PMSはピルで改善できる?保険適用の有無やおすすめの低用量ピル3選も紹介

生理前のイライラや気分の落ち込み、毎月訪れるPMS症状に悩まされていませんか?

この記事では、PMS症状の原因や種類、そして緩和に効果的なピルについて詳しく解説します。治療法は低用量ピルを含めて3種類あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分に適した治療法を選ぶ参考にしてみてください。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

PMS治療のピルは保険適用される?

PMSを含む月経困難症や子宮内膜症の治療目的の場合は、保険が適用されることがあります。ただし、医師による診断が必要で、問診や血液検査などの検査が必要です。

「ヤーズ・ヤーズフレックス」や「ルナベルLD/ULD」「フリウェルLD/ULD」「ジェミーナ」など、種類によっては保険適用で処方されることがあります。治療目的による処方が必要で、単なる避妊目的や医師による診断がない場合は保険適用外となるので注意が必要です。

PMS(月経前症候群)とは

PMS(月経前症候群)はPremenstrual Syndromeの略称で、生理の2週間くらい前から始まる心身の不調のことです。生理が始まると症状が消失する心身の不調を指します。

生理前に何らかの症状がある女性がほとんどですが、中でも生活に支障が出るほどの不調を感じる場合に診断されることが多いです。また、精神症状が強く日常生活に支障をきたす場合、月経前不快気分障害(PMDD)として区別されることもあります。

参考:J-Stage「PMS,PMDD の診断と治療

PMSの原因はホルモンバランスの変化

PMSの主な原因は、月経周期における女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のバランスの変化と考えられています。

引用:SMART LIFE PROJECT「女性ホルモンとうまく付き合っていくには?

特に月経前になると、プロゲステロンの急激な減少により、セロトニンやGABAといった神経伝達物質の働きが低下。イライラや不安、抑うつなどの精神症状が現れやすくなります。

また、PMSの症状の強さには個人差があり、同じ人でも月によって異なることがあります。

PMSの主な症状は200種類以上

PMSの症状は非常に多岐にわたり、その組み合わせや度合いによって200種類以上あると言われています。人によって症状の種類や程度は大きく異なるのも特徴の一つです。

大きく分けて身体的な症状と精神的な症状があり、代表的な症状としては、イライラ、抑うつ気分、頭痛、腹痛、乳房の張りなどがあります。

(「94.5%の女性が抱えるPMS(月経前症候群)に関する意識調査」を参考に編集部作成)

上記の調査によると、特に「イライラ」や「怒りっぽくなる」は6割以上の人が実感していることが分かります。生理前になるとパートナーに対してきつくあたってしまったり、喧嘩が増えると感じている場合は、PMSによる症状かもしれません。

PMSを改善する主な治療方法は3つ

PMSを改善する主な治療法として、「漢方薬」「精神薬」「低用量ピル」があります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、どの治療法が自分に適しているかじっくり検討することが大切です。

メリットデメリット
漢方薬・ピルが使えない人でも使用可能
・副作用が少ない
・根本的な改善につながりやすい
・即効性がなく、長期服用が必要
精神薬
(SSRI)
・精神症状に効果的
・月経前だけの服用も可能
・20歳未満は使用不可・効果が強すぎる場合がある
低用量ピル・症状に直接働きかける
・効果が早い
・月経不順も改善・避妊効果もある
・血栓症のリスクがある

漢方薬は、自然由来の成分を配合しているため副作用が少ないのが特徴です。即効性はありませんが、ゆっくりじっくりと根本的な体質改善を目指したい方に推奨されます。

PMSに対する精神薬(SSRI)はうつ病治療とは異なり、数日で効果が現れることがあります。抵抗がある方も多いと思いますが、特に精神症状が強く日常生活に支障がでている方には適しています。

低用量ピルは経口避妊薬として有名ですが、ホルモンバランスを安定させる効果があるため、PMSの症状改善にも有効です。効果が早く、生理痛の緩和や生理不順の改善にもつながるため、一般的に推奨される治療方法でもあります。

PMS治療におすすめの低用量ピル3選

ここでは、PMSの改善に特におすすめの低用量ピルを3つ紹介します。

ヤーズ配合錠|月経困難症の治療薬

引用:バイエルファーマナビ「ヤーズ配合錠

ヤーズ配合錠は、PMSの症状緩和や月経困難症の治療に用いられる低用量ピルです。

ホルモンバランスを整えることで、PMSによる精神的な症状(イライラ、不安感、抑うつ気分など)や身体的な症状(頭痛、腹痛、むくみなど)を軽減する効果が期待できます。PMSがひどくなったと感じている方にもおすすめです。

ルナベル/フリウェルULD|生理痛や生理不順にも効果的

引用:富士製薬工業株式会社「ルナベル配合錠

ルナベルとフリウェルULDも、PMSの治療に用いられる低用量ピルです。これらのピルは、生理痛や生理不順の改善にも効果があるとされています。PMSの症状に加えて、生理痛や生理不順にも悩んでいる方におすすめです。

ジェミーナ配合錠|抑うつ症状にも効果的

引用:ノーベルファーマ「ジェミーナ配合錠

ジェミーナは、ニオイや肌荒れにも効果があるとされている低用量ピルです。抑うつ症状が主体のPMSにも有効で、ニオイや肌荒れが気になる方にも適しています。

まとめ

PMS(月経前症候群)は、月経前に起こる心身の不調のことで、その原因はホルモンバランスの変化とされています。症状は200種類以上あると言われ、人によって様々です。改善方法としては、漢方、精神薬、そして低用量ピルによる治療が挙げられます。

低用量ピルは、ホルモンの変動を抑えることで、PMSの症状を緩和する効果が期待できます。特に、ヤーズ配合錠、ルナベル/フリウェルULD、ジェミーナはPMS治療によく用いられる低用量ピルです。これらのピルは、症状によっては保険適用となる場合もあります。

PMSの症状を抱えている方の中には、低用量ピルが効果的な治療法となることがあります。PMSの症状に悩んでいる方は、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみましょう。あなたに合った治療法を見つけることで、より快適な毎日を過ごせるようになるかもしれません。

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