ピルを薬局で購入することはできない!市販化が遅れる理由やアフターピルの試験販売について徹底解説

残念ながら日本では、低用量ピルやアフターピルを一般の薬局で購入することはできません。「手軽に購入できたら便利なのになぜ?」と疑問に思う方も多いはず。

この記事では、ピルを薬局で購入できない理由や、アフターピルの一部薬局での試験販売について、また、安全かつ確実にピルを入手する方法をわかりやすく解説します。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

ピルを薬局で購入することはできない

ピルは、医師の診察と処方箋が必要な医療用医薬品です。そのため、残念ながら低用量ピルアフターピルを、市販薬のように薬局で購入することはできません。

海外では低用量ピルを薬局で買える!日本で市販化されない3つの理由

世界100カ国以上では、低用量ピルを処方箋なしで購入することが可能です。しかし、日本では未だに市販化されていません。現代の女性にとって生活の質を大きく向上させる画期的な医薬品にもかかわらず、今も市販化されていないのはなぜなのでしょうか。

理由1|副作用のリスク管理のため

低用量ピルは、体内のホルモンバランスに作用する医薬品です。個人差はありますが、血栓症などの副作用が生じる可能性があります。

そのため、医師による適切なリスク管理と副作用への対応が不可欠です。日本では、薬剤師が代替として説明できる体制が整っていないため、医師による診察と処方箋が必要とされています。

理由2|開始時期や継続方法の指導のため

低用量ピルは、正しく服用しなければ避妊効果を十分に得られません。また、服用の開始時期や休薬期間の設定、飲み忘れ時の対応など、適切な指導が必要です。

市販化されると、このような情報提供の機会が減り、誤った使用による避妊失敗や健康被害のリスクが高まる可能性が懸念されています。

理由3|性教育の遅れによる誤った認識を防ぐため

日本では、性教育が十分に行き届いていない現状があります。そのため、低用量ピルに関する正しい知識が不足している状態で市販化してしまうと、誤った認識や偏見が広まり、「適切に使用されないのではないか」と懸念されているのが事実です。

市販化の前に、性教育を充実させ、低用量ピルに対する理解を深める必要があると考えられています。

アフターピルは一部薬局で試験販売されている

引用:日本薬剤師会「緊急避妊薬 試験販売information

低用量ピルは薬局で購入できませんが、2023年11月28日から、厚生労働省による​​「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業」として、一部の薬局でアフターピルの試験販売を行う調査研究が開始されました。これはあくまで試験的なものであり、一般販売とは異なります。

この調査では、研究に参加した薬局と購入者に限り、販売が認められており、同意した16歳以上の女性本人であれば、医師の処方箋なしでアフターピルを購入することが可能です。

薬局(試験販売)でアフターピルを購入する場合、診察料や検査料などは含まれないため、相場より安い7,000円〜9,000円程度で手に入れることができます。なお、研修を修了した薬剤師との面談が必須な点に注意が必要です。

参考:厚生労働省「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における対応について

アフターピル試験販売の実施状況

アフターピルは、全ての薬局で購入できるわけではありません。現在、限定された地域や薬局で試験的に販売されています。試験販売の目的は、薬剤師による適切な説明と指導のもと、アフターピルへのアクセスを向上させることです。

今後、販売薬局の拡大が期待されていますが、現時点では、「試験販売information」から試験販売実施薬局を事前に確認し、アフターピルの購入が可能かを事前に問い合わせる必要があります。

アフターピルを試験販売で購入する条件

あくまで調査研究を目的とした試験販売のため、アフターピルの薬局での購入には一定の条件があります。なお、購入できないのは以下のような方です。

購入できない方
  • 男性
  • 代理人
  • 研究参加に同意いただけない方
  • 妊娠している方
  • 妊娠が心配な性交から服用までの時間が72時間を超える方
  • 身体の状態によって緊急避妊薬が使用できない方
    (重篤な肝障害がある等。質問等により薬剤師が判断します)
  • 性交同意年齢に達していない方(16歳未満)

アフターピルの試験販売をしてもらうには、まず16歳以上であることが条件です。未成年者(16〜17歳)の場合は、保護者の同伴が必須となっています。そして、本人確認のため、運転免許証、健康保険証、パスポートなどの身分証明書の提示が必要です。

また、必ず薬剤師によるカウンセリングを受けなければなりません。もし、アフターピルの服用が適切でないと判断した場合、または過去の病歴やアレルギー、現在服用している薬などによっては、アフターピルを服用できない場合があることを覚えておきましょう。

アフターピルの試験販売は、より多くの人が緊急避妊にアクセスできるようにするための取り組みです。試験販売の状況や条件は、今後変更される可能性があるため、最新の情報は、厚生労働省のウェブサイトなどでご確認ください。

気軽にピルを処方してもらうならオンライン診療がおすすめ!

残念ながら日本では、ピルを気軽に薬局で購入することはできません。アフターピルや低用量ピルを入手するには、医師の診察を受け、処方箋をもらう必要があります。

個人輸入や通販で入手しようとすると、偽造品や不純物混入のリスクがあり大変危険です。健康被害が発生した場合、保障も受けられない可能性があるため、控えてください。

もし、産婦人科を受診する時間がない、気軽にピルを処方してもらいたい場合は、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療では、スマホやパソコンから気軽に診察を受けられます。ピルはレターパックで自宅まで届くので、外出する必要すらありません。

オンライン診療のミライメディカルクリニックなら、最短当日発送ですぐにピルを受け取ることができます。アフターピルの場合は「緊急アフピル」というサービスから24時間365日診察を受けることが可能です。

気軽にピルを処方してもらいたい方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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表記は税抜価格

まとめ

低用量ピルやアフターピルは、残念ながら薬局で市販薬のように購入することはできません。

低用量ピルが市販化されていない理由は、副作用のリスク管理、開始時期や継続方法の指導、そして性教育の遅れによる誤った認識を防ぐためです。これらの理由から、医師の診察と処方が必須とされています。

一方、アフターピルは一部の薬局で試験販売が実施されていますが、購入には薬剤師とのカウンセリングや本人確認など、いくつかの条件を満たす必要があります。試験販売は限られた地域と薬局で行われているため、誰でも簡単に入手できるわけではありません。

ピルを安全かつ確実に手に入れたい場合は、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療なら、自宅にいながら医師の診察を受け、ピルの処方を受けることができます。興味のある方はぜひ活用してみてください。

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