出血は、一般的に生理よりも出血量や期間が少なく、痛みも軽い傾向があり、生理痛が改善したと感じるのです。
低用量ピルを服用する際の注意点3つ
ピルを服用する際には、いくつかの注意点があります。安全に服用するために、以下の点に気をつけましょう。
注意点1|毎日同じ時間に服用しなければならない
低用量ピルは、ホルモンバランスを一定に保つことで効果が安定します。そのため、避妊効果を確実に得るためには、毎日同じ時間に服用することが非常に重要です。
服用時間を大きくずらしてしまうと、体内のホルモンバランスが乱れ、避妊効果が薄れてしまう可能性があります。毎日、朝食後や就寝前など、自分が忘れにくい時間帯を決めて、習慣づけるようにしましょう。

スマホのアラームを設定する場合は、繰り返しを「毎日」に設定します。普段使用しているものとは違うピル専用のサウンドを設定しておくと、聞いただけで服用タイミングだと気づけるのでおすすめです。
注意点2|定期的な検査が必要
低用量ピルを服用中は、定期的に医師の診察と検査を受ける必要があります。これは、ピルが体に合っているか、副作用が出ていないかなどを確認するためです。また、血圧や体重、血液検査などの結果から、健康状態をチェックし、安全に服用を続けるために非常に重要です。
医師の指示に従って、定期的に検査を受け、自身の健康状態を把握しましょう。もし、気になる症状や体調の変化があれば、早めに医師に相談するようにしてください。
注意点3|35歳以上で1日15本以上の喫煙者はNG
35歳以上で1日に15本以上のタバコを吸う方は、低用量ピルの服用を控えるべきです。喫煙は、血栓症のリスクを高める要因の一つであり、ピルを服用することでさらに血栓症のリスクが高まる可能性があります。
血栓症は、血管内に血の塊(血栓)ができることで、血管が詰まってしまう病気です。脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症などを引き起こす可能性があり、命に関わる危険性もあります。
35歳以上で喫煙習慣がある方は、医師に相談し、ピル以外の避妊方法を検討しましょう。
ピル以外の避妊方法には、コンドームの他に、IUS(子宮内システム)やIUD(子宮内避妊具)という避妊方法もあります。器具を挿入することで高い避妊効果が期待できるので、長期の避妊を希望する方や次の出産まで期間をあけたい方の中で需要が高まっています。
IUS (子宮内システム) | 子宮内に入れる小さな器具で、黄体ホルモンを放出する一度の挿入で最長5年間の避妊効果がある避妊率は99.8%と非常に高く、生理痛も軽減可能 |
IUD (子宮内避妊具) | 子宮内に装着する避妊具一度の装着で2~5年間効果が持続避妊率は99.2~99.4%と高い効果がある |
低用量ピルは、多くの女性にとってメリットのある薬ですが、体質や生活習慣によっては注意が必要な場合があります。服用を検討する際は、必ず医師に相談し、自分に合ったピルを選び、正しく服用することが大切です。
ピル処方ならミライメディカルクリニックがおすすめ

低用量ピルの処方を受けるには、婦人科を受診するのが一般的ですが、忙しくてなかなか時間が取れないという方もいるかもしれません。
そんな方におすすめなのが、オンライン診療のミライメディカルクリニックです。自宅や職場など、インターネット環境があればどこからでも受診できるので、手軽に低用量ピルを処方してもらうことができます。
診察後はレターパックで郵送され、最短当日発送で低用量ピルを受け取ることが可能です。電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。低用量ピルの服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
低用量ピルには、女性の身体と生活に嬉しいメリットが数多くあります。例えば、生理痛や腰痛といった月経痛の改善が期待できます。また、月経の時期を調整できるため、旅行やイベントなどの予定が立てやすくなるでしょう。
さらに、PMS(月経前症候群)の症状を和らげたり、子宮内膜症の予防や改善にも効果的です。ニキビや多毛といった肌トラブルの改善にもつながり、経血量が減少することで貧血予防にもなります。そして、正しく服用すれば高い避妊効果も得られます。
ただし、毎日同じ時間に服用する必要があること、定期的な検査が必要なこと、そして35歳以上で1日15本以上喫煙する方は服用できないといった注意点もあります。
このように、ピルは女性の健康とライフスタイルをサポートする強力な味方です。メリットと注意点を理解した上で、自分に合った使い方を見つけましょう。
ピルの服用を検討されている方は、ぜひミライメディカルクリニックにご相談ください。