性病は早期発見・早期治療が重要です。でも、どんな性病があるのか、どうやって治せばいいのか、病院に行くのはハードルが高い…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、主な性病の種類や症状、感染経路から、検査方法、治療法まで、性病に関する基本的な知識を分かりやすく解説していきます。性病についての正しい知識を身につけ、自分と大切なパートナーの健康を守りましょう。

目次
性病とは?感染経路と主な症状
性病とは、性行為によって感染する病気の総称です。性行為には、性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスも含まれます。主な感染経路は、性行為による粘膜や皮膚の接触です。感染した際の主な症状を以下で紹介します。
性感染症(STD) | 主な症状 | 感染時の注意点 |
---|---|---|
クラミジア | 無症状が多い、おりもの増加、排尿時痛 | 適切な抗生物質治療で完治。早期発見・治療が重要 |
淋病 | 排尿痛、黄色い分泌物 | 適切な抗生物質で完治。耐性菌に注意 |
梅毒 | しこり、発疹、発熱 | 早期であれば抗生物質で完治。進行すると後遺症の可能性 |
ヘルペス | 小さな水疱や潰瘍、かゆみ、灼熱感 | 完治はせず、生涯ウイルスは体内に残る。再発を繰り返すが、回数は時間とともに減少 |
コンジローマ | イボ状の隆起 | イボは治療で除去可能だが、ウイルスは体内に残存 |
HIV | 発熱、倦怠感、免疫低下 | 完治は不可。治療で抑制は可能 |
このように、性病の種類によって症状は様々です。ただし、自覚症状がない場合でも感染している可能性があります。心当たりがある場合は、早めに検査を受けるようにしましょう。
放置するとどうなる?性病が引き起こすリスク
性病を放置すると、様々なリスクが生じます。例えば、クラミジア感染症や淋菌感染症は、卵管炎や精巣上体炎を引き起こし、不妊症につながる可能性があります。
また、性病の中には、他の病気を併発しやすくなるものもあります。HIV感染症は免疫機能を低下させ、日和見感染症などのリスクを高めます。梅毒は、放置すると心臓や脳に重大な合併症を引き起こす可能性があります。
さらに、パートナーへの感染リスクも高まります。性病に感染していることに気づかずに性行為を行うと、パートナーにも感染させてしまう可能性があるのです。
少しでも症状が気になる場合は、医療機関を受診することが大切です。自己判断で市販薬を使用したり、放置したりすると、症状が悪化したり、他の病気を併発したりする可能性があります。早期発見・早期治療によって、自分自身とパートナーの健康を守りましょう。
性病の治し方|症状別の治療法
性病は、種類によって症状や治療法が異なります。早期発見・早期治療が重要ですので、気になる症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。
クラミジアの治し方(抗生物質による治療

引用元:ニプロ「アジスロマイシン錠250mg「NP」」
クラミジアは、アジスロマイシンやクラリスロマイシンなどの抗生物質の内服によって治療します。処方された薬を指示通りに服用することが大切です。自己判断で服薬を中断すると、再発や耐性菌出現のリスクが高まります。パートナーも同時に治療を受ける必要があります。
淋病の治し方(注射・経口薬での治療)

引用:pfizer「トロビシン筋注用 剤形写真」
淋病は、抗生物質の注射や点滴、もしくは経口薬で治療します。淋病もクラミジアと同様に、処方された薬を最後まで服用することが重要です。近年、薬剤耐性を持つ淋菌が増加しているため、医師の指示に従い適切な治療を受けましょう。
梅毒の治し方(ペニシリン系薬での治療)

引用:東和薬品「アモキシシリンカプセル250mg「トーワ」」
梅毒は、ペニシリン系の薬剤で治療します。内服薬または筋肉注射で治療が可能です。梅毒は早期に発見し治療を開始すれば、完治が期待できますが、放置すると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、早期の検査と治療が重要です。
性器ヘルペスの治し方(抗ウイルス薬の使用)

引用:東和薬品「バラシクロビル錠500mg「トーワ」」
性器ヘルペスは、抗ウイルス薬を使用して症状を緩和し、再発を抑制します。ヘルペスウイルスは体内に潜伏し続けるため、完治は難しい病気です。症状が出た時に抗ウイルス薬を服用することで、症状の悪化を防ぎます。
尖圭コンジローマの治し方(外科的処置・塗り薬)

引用元:QLIFE「ベセルナクリーム5%」
尖圭コンジローマは、外科的処置(液体窒素、レーザー治療など)や塗り薬によって治療します。症状や患部の状態に合わせて、適切な治療法を選択します。再発しやすい病気であるため、定期的な検査が必要です。
HIV・エイズの治療方法(抗レトロウイルス療法)
HIV感染症は、抗レトロウイルス療法(ART)によって治療します。ARTは、HIVの増殖を抑える薬を複数組み合わせて服用する治療法です。ARTにより、ウイルス量を減少させ、免疫機能の低下を防ぎ、発症を遅らせることが可能です。
性病の治療期間と完治までの流れ
性病の治療期間は種類によって異なります。クラミジア感染症であれば、抗生物質を服用することで通常1〜2週間で完治します。淋病も抗生物質による治療が一般的で、1週間程度で症状が改善することが多いです。
梅毒の場合は、ペニシリン系の抗生物質の注射を行い、早期であれば比較的短期間で治療できます。ただし、進行した梅毒の場合は治療期間が長引くこともあります。
性病の治療において、自己判断で治療を中断することは危険です。症状が良くなっても、体内に病原体が残っている可能性があります。医師の指示に従い、処方された薬を最後まで服用することが完治のために不可欠です。
性病の検査方法は?保険適用はされる?
性感染症(STD)の早期発見・治療は、あなた自身の健康だけでなく、パートナーの健康を守るためにも重要です。以下に3つの検査方法の比較を記載するので、メリット・デメリットを確認しながら最適な方法を選択するようにしましょう。
検査方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クリニック | ・医師の診察が同時に受けられる ・幅広い種類の検査に対応 ・即日治療が可能 | ・保険証が必要な場合あり ・費用負担あり ・予約が必要な場合あり |
保健所 | ・匿名で検査可能無料で受診可能 ・予約不要の場合あり | ・検査種類が限定的 ・結果判明まで時間がかかる ・検査日時が限定的 |
検査キット | ・自宅で検査可能プライバシーが保護される ・全国どこからでも利用可能 | ・検査キット代が必要 ・結果判明まで時間がかかる ・医師への相談が困難 |
クリニックは、泌尿器科・婦人科・皮膚科などが挙げられます。
性病検査の費用は、検査の種類や医療機関によって異なりますが、症状がある場合やパートナーが性感染症と診断された場合などは保険適用となります。状況によっては自由診療となる場合もあるため、費用が気になる場合は、事前に医療機関に問い合わせて確認しましょう。
検査結果が陽性だった場合は、必ず医師の指示に従って治療を受けましょう。パートナーへの感染を防ぐためにも、性行為は控える必要があります。また、パートナーにも検査と治療を受けてもらうことが重要です。
まとめ
性病は適切な治療を早期に開始することで、多くの場合完治や症状の改善が可能です。しかし、自覚症状がない場合でも感染している可能性があり、放置すると重篤な合併症を引き起こしたり、パートナーへの感染リスクが高まったりする恐れがあります。
性病の治療は、医療機関を受診することが不可欠です。自己判断での市販薬の使用は避けましょう。性病の種類によって適切な治療法が異なるため、医師の診断に基づいた治療を受けることが大切です。
ヘルペスなど、一部の性病は完治が難しい場合もあります。しかし、症状を抑える治療を行うことで、再発を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることが可能です。定期的な検査と適切な治療を続けることが重要です。
検査は医療機関、保健所、自宅での検査キットなど、状況に応じて選択することができます。症状がある場合は保険適用となることが多く、比較的手軽に受診できます。
性病の治療は、自分自身だけでなく、パートナーの健康を守るためにも必要なことです。気になる症状がある場合は、恥ずかしがらずに医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。