「生理中にセックスしても妊娠しないって本当?」実は、生理中でも妊娠の可能性はゼロではありません。また、生理中にセックスをすることは、女性の体に負担をかけたり、感染症のリスクを高めたりする可能性があります。
この記事を読んで、生理中のセックスで妊娠する可能性や、感染症などのリスクについて理解を深めましょう。また、どうしても生理中にセックスしたい場合の注意点や、月経移動という選択肢についてもご紹介します。
目次
生理中のセックスなら妊娠しないはウソ!
生理中にセックスをしても妊娠しないというウワサがあります。しかし実際のところ、生理中でも妊娠する可能性はゼロではありません。
精子は女性の体内で1週間程度生存可能です。排卵のタイミングは個人差があり、またストレスや生活習慣の変化でずれることもあります。そのため、生理が終わった直後に排卵が起こり、妊娠に至るケースも考えられます。
また、不正出血と生理を見分けるのが難しい場合もあります。少量の出血を生理と勘違いし、セックスをして妊娠する可能性もあるのです。
確かに他の時期と比べると妊娠の確率は低いですが、生理中のセックスはそれ以外にもさまざまなリスクがあるため、避けてください。
生理中に避妊なしでセックスしてしまったらアフターピルを服用しよう
もし生理中に避妊なしでセックスしてしまった場合、妊娠の可能性は低いもののゼロではありません。妊娠を望まない場合は、速やかにアフターピルを服用することをおすすめします。
アフターピルは性交後72〜120時間以内に服用することで、高い確率で妊娠を防ぐ効果が期待できます。緊急避妊の選択肢として、アフターピルは覚えておきましょう。
主なアフターピルの種類と効果は以下の表を参考にしてください。
種類 | 120時間有効アフターピル | 72時間有効アフターピル |
商品名 | エラ、エラワン、ジョセイ | ノルレボ、レボノルゲストレル錠、マドンナ |
有効成分 | ウリプリスタール酢酸エステル | レボノルゲストレル |
避妊率 | 120時間以内の服用で98.9% | 72時間以内の服用で85% |
120時間有効のアフターピルは、有効時間や避妊率において優位です。ただし、価格も約2倍になるため、性行為からの経過時間や金銭的な事情を考慮して選択することをおすすめします。
生理中のセックスを避けたほうがいい理由
生理中は、女性の体が妊娠の準備のために変化している時期です。この時期にセックスをすることは、女性の体に負担をかけたり、感染症のリスクを高めたりする可能性があります。
理由1|女性の身体に負担がかかる
生理中は、女性の体がデリケートな状態になっています。その生理中にセックスをすることは、女性の体に負担をかけ、様々なリスクを高める可能性があるため注意が必要です。
子宮が刺激されることで、生理痛がひどくなったり、出血量が増えるリスクもあるでしょう。そのため、生理中のセックスは控えることをおすすめします。
理由2|性感染症のリスクが高まる
生理中は、子宮頸管がわずかに開いているため、普段よりも細菌が侵入しやすくなります。そのため、性感染症にかかるリスクが高まります。コンドームを使用しても、完全に感染を防げるわけではありません。
理由3|子宮内膜症を引き起こす可能性
子宮内膜症は、子宮内膜が子宮以外の場所に発生する病気です。
生理中にセックスをすることで、経血が子宮内から逆流し、卵管を通って腹腔内に達することがあります。これにより、子宮内膜症を引き起こす可能性が指摘されています。この経血に含まれる子宮内膜細胞が腹腔内で増殖することで、子宮内膜症を引き起こす可能性があるため、大変危険です。
また、子宮内膜症は、不妊の原因となることもある病気です。子宮内膜症患者の30〜50%が不妊症を経験するとされているため、生理中のセックスは避けましょう。
参考:日本産婦人科学会「子宮内膜症」
大事な予定と生理が被りそうなら月経移動がおすすめ
お泊りデートや久しぶりの旅行など、大事な予定と生理が被りそうで、セックスも諦めたくないのであれば、月経移動がおすすめです。
月経移動は、中用量ピルや低用量ピルを使用して生理周期を調整する方法です。主に中用量ピルが使用され、生理を早めたり遅らせたりすることができます。希望する場合は、生理をずらしたい予定日の1~2ヶ月前までに受診するようにしましょう。
過ぎてしまった場合でも、できるだけ早めの受診が推奨されており、遅くとも、生理予定日の5日前までには服用を開始しなければなりません。
生理が始まってしまうと途中で止めることはできないため、月経移動を確実に行うためには、十分な余裕を持って医療機関を受診することが重要です。
また、月経移動はあくまでも一時的なものであり、頻繁に行うとホルモンバランスが乱れる可能性があります。月経移動を行う場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
オンライン診療のミライメディカルクリニックなら、スマホやパソコンがあれば、自宅にいながら診察から処方まで完結できます。また、待ち時間や移動時間を削減でき、忙しい方でも利用しやすいのが特徴です。
対面での診察に抵抗がある方でも、気軽に相談できるため、月経移動を検討している方はぜひ一度、オンライン診療を活用してみてください。
参考:厚生労働省「健康・医療 オンライン診療について」
どうしても生理中にセックスしたい場合は?
生理中のセックスは、感染症のリスクや生理痛の悪化など、いくつかのリスクを伴います。しかし、どうしてもしたい場合は、以下の点に注意してください。
注意点1|生理の初日~3日目は避ける
生理中にセックスをする場合、特に生理の初日~3日目は避けることをおすすめします。なぜなら、この時期は経血量が多く、子宮口が開いているため、感染症や子宮内膜症のリスクが高まるからです。
注意点2|コンドームを必ず使用する
コンドームは、性感染症の予防だけでなく、妊娠の予防にも効果的です。生理中にセックスをする場合は、感染症予防のために必ずコンドームを使用しましょう。
注意点3|挿入は浅めにする
生理中は、子宮頸管が開いているため、深すぎる挿入は避けましょう。子宮内膜症などの病気を引き起こす可能性があります。
注意点4|激しい動きは避ける
激しい動きは、子宮内膜症などの病気を引き起こす可能性があります。生理中にセックスをする場合は、優しくゆっくりとした動きを心がけましょう。
注意点5|衛生面に配慮する
生理中は、細菌感染のリスクが高まっているため、衛生面に十分配慮しましょう。セックスの前後は、しっかりと体を洗うことが大切です。
また、タオルを敷くなどの工夫で、ベッドの汚れを防ぎましょう。さらに、挿入は浅めにする、激しい動きは避けるなど、お互いに配慮することも大切です。ローションの使用も検討すると、より快適なセックスが可能になります。
生理中のセックスはリスクを伴う行為であることを理解し、上記の点に注意しながら、パートナーとよく話し合って行うようにしましょう。
まとめ
生理中のセックスは、妊娠の可能性がゼロではありません。精子は数日間生きることがあり、排卵時期がずれたり、不正出血と生理を見間違えたりすることもあるからです。もし避妊せずにセックスしてしまった場合は、アフターピルの服用を検討しましょう。
生理中は、普段よりも性感染症のリスクが高まったり、子宮内膜症を引き起こす可能性も指摘されています。大切な予定と生理が重なりそうな場合は、月経移動も一つの方法です。
生理中にどうしてもセックスしたい場合は、コンドームを必ず使用し、経血量の多い生理開始から3日間程度は避ける、タオルを敷くなどの配慮をしましょう。