ピルを飲むと将来妊娠しにくくなるはウソ!ピル中止後の妊娠率と避妊効果のメカニズムも解説

ピルの服用を続けていると、将来妊娠しにくくなるのでは?と不安に感じている方もいるかもしれません。また、ピルをやめた後、すぐに妊娠できるのかどうかも気になりますよね。

基本的に、ピルの避妊効果が現れるのは服用している間だけで、服用を中止すれば妊娠能力に影響はないといわれています。

この記事では、ピル服用後の妊娠についてわかりやすく解説します。ピルの避妊効果がどのように発揮されているのかのメカニズムも解説しますので、より安心してピルを服用するための参考にしてください。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

ピルは将来的に妊娠しにくくなるというのは誤解!

ピルを飲むと、将来妊娠しにくくなるのでは?と心配される方もいるかもしれません。しかし、これは誤解です。ピルの避妊効果が現れるのは服用している間だけで、服用を中止すれば妊娠能力に影響はありません。

(「Rate of pregnancy after using drospirenone and other progestin-containing oral contraceptives」を参考に編集部作成)

ヨーロッパで行われた研究によるとピルをやめてから1周期目で妊娠する確率は21.1%、3周期以内では45.7%、1年後には79.4%、2年後には88.3%というデータがあります。これらの数値は、ピルを服用したことのない女性の妊娠率と変わらないことが確認されています。

ピルの服用は将来の妊娠のための準備としても効果的?

ピルの服用中は、「子宮内膜症」の発症率を低下させる可能性があると考えられています。子宮内膜症は、子宮内膜が子宮以外の場所で増殖する病気で、不妊の原因の一つです。子宮内膜症のリスクを軽減することで、将来の妊娠の可能性を高めることにつながります。

参考:日本産婦人科学会「子宮内膜症

また、排卵を一時的に停止させることで、卵巣を休ませることが可能です。これにより、卵巣の機能を良好な状態に保ち、将来の妊娠に向けてより良い環境を整えることが期待できます。

そして、女性ホルモンが整っている状態を身体に覚えさせることで、ピル中止後に生理不順が治ったというケースもあります。これらの理由から、むしろピルを服用していた方が、妊娠を希望した時に妊娠しやすくなるという意見があるのも事実です。

ピルの服用を中止してから1〜3ヶ月で通常の生理に戻る

ピルを服用中は、人工的にホルモンバランスを調整しているため、妊娠しにくい状態が続きます。しかし、ピルをやめれば妊娠しにくくなるということはありません。

ピルの服用を中止すると、1〜3ヶ月で通常の生理周期に戻り、妊娠可能な状態になります。そして、ピル服用期間の長さによって妊娠率が低下することもありません。

もともと生理不順だった方は、周期が安定するまでに時間がかかる傾向がありますが、なかなか通常の生理に戻らないという場合は病気が隠れている可能性もありますので、婦人科を受診するようにしましょう。

ピル服用中に妊娠しないのはなぜ?避妊効果のメカニズム

ピルは、高い避妊効果を持つことで知られています。その効果は、主に3つの作用によるものです。

作用1|排卵を抑制する

ピルには、卵巣からの排卵を抑制する働きがあります。通常、女性の体は毎月1回排卵しますが、ピルを服用することでこの排卵が抑えられます。

排卵がなければ卵子がないため、精子と受精することができず、妊娠は起こりません。これはピルの避妊効果における主要なメカニズムです。

作用2|子宮内膜の増殖を抑制する

ピルは、子宮内膜の増殖も抑制します。受精卵は、厚くなった子宮内膜に着床することで成長を始めます。しかし、ピルによって子宮内膜の増殖が抑えられると、受精卵が着床しにくくなるのです。

たとえ排卵が起こり受精卵ができたとしても、着床できないため妊娠に至りません。これは、ピルの避妊効果をさらに高めるための重要な作用です。

作用3|精子の侵入を防ぐ

ピルは、子宮頸管粘液の粘度を高める作用も持っています。子宮頸管粘液は、通常は精子が子宮内へスムーズに移動できるように変化します。子宮頸管粘液の粘度を高めることで、精子が子宮内へ侵入しにくくなるのです。

結果として、卵子と出会う確率が低下し、妊娠を防ぐ効果につながります。ピルは多重的なメカニズムで妊娠を防いでいると言えるでしょう。

低用量ピルを処方してもらうならミライメディカルクリニックがおすすめ!

低用量ピルは、避妊だけでなく、月経困難症やニキビの改善などにも用いられます。処方を受けるには、婦人科を受診するのが一般的ですが、忙しくてなかなか時間が取れないという方もいるかもしれません。

そんな方におすすめなのが、オンライン診療のミライメディカルクリニックです。自宅や職場など、インターネット環境があればどこからでも受診できるので、低用量ピルを処方してもらえるので、気軽に服用を開始することができます。

診察後はレターパックで郵送され、最短当日発送で低用量ピルを受け取ることが可能です。電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。低用量ピルの服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

「ピルを飲むと妊娠しにくくなる」というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解です。

ピルの避妊効果は服用中のみであり、服用を中止すれば、排卵や生理が再開され、妊娠可能な状態に戻ります。多くの場合、服用中止後1〜3ヶ月で通常の生理周期に戻るとされています。

ピルは、排卵の抑制、子宮内膜の増殖抑制、精子の侵入を防ぐという3つの作用によって避妊効果を発揮します。これらの作用は、ピルに含まれるホルモンによるものであり、服用を中止すれば、その影響はなくなります。

むしろ、ピルは将来の妊娠に向けて、体調を整える効果も期待できます。例えば、子宮内膜症の予防や、ホルモンバランスの調整、卵巣を休ませるといった効果です。これらの効果によって、将来的に妊娠しやすい体づくりに繋がる可能性もあります。

ピルの服用に関して不安や疑問がある場合は、一人で悩まずに、まずは専門の医療機関に相談してみましょう。ミライメディカルクリニックでは、低用量ピルの処方も行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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