ゴムありの性行為でも、妊娠する可能性があることをご存知でしょうか。コンドームを使用した避妊の場合、装着の不備や使用方法の誤りがあると、本来の避妊効果を得られないことがあります。
この記事では、ゴムありでも妊娠する確率とその理由、避妊失敗を防ぐための正しいゴムの使い方、低用量ピルとの併用について解説します。妊娠に関する不安を減らし、自分に合った避妊方法を選択しましょう。
一般的なゴムあり性行為の妊娠確率は18%程度
避妊法 | 避妊失敗率 | |
---|---|---|
理想的な使用注1) | 一般的な使用注2) | |
避妊しない | 46.0% | 46.0% |
緊急避妊法 | 5.1% | 5.1% |
コンドーム | 2.0% | 18.0% |
オギノ式避妊法 | 5.0% | 24.0% |
基礎体温法 | 5.0% | 24.0% |
膣外射精法 | 4.0% | 22.0% |
OC | 0.3% | 9.0% |
IUS | 0.2% | 0.2% |
IUD | 0.6% | 0.8% |
注2) 一般的な使用を想定した避妊失敗率:選んだ避妊法を使用しているにもかかわらず妊娠してしまう確率
コンドームを正しく使用した場合の避妊失敗率はわずか2%です。しかし、多くの人が誤った方法で使用しているため、一般的な使用における失敗率は18%と報告されています。なぜ、妊娠確率にこれほどの差があるのでしょうか。
コンドームを使用した避妊の場合、装着の不備や使用方法の誤りがあると、本来の避妊効果を得られないことがあります。また、正しい方法で使用していたとしても、ズレや破損によって精液が漏れる可能性があり、その結果が、18%の妊娠確率となっているのです。
万が一、ズレや破損が起きて避妊に失敗した恐れがある場合は、緊急避妊薬であるアフターピルの服用を検討しましょう。行為から72〜120時間以内の服用で高い避妊効果が期待できます。
アフターピルはオンラインでも処方可能ですので、お求めの際は緊急アフピルの利用を検討してみてください。
コンドームを使用していても妊娠してしまう理由
コンドームは正しく使えば高い避妊効果がありますが、避妊に失敗してしまう可能性はゼロではありません。ここでは、コンドームを使用しても妊娠してしまう理由を3つ紹介します。知識をつけることで避けられる失敗もあるため、きちんと確認しておきましょう。
理由1|装着前に精液がついてしまう
性的刺激を受けると、ペニスから「カウパー液」という体液が分泌されます。このカウパー液にも精子が含まれており、コンドームを装着する前に、性器が接触してしまうと妊娠するリスクが高まります。
そのため、コンドームをせずに素股をしたり、ペニスを触ったあとの指を腟内にいれる、射精直前にコンドームを装着するなどの行為は危険です。
理由2|コンドームの破損
コンドームは薄いラテックスやポリウレタン素材で作られているため、爪や鋭利な物で傷つけると破損することがあります。
また、サイズが合っていないコンドームを使用すると、装着中や性行為中に破損するリスクが高まります。適切なサイズと品質のコンドームを選び、装着時には十分注意しましょう。
コンドームを装着する際は、爪を立てないように注意し、適切なサイズを選びましょう。また、有効期限切れのコンドームは劣化しているため、使用を控えてください。
理由3|外すタイミングで漏れてしまう
射精後のペニスは徐々に小さくなるため、コンドームとの間に隙間ができて精液が漏れる可能性があります。
そのため、陰茎が勃起している状態を保ちながら、コンドームを根本からしっかりと押さえて抜き取りましょう。コンドームを外した後は、破損がないか確認することも大切です。
外すタイミングで膣内にコンドームが残ってしまった場合は、なるべく早く医療機関を受診して適切な方法で取り出してもらうようにしてください。
コンドームの正しい使い方
コンドームを正しく使うことで、妊娠の確率を大幅に下げることができます。しかし、使い方を間違えると、本来の効果が得られなくなってしまいます。使用する際は、正しい知識を身につけておくことが大切です。
コンドームの適切な選び方
コンドームのサイズが合っていないと、使用中に破損したり外れたりする可能性が高まります。そのため、自分のペニスのサイズに合ったコンドームを選びましょう。
コンドームのサイズは主にS,M,L,XLで、勃起時の男性器の直径より一回り小さい直径のコンドームを選ぶことが推奨されます。メーカーによりサイズ基準が異なりますが、一般的なサイズ直径は以下のとおりです。
(編集部作成)
サイズの他にも、素材や厚さ、形状なども様々な種類があります。より確実な避妊のためには、自分に合ったコンドームを見つけることが大切です。
関連記事:「ゴムの平均サイズはどのくらい?失敗しない選び方と正しい測り方を解説」
コンドームの正しい装着方法
(編集部作成)
コンドームを装着する際は、必ず清潔な手で扱い、爪などでコンドームを傷つけないよう注意が必要です。また、性器接触前に、必ず勃起状態で装着する必要があります。
- まず包装を破り、コンドームの裏表を確認しましょう
- 破れないよう爪を立てずに先端をつまんで、空気を抜きながら亀頭に乗せます
- ペニスの皮を下げたら、コンドームを根本まで下げます
- 射精後は、ペニスが勃起しているうちにコンドームを押さえながら、ゆっくりと膣外へ抜きましょう。
使用後は、コンドームをティッシュに包んで捨ててください。使い方がわからない場合は、性行為の前に、一度練習しておくのがおすすめです。
より確実な避妊なら、低用量ピルとの併用がおすすめ
コンドームを正しく使用した場合でも、妊娠する可能性はゼロではありません。より確実な避妊をするためには、低用量ピルとの併用がおすすめです。
低用量ピルは、毎日欠かさずに服用することで約99.7%〜91%(失敗率0.3〜9%)の避妊効果が期待できます。女性ホルモンを体内に取り入れることで排卵そのものを抑制するため、仮に精子が膣内に入ってしまった場合でも、受精を阻害することが可能です。
また、低用量ピルには避妊以外にもさまざまな効果があります。
月経関連症状の改善 | ・月経痛の緩和 ・月経不順の改善 ・過多月経の改善 ・PMS/PMDDの症状緩和 |
婦人科疾患の症状改善 | ・子宮内膜症の症状緩和 ・子宮筋腫による痛みや出血の軽減 |
肌トラブルの改善 | ・ニキビや肌荒れの改善 ・多毛症の改善 |
ただし、性感染症の予防はできないため、ゴムなしでの行為は控えましょう。
低用量ピルは医師の処方が必要な薬剤ですが、オンライン診療でも処方してもらうことが可能です。興味はあるけど婦人科に行くのは面倒だと感じているのであれば、ぜひ利用を検討してみてください。
参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について」
まとめ
ゴムあり性行為の妊娠確率は、一般的に18%程度と言われています。正しく使用すれば、2%まで下がりますが、実際には使用方法の誤りなどによって、妊娠してしまうケースもゼロではありません。
コンドームを使用していても妊娠してしまう理由としては、装着前に精液がついてしまう、コンドームが破損してしまう、外すタイミングで精液が漏れてしまうなどが挙げられます。妊娠を望まない場合は、コンドームの正しい使い方をマスターすることが重要です。
コンドームは、サイズや素材など、自分に合ったものを選びましょう。装着する際は、空気を抜いてから装着し、性行為後も正しく慎重に外すようにしてください。
より確実な避妊を希望する場合は、コンドームに加えて、低用量ピルを併用する方法もあります。低用量ピルは毎日服用することで、高い避妊効果が期待できるため、興味がある人はぜひ一度、ミライメディカルクリニックへご相談ください。