ミニピルは、血栓症のリスクが低く、授乳中でも服用できるため、低用量ピルの服用が適用ではない方でも、服用できる可能性がある経口避妊薬です。
この記事では、ミニピルの効果やメリット、服用方法について分かりやすく解説していきます。ミニピルの服用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次
ミニピルはエストロゲンを含まない経口避妊薬
ミニピルは、黄体ホルモンのみを含む経口避妊薬です。一般的な低用量ピルに含まれるエストロゲンを含まないため、エストロゲンの影響を受けやすい方や、血栓症のリスクが高い方にとって選択肢の一つとなります。
ミニピルには主に以下の効果があります。
避妊効果 | 黄体ホルモンの働きにより、排卵を抑制したり、子宮内膜を変化させて受精卵の着床を防いだりすることで、高い避妊効果が得られます。 |
生理不順の改善 | 生理周期が不規則な場合、ミニピルの服用によって周期を整えることができます。 |
生理痛の軽減 | 生理痛の原因となるプロスタグランジンの分泌を抑制することで、生理痛を和らげる効果があります。 |
月経量の減少 | 子宮内膜が薄くなるため、月経量が減る効果があります。 |
子宮内膜症の治療 | 子宮内膜症の病巣を抑える効果があり、治療薬として用いられることがあります。 |
ミニピルは、エストロゲンを含まないため、エストロゲンによる副作用のリスクを軽減できるという特徴もあります。ただし、低用量ピルに比べて、服用時間を守る必要があり、不正出血が起こりやすいという点には注意が必要です。
ミニピルを選ぶメリット3選!低用量ピルを服用できない人でも使用可能!
ミニピルは卵胞ホルモンを含まないため、低用量ピルを服用できない人でも使用できる可能性があります。ただし、服用を検討する際は、必ず医師に相談し、自身の状況に合ったピルを選択することが重要です。
ここでは、ミニピルを選ぶメリットを3つ紹介します。
メリット1|血栓症のリスクがほとんどない
ミニピル最大のメリットは、血栓症のリスクがほとんどないことです。ミニピルは、黄体ホルモンのみで構成されています。卵胞ホルモンを含まないため、血栓症のリスクを大幅に抑えることができます。
たとえば、喫煙者や肥満、高血圧などの血栓症のリスク因子を持つ方は、低用量ピルを服用できない場合があります。このような方でも、ミニピルであれば安心して服用できる可能性があるため、医師に相談してみましょう。
メリット2|授乳中でも母乳の分泌を抑制しない
ミニピルは、授乳中でも服用できる避妊薬です。母乳の分泌に影響を与える卵胞ホルモンを含まないため、産後すぐの授乳中でも安心して服用できます。
出産後はホルモンバランスが大きく変化し、体に負担がかかりやすい時期です。ミニピルは、母体の健康を守りながら確実な避妊効果を得られる、産後ママにとって心強い味方と言えるでしょう。
メリット3|副作用が少ない
ミニピルは、低用量ピルに比べて副作用が少ない傾向があります。低用量ピルにはエストロゲンと黄体ホルモンが含まれていますが、ミニピルは黄体ホルモンのみとなっており、エストロゲンによる吐き気や頭痛などの副作用が起こりにくいとされています。
そのため、低用量ピルを服用していたが副作用が強くて続けられない、という場合に有効な選択肢となるでしょう。ただし、ミニピルにも副作用がないわけではなく、不正出血などが起こる可能性があるため、気になる症状が現れた場合は、医師に相談するようにしてください。
ミニピルの正しい服用方法
ミニピルは、正しく服用することで高い避妊効果を得られます。服用方法をしっかり理解して、毎日忘れずに服用しましょう。
服用方法1|休薬期間なく365日連続で服用する
ミニピルの最大の特徴は、休薬期間を設けずに毎日継続して服用することです。
一般的な低用量ピルでは、21日間服用後に7日間の休薬期間を設けることで生理を起こしますが、ミニピルにはこの休薬期間がありません。そのため、1シート(28錠)を飲み終えたら、29日目から新しいシートを開始します。
365日連続で服用するため、基本的には生理が起きない仕組みになっています。それにより、常に一定のホルモン状態を保ち、高い避妊効果を得ることが可能です。
服用方法2|生理開始日から服用を開始する
ミニピルの服用開始日は、生理開始日からです。生理初日から服用を開始することで、すぐに避妊効果が得られます。
もし生理開始日から服用を開始できなかった場合でも、生理2日目から5日目までの間に服用を開始すれば、1週間継続して服用することで避妊効果が発揮されます。ただし、この場合は服用開始から1週間は、他の避妊方法と併用するようにしてください。
服用方法3|毎日決まった時間に服用する
ミニピルの効果を最大限に引き出すためには、毎日同じ時間に服用することが非常に重要です。血中ホルモン濃度を一定に保つことで、排卵を抑制し、子宮頸管粘液を変化させて精子の侵入を防ぐ効果を高めることができます。
服用時間のずれは3時間以内が望ましいとされており、服用時間が大幅にずれてしまった場合は、避妊効果が低下する可能性があります。そのため、低用量ピルよりも厳密に時間を守る必要があるということに注意が必要です。
まとめ
ミニピルは、エストロゲンを含まない経口避妊薬です。低用量ピルとは異なり、黄体ホルモンのみで構成されているため、血栓症のリスクが低いことが大きな特徴です。
ミニピルのメリットは、エストロゲンによる副作用が起きないため、血栓症のリスクがほとんどないこと、授乳中でも服用できること、低用量ピルが使えない人でも服用できる可能性があることです。
しかし、ミニピルは毎日同じ時間に服用する必要があり、飲み忘れには特に注意が必要です。また、不正出血が起こりやすいといったデメリットもあります。
ミニピルが適しているかどうかは、個々の体質や生活習慣によって異なります。ミニピルの服用を検討している方は、ぜひ医師に相談し、自分に合った避妊方法を選択しましょう。