ゴムが破れる原因は?避妊失敗を防ぐ3つの対策と万が一の対処法を解説

行為中にコンドームが破れてしまった経験がある人は少なくありません。本来は簡単に破れるような設計にはなっていませんが、爪が引っかかったり、包装が劣化し、ゴムが乾くと破れやすくなってしまうことがあります。

この記事では、コンドームが破れる主な原因や予防法、万が一破れてしまった時の対処法まで詳しく解説します。望まない妊娠を防ぐために、正しい避妊の知識を手に入れましょう。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

ゴムが破れる5つの原因

コンドームは、正しく使用することでコンドームは98%(失敗率2%)※の避妊効果が期待できますが、破れてしまうことでその効果は大幅に下がります。

破れる原因には、装着時のミスや保管方法の不備、品質の劣化など、様々な要因が考えられます。これらの原因を理解し、破損のリスクを軽減しましょう。

※参考:J-Stage「日本における予定外妊娠の医療経済的評価

破れる原因1|乾燥や激しい動きによる摩擦

潤滑剤が不足していたり、激しい動きによって摩擦が生じると、コンドームが破損しやすくなります。十分な量の潤滑剤を使用し、必要に応じて追加することで、摩擦を軽減し、破損のリスクを減らすことが可能です。

また、長時間の使用も摩擦による負担を増大させるため、場合によっては途中で新しいものと交換するようにしましょう。

破れる原因2|使用期限切れによる劣化

使用期限切れのコンドームは、ゴムの劣化が進み、破損しやすくなります。コンドームの使用期限の目安は、製造から5年程度です。使用前にかならず確認し、期限内のものを使用するようにしましょう。

また、高温多湿な場所や直射日光の当たる場所に保管すると、劣化が早まるため、適切な場所に保管することが大切です。財布やカバンの底など、圧迫される場所での保管も避けてください。

破れる原因3|装着時に傷つけてしまう

コンドームを装着する際に、爪で引っ掻いてしまったり、無理やり開封しようとすると、ゴムに傷がつき、破損の原因となります。

爪の先で包装をこじ開けたり、歯を使って開封してしまうと、中のコンドームにまで傷が及ぶ可能性があり危険です。開封する際は、中身を端に寄せてから、その反対側から丁寧に包装を開封しましょう。装着するときも、爪を立てないように優しく扱うことが大切です。

破れる原因4|空気が残ったまま使用する

コンドームの先端に空気が残ったまま装着すると、使用中にその部分が圧迫され、破損しやすくなります。装着前に先端を軽くつまみ、空気を抜いてから装着することで、破損のリスクを減らすことが可能です。

空気が入っていると、摩擦熱も溜まりやすく、ゴムの劣化を早める原因にもなるため、注意しましょう。

破れる原因5|ゴムのサイズが合っていない

(編集部作成)

コンドームのサイズが合っていない場合、装着時にきつすぎたり、ゆるすぎたりして、使用中にずれやすくなったり、破損しやすくなります。

自分に合ったサイズのコンドームを選び、パッケージに記載されている使用方法をよく読んで正しく使いましょう。

ゴムが破れないようにする予防方法

コンドームが破れないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。望まない妊娠や性感染症を防ぐためにも、破損を防ぐための予防方法をしっかりと理解しておきましょう。

予防法1|正しい方法で装着する

装着方法を誤ると、使用中に破損するリスクが高まります。コンドームの正しい使用方法は以下を参考にしてください。

(編集部作成)

まず、コンドームを装着する前に、個包装に傷や破れがないか確認しましょう。表裏を確認したら、コンドームの先端をつまんで空気を抜き、亀頭にかぶせて根本までしっかりと巻き下ろします。

この時、爪を立てたり、無理に引っ張ったりしないように注意してください。また、潤滑剤が不足している場合は、市販の潤滑剤を使用することで摩擦を軽減し、破損のリスクを減らすことができます。

予防法2|破れていないか確認する

コンドームを使用する際は、必ず破れていないかを確認しましょう。

使用前個包装を開封する際に、爪を立てたり、歯で噛み切ったりしないように注意しましょう。また、コンドーム自体に傷や穴がないか、よく見て確認してから装着してください。
使用中装着時や使用中に違和感を感じたら、すぐに使用を中止し、新しいコンドームに交換してください。
使用後コンドームを外す際にも、破れていないか確認しましょう。破れていることに気づいたら、アフターピルの服用などを検討してください。

使用期限が切れたコンドームは使用しないでください。複数回の使用は避け、1回につき1枚を厳守しましょう。

予防法3|持ち歩く場合は定期的に交換する

突然の行為に備えてコンドームを携帯しておくことは良いことですが、劣化を防ぐためにも定期的に交換する習慣をつけましょう。できれば、財布やポケットで持ち歩くのは避け、ファスナーつきポケットやコンドームケースで携帯するのがおすすめです。

コンドームは摩擦や圧迫によって劣化しやすいため、長期間同じコンドームを持ち歩くのは避けてください。また、使用前には劣化していないか確認し、違和感があれば無理に使わず、新しいものを購入することが大切です。

ゴムが破れたら速やかにアフターピルを服用しよう

コンドームが破れてしまうと、本来の避妊効果が期待できなくなります。破損に気づいたら、速やかにアフターピルを服用しましょう。

アフターピルは、性交後72〜120時間以内に服用することで効果を発揮します。時間が経過するほど効果が下がるため、迅速な対応が重要です。

主なアフターピルの種類と効果は以下の表を参考にしてください。

種類120時間有効アフターピル72時間有効アフターピル
商品名エラ、エラワン、ジョセイノルレボレボノルゲストレル錠マドンナ
有効成分ウリプリスタール酢酸エステルレボノルゲストレル
避妊率120時間以内の服用で98.9%72時間以内の服用で85%

120時間有効のアフターピルは、有効時間や避妊率において優位ですが、価格も約2倍になるため、性行為からの経過時間や金銭的な事情を考慮して選択するのがおすすめです。

アフターピルは、婦人科などの医療機関を受診して、適切な処方を受ける必要があります。夜間や休日ですぐに行ける病院が無かったり、心理的に抵抗がある場合は、オンライン診療でも処方してもらうことが可能です。

自宅やホテルからでもスマホで簡単に診察を受けられ、最短翌日にはアフターピルを郵送で受け取ることができます。

ゴムが破れる原因に関するよくある質問

ここでは、コンドームが破れる原因に関するよくある質問とその回答を紹介します。

ゴムは繰り返し使用してもいいですか?
コンドームは1回限りの使い捨て製品です。一度使用したコンドームは、たとえ目立った損傷がなくても、微細な傷や劣化が生じている可能性があります。

繰り返し使用すると、ゴムの劣化が進み、破損のリスクが高まるため、絶対に避けてください。
ゴムを2枚重ねると安全ってほんと?
2枚重ねることで、それぞれのゴムに負担がかかり、思わぬ破損に繋がる可能性があります。摩擦が増加して、逆に破れやすくなるため、やらないようにしてください。コンドームは1枚ずつ正しく使用することが大切です。
財布に入れて持ち歩いても大丈夫?
財布に入れて持ち歩くのは鉄板とされていますが、できれば避けた方が良いでしょう。

財布の中は、温度変化が激しく、摩擦も発生しやすいため、コンドームの劣化を早める原因となります。高温の車内に放置したり、カバンの底で押しつぶされるのも劣化に繋がります。持ち歩く場合は、専用のコンドームケースに入れて携帯するのがおすすめです。

まとめ

コンドームが破れる原因はいくつかあります。まず、爪やアクセサリーで装着時に傷つけてしまうこと、そして空気が入ったまま使用することも破れる原因となります。

また、自分のサイズに合わないゴムの使用や、乾燥や摩擦によるダメージもあるでしょう。使用期限切れのゴムは劣化しているため、使用を避けるべきです。

これらの原因を防ぐためには、正しい方法で装着し、適切なサイズのゴムを選びましょう。使用前や最中に違和感が無いか確認し、財布などで持ち歩く場合は、定期的に新しいものと交換することをおすすめします。

万が一、ゴムが破れてしまった場合は、速やかにアフターピルを服用するようにしましょう。夜間や休日、近くに婦人科がない場合はオンライン診療でも処方してもらえます。迅速な対応で望まない妊娠を防ぎましょう。

アフターピルは、性行為後72〜120時間以内に服用することで、高い避妊効果が期待できます。オンライン診療でも処方してもらうことが可能ですので、なるべく早く診察を受けるようにしてください。

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