低用量ピルの妊娠確率は0.3%ってホント?飲み忘れのリスクや避妊効果のメカニズムも解説

低用量ピルの妊娠確率が約0.3%と非常に低いことをご存知でしょうか。正しく服用すれば高い避妊効果が期待できますが、飲み忘れた場合の妊娠確率や、妊娠確率が高まる要因についても理解しておくことが大切です。

この記事では、低用量ピルの避妊効果のメカニズムや、種類と選び方、服用する際の注意点についても詳しく解説します。低用量ピルについて正しく理解し、安心して服用するための参考にしてください。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

低用量ピルの妊娠確率は約0.3%!他の避妊方法との比較

表1 各避妊法の失敗率
避妊法 避妊失敗率
理想的な使用注1) 一般的な使用注2)
避妊しない 46.0% 46.0%
緊急避妊法 5.1% 5.1%
コンドーム 2.0% 18.0%
オギノ式避妊法 5.0% 24.0%
基礎体温法 5.0% 24.0%
膣外射精法 4.0% 22.0%
OC 0.3% 9.0%
IUS 0.2% 0.2%
IUD 0.6% 0.8%
出典:Trussell (2011)
OC : Oral Contraceptives, IUS : Intrauterine System,
IUD : Intrauterine Device
注1) 理想的な使用を想定した避妊失敗率:選んだ避妊法を正しく続けて使用しているにもかかわらず妊娠してしまう確率
注2) 一般的な使用を想定した避妊失敗率:選んだ避妊法を使用しているにもかかわらず妊娠してしまう確率

低用量ピル(OC)は、正しく服用すれば非常に高い避妊効果があります。毎日決まった時間にきちんと服用した場合、妊娠する確率は約0.3%とされています。これは、1,000人が1年間服用し続けて、約3人が妊娠する計算です。

避妊方法としてメジャーなコンドームの妊娠確率は、理想的な使用でも約2%。一般的な仕様では約18%にのぼります。IUS(子宮内システム)やIUD(子宮内避妊具)などの器具の挿入が必要な避妊方法を除けば、低用量ピルは軍を抜いて妊娠確率が低いことが分かります。

低用量ピルとは?避妊効果のメカニズムを解説

低用量ピルは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンを配合した経口避妊薬です。

低用量ピルのメカニズム

引用元:政府広報オンライン「2.妊娠が成立するまで

妊娠するには、「排卵→受精→着床」という3つの工程を全て順調に通過する必要があります。低用量ピルは、ホルモンの働きで排卵を抑制することで、妊娠を防ぐことが可能です。卵巣から卵子が放出されなければ、精子と出会うことがなく、受精は起こりません。

また、子宮内膜を薄くすることで、受精卵が着床しにくくする効果もあります。さらに、子宮頸管粘液を変化させて精子の侵入を防ぐ作用もあり、これらの3つの作用によって避妊効果が発揮されるのです。

低用量ピルの主な効果7つ

低用量ピルには避妊以外にも、生理痛の緩和やPMSの改善などさまざまな効果があります。

《低用量ピルで得られる7つの効果》

生理期間の短縮多くの場合、生理期間が3~4日程度に短縮されます。
経血量の減少経血量が減ることで、生理中の不快感や貧血のリスクを軽減できます。
生理痛の緩和生理痛の原因となるプロスタグランジンの分泌を抑える効果があります。
PMSの改善ホルモンバランスを整えることで、イライラや気分の落ち込みを含むさまざまなPMSの症状を軽減できます。
生理不順の改善生理周期が安定し、生理不順が改善されます。
避妊効果正しく服用することで、高い避妊効果が期待できます。
肌荒れの改善女性ホルモンのバランスが整うことで、ニキビなどの肌荒れを改善する効果も期待できます。

低用量ピルは女性ホルモンのバランスを整える効果があるため、ホルモンバランスの乱れから起きる不調に対して効果的です。月経困難症や子宮内膜症への治療目的で処方されることもあります。

低用量ピルの副作用

低用量ピルには、吐き気、頭痛、不正出血などの副作用が現れる可能性があります。多くの場合、これらの副作用は服用開始から数ヶ月で軽減しますが、症状が続く場合は医師に相談しましょう。

低用量ピルの種類と選び方

低用量ピルには種類があり、ご自身の体質や生活スタイルに合わせて選ぶことができます。大きく分けて、1相性ピル、3相性ピルがあります。

1相性3相性
特徴1シート内のホルモン量が全て同じ1シート内で3段階のホルモン量変化
メリット・生理日の移動が容易
・ニキビや肌荒れに効果的
・服用初期の副作用が比較的軽い
・自然なホルモン分泌に最も近い
・不正出血が起こりにくい
デメリット・自然なホルモンバランスとは異なる・服用方法が複雑
・月経移動には不向き

避妊効果に関しては、1相性と3相性で差はありません。どちらを選ぶかは個人の体質や目的に応じて医師と相談の上で決めることが推奨されます。

低用量ピルを服用する際の注意点3つ

低用量ピルは正しく服用すれば高い避妊効果が期待できますが、いくつかの注意点があります。

注意点1|飲み忘れは妊娠確率に影響する

低用量ピルは毎日同じ時間に服用することが大切です。飲み忘れがあると、妊娠の確率が上がってしまいます。正しく服用した場合、妊娠確率は0.3%程度と非常に低いですが、1周期中に飲み忘れがあると、その確率は9%まで上昇する可能性があるため、注意が必要です。

うっかり飲み忘れてしまった場合、1日程度であればすぐに服用し、次のピルも通常通りに飲んでください。また、飲み忘れが多い月は、念のため他の避妊方法も併用することをおすすめします。

飲み忘れの対処法についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

注意点2|性感染症は防げない

低用量ピルは、妊娠を防ぐ効果はありますが、性感染症を防ぐ効果はありません。性感染症の予防にはコンドームの使用が不可欠です。コンドームと併用することで、より確実な避妊効果が得られるとともに、性感染症のリスクも軽減できます。

パートナーとよく相談し、自身に合った避妊方法を選択することが大切です。

注意点3|血栓症のリスクがある

稀ですが、低用量ピルには血栓症のリスクを高める可能性があるという報告があります。血栓症とは、血液中に血の塊ができることで、血管が詰まってしまう病気です。喫煙や肥満、高血圧などの危険因子が重なると、そのリスクはさらに高まります。

ピルの服用を開始する前に、医師に相談し、自身の健康状態を確認することが大切です。服用中に、足のむくみや痛み、息切れなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

参考:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ

低用量ピルを処方してもらうならミライメディカルクリニックがおすすめ!

低用量ピルは、正しく服用すれば高い避妊効果が期待できるお薬です。処方を受けるには、婦人科を受診するのが一般的ですが、忙しくてなかなか時間が取れないという方もいるかもしれません。

そんな方におすすめなのが、オンライン診療のミライメディカルクリニックです。オンラインで低用量ピルの処方を受けられるので、手軽に始められます。自宅や職場など、インターネット環境があればどこからでも受診が可能です。

診察後はレターパックで郵送され、最短当日発送で低用量ピルを受け取ることができます。電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。低用量ピルの服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

低用量ピルは、正しく服用すれば妊娠確率0.3%という非常に高い避妊効果が期待できる避妊方法です。排卵の抑制、子宮内膜の増殖抑制、精子の侵入を防ぐといった複数のメカニズムによって、妊娠を防ぐことができます。

また、避妊以外にも、生理痛の緩和やPMSの改善、生理周期の安定など、女性にとって嬉しい効果が期待できます。

ただし、低用量ピルは飲み忘れがあると妊娠確率が高まるため、毎日決まった時間に服用することが重要です。また、性感染症を予防する効果はないため、コンドームとの併用が推奨されます。さらに、稀ではありますが血栓症のリスクがあることも理解しておきましょう。

低用量ピルにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分の体質やライフスタイルに合ったピルを選ぶためには、医師と相談することが大切です。ミライメディカルクリニックでは、オンライン診療で低用量ピルの処方を行っています。

興味がある方はぜひ一度ご活用ください。

関連記事

LINE友達追加