双極性障害に末期はある?医学的な区分はありません

双極性障害に末期はある?重症化として実際に起きることを解説

「双極性障害 末期」という調べ方をされる方がいます。先にお伝えすると、双極性障害に医学的な「末期」という区分はありません。 がんのようにステージで進行を測る病気ではないためです。

ただし、重症化という状態はあります。何が重くなるのか、それを避けるために何が効くのかを整理します。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療を行うものではありません。症状の受け止め方や必要な対応は一人ひとり異なります。気になる症状があるときは、かかりつけ医または精神科・心療内科にご相談ください。

双極性障害に「末期」という区分は無い

双極性障害に「末期」という区分はない

双極性障害は、気分が高まる時期(躁・軽躁)と落ち込む時期(うつ)を繰り返す病気です。がんのように段階が進んで終着点に向かう、という構造ではありません。

そのため「末期症状」という言い方は、医学的には使われません。

では何が重くなるのか。実際に起きているのは次のような変化です。

重症化として現れること内容
波の間隔が短くなる躁とうつの切り替わりが頻繁になる
波が深くなる躁も強く、うつも深くなる
症状のない期間が短くなる落ち着いている時期が減る
生活の基盤が崩れる仕事、金銭、人間関係の損失が積み重なる
入院が必要になる自傷他害のおそれ、生活が成り立たない状態
身体の問題が重なる生活習慣の乱れによる身体疾患

病気そのものが「進行」するというより、繰り返しの結果として生活が壊れていくという形になります。

双極性障害は生活の損失が積み重なる

双極性障害でつらいのは、症状そのものだけではありません。躁の時期の行動が、あとから生活に響きます。

躁の時期に起きやすいことあとに残るもの
高額な買い物、投資、契約借金、金銭的な負担
職場でのトラブル、突然の退職収入の喪失、再就職の難しさ
人間関係の衝突家族や友人との関係の悪化
危険な行動事故、法的な問題

そして波が変わると、今度はうつの時期にこれらが重くのしかかります。この積み重なりが、生活を成り立たなくしていきます。

だからこそ、症状を抑えることには「いまつらいから」以上の意味があります。躁の時期の行動を減らすことが、その後の生活を守ります。

双極性障害の重症化を避けるために効くこと

繰り返しの回数を減らすことが、結果的に重症化を避けることにつながります。

1
服薬を続ける
中断が波を招く最大の要因です。調子が良い時期こそやめたくなります。
2
受診を途切れさせない
うつの時期は行けず、良い時期は行かなくなる。ここが最大の弱点です。
3
睡眠のリズムを保つ
睡眠不足が躁の引き金になることがあります。
4
波の記録をつける
気分、睡眠時間、出来事。パターンが見えると先回りできます。
5
家族が変化に気づける形をつくる
本人が躁の時期に自覚を持つのは難しいためです。

受診が途切れる構造に手を打つ

この病気で最も現実的な問題が、通院の継続です。

時期起きること
うつの時期動けないので通院できない
回復期「もう大丈夫」と感じて通院をやめる
躁の時期調子がいいので必要性を感じない
また落ちる治療が途切れたまま次の波が来る

この循環を断つには、通院という形そのものを見直す必要があります。 自宅に医師が伺う訪問診療なら、うつの時期でも診療が途切れません。定期訪問なので、良い時期に自然消滅することもありません。

双極性障害で入院が必要になる場面

次のような状態では、入院での治療が検討されます。

  • 自分や他人を傷つけるおそれがある
  • 食事や睡眠が取れず、身体の状態が危険
  • 躁の状態が強く、生活が成り立たない
  • 自宅での治療では安全が確保できない

入院は失敗ではありません。 状態を立て直すための手段です。ただし、入院に至る前に手を打てる場面は多くあります。

家族が異変に気づいた段階で相談することが、入院を避けることにつながります。

受診の目安を確認したい場合は精神疾患のセルフチェックに共通のチェックを置いています。支えている側が消耗している場合は家族が精神疾患で疲れたときを先に読んでください。

双極性障害で家族が気づける変化

本人が躁の時期に自覚を持つことは難しいため、家族の観察が重要になります。

変化見るところ
睡眠時間が急に短くなった何時に寝て何時に起きているか
話す量とスピードが増えた会話の様子
買い物や契約が増えた支出、届く荷物
気が大きくなった発言計画の内容が現実離れしていないか
怒りっぽくなった些細なことでの衝突
服薬をやめた薬の減り方

睡眠時間の変化が最も早く出ます。 ここを記録しておくと、波の始まりに気づけます。

チェックの形は躁うつ(双極性障害)のセルフチェックにまとめています。接し方は双極性障害や境界性パーソナリティ障害の人との接し方で扱っています。

双極性障害で使える制度をまとめて確認する

診断がつくと、使える制度が増えます。手続きの前に診断が必要なものが多いため、受診が入口になります。

制度内容窓口
自立支援医療(精神通院)精神科の医療費の自己負担が原則1割。所得に応じた月額上限市区町村
精神障害者保健福祉手帳各種の割引や支援。自治体により医療費助成市区町村
障害年金(精神)一定の状態が続いている場合の年金年金事務所
傷病手当金働けない期間の所得の補填加入している健康保険
介護保険訪問介護、デイサービス、ショートステイ地域包括支援センター
生活保護(医療扶助)医療費の自己負担なし市区町村

自立支援医療の自己負担の上限は、住民税非課税で収入が年826,500円以下なら月2,500円、それを超える場合は月5,000円、生活保護を受けている世帯は0円です。統合失調症・躁うつ病・うつ病・認知症等は「重度かつ継続」(長く医療が必要な状態として、負担の上限が別に定められる区分)の対象に含まれ、中間所得層でも上限が設けられます。

出典 東京都福祉局自立支援医療

こころの訪問診療では、自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金・介護保険の主治医意見書(要介護認定のときに主治医が書く書類)・傷病手当金などの診断書や申請書を訪問時に作成できます。書類のために別途通院する必要はありません。

双極性障害の重症化についてよくある質問

双極性障害に末期はありますか

医学的な「末期」という区分はありません。重症化として現れるのは、波の間隔が短くなる、波が深くなる、生活の基盤が崩れるといった変化です。

重症化するとどうなりますか

躁とうつの切り替わりが頻繁になり、症状のない期間が減ります。生活の損失が積み重なり、入院が必要になることもあります。

治りますか

波を減らし、生活を保つことが治療の目標になります。服薬と受診を続けることが、繰り返しの回数を減らすことにつながります。

入院したほうがいいですか

自分や他人を傷つけるおそれがある、生活が成り立たない状態では検討されます。ただし、その前に手を打てる場面は多くあります。

通院が続きません

うつの時期は行けず、良い時期はやめてしまうのがこの病気の弱点です。自宅に医師が伺う訪問診療なら、どちらの時期でも診療が途切れません。

波のどの時期でも診療が途切れません

通院が難しいときは、ご自宅での精神科診療という方法があります

こころの訪問診療 byミライメディカルクリニックは、世田谷区を中心に三軒茶屋駅から半径16km圏へ精神科医が伺う訪問診療です。うつ病・統合失調症・双極性障害・認知症・不安障害などに対応し、基本は月2回の定期訪問。ご契約中の方には緊急連絡先をご案内し、24時間お電話でご相談いただけます。

  • 診療情報提供書はなくてもご相談いただけます
  • ご本人が同席されなくても、ご家族だけでのご相談から始められます
  • 自立支援医療をご利用の場合、自己負担は月2,500円〜が目安です
  • 自立支援医療・精神障害者保健福祉手帳・障害年金などの診断書も作成できます

お電話でのご相談 03-6689-8121

こころの訪問診療は精神科医が自宅に伺う診療で、双極性障害も対応疾患に含まれます。基本は月2回の定期訪問なので、うつの時期に行けなくなることも、良い時期に自然消滅することもありません。

訪問のたびに服薬の状況と睡眠のリズムを確認します。ご家族から見た様子も、その場で共有していただけます。

ご本人が受診に前向きでない場合も、ご家族だけのご相談から始められます。

まとめ

双極性障害に医学的な「末期」という区分はありません。重症化として現れるのは、波の間隔が短くなる、波が深くなる、症状のない期間が減る、そして生活の基盤が崩れるという変化です。

躁の時期の行動が、あとからうつの時期に重くのしかかります。この積み重なりが生活を成り立たなくしていくため、症状を抑えることには「いまつらいから」以上の意味があります。

重症化を避けるために効くのは、服薬の継続と受診の継続です。うつの時期は行けず、良い時期はやめてしまうという構造が最大の弱点なので、通院という形そのものを見直す価値があります。睡眠時間の変化が最も早く出るサインです。

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