温清飲エキス顆粒

温清飲エキス顆粒(うんせいいん)とは

販売名ツムラ温清飲エキス顆粒(医療用)
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 3.75gを含有する。

日局 地黄(ジオウ) 3.0g 
日局 芍薬(シャクヤク) 3.0g
日局 川芎(センキュウ) 3.0g 
日局 当帰(トウキ) 3.0g
日局 黄芩(オウゴン) 1.5g 
日局 黄柏(オウバク) 1.5g
日局 黄連(オウレン) 1.5g 
日局 山梔子(サンシシ) 1.5g 

※引用:くすりのしおり「ツムラ温清飲エキス顆粒(医療用)

温清飲は肌の赤み、かさつき、皮膚炎、痒みや更年期障害、月経不順に対して用いられることがある漢方薬です。

「皮膚がかさつくだけでなく、赤みや痒みもあってつらい」「更年期でイライラするし体がほてる」といった悩みがある方に向いています。

温清飲の効果とは?

温清飲は大きく分けると、「皮膚のトラブル」と「女性ホルモンの変化に伴う不調」に効果がある漢方です。

漢方では、人の体を構成する基本的な要素として「気」「血」「水」があると考えられています。

「気」・・・生きるために必要なエネルギーのこと

「血」・・・体を流れる赤い液体のこと。血液を含む栄養物質を指す。

「水」・・・血液以外の体の水分のこと。唾液・汗・リンパ液など。

温清飲は「血」を補い、めぐりを改善して熱を冷まします。

漢方の考え方でいう「潤す力」と「冷ます力」という相反する2つのパワーを同時に持っているのが大きな特徴です。

温清飲に期待できる効果

①皮膚のトラブルへの効果

・乾燥と炎症を同時に改善する:赤みや痒みを伴う湿疹や皮膚炎に適しています。
・肌バリアと乾燥の改善:「血」を補いめぐりを改善することで、乾燥の改善が期待できます。
・抗炎症作用:体の過剰な熱を取り除くことで、赤みや腫れ、かゆみなどの炎症を抑えます。

②女性ホルモンの変化に伴う不調への効果

・更年期障害:のぼせ、ほてり、イライラ、不安感などの精神神経症状を鎮めます。
・月経の不調:月経不順や月経困難症にも用いられます。
・神経症:神経の興奮状態を抑え、精神的な不調を整える効果も期待されます。

温清飲が向いている人

温清飲は、以下のような体質が同時に見られる血虚血熱(けっきょけつねつ)」という混合タイプの体質に適しています。

①血虚(潤い不足)

体を潤す「血(けつ)」が不足している状態。 → 皮膚がカサカサして、色つやが悪い。肌の乾燥や、くすみがある。

②熱証(炎症)

体に余分な「熱」がこもっている状態。 → 赤みやかゆみなどの炎症。のぼせ、イライラ、ほてりがある。


例えば、「皮膚がかさつくだけでなく、赤みや痒みもあってつらい」「更年期でイライラするし体がほてる」といった方に内服が向いています。

温清飲は、皮膚の赤みやかゆみなどの「熱」の症状と、乾燥や血行不良などの「血虚」の傾向が同時に見られる方に適した処方です。
そのため、乾燥のみで赤みやかゆみなどの炎症症状がない方や、冷えやすい体質の方には適さない場合もあります。

服用の可否については、医師による体質の評価や診察を受けた上で判断することが大切です。

温清飲の服用方法

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与 します。

1包2.5gなので、1日2~3包内服します。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減するため、医師の指示のもと内服しましょう。

温清飲の副作用

温清飲は副作用が比較的少ないとされている漢方ですが、頻度不明で以下のような副作用があります。

①重大な副作用

症状関連部位症状
間質性肺炎咳、息切れや呼吸困難、発熱、肺の音の異常など 。
肝機能障害・黄疸肝臓黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、AST・ALTなどの検査値の著しい上昇 。
腸間膜静脈硬化症消化器腹痛、下痢、便秘、お腹の張りなどが繰り返し起こる、便潜血陽性 。

温清飲を長期間服用する場合、ごくまれに「腸間膜静脈硬化症」と呼ばれる消化管の副作用が報告されることがあります。
これは、含有されている生薬の一つ「山梔子(サンシシ)」が関連しているとされ、特に5年以上の長期連用で発症リスクが指摘されています。

長期間の服用が必要な方は、定期的な医師の診察や、必要に応じた画像検査(CT、大腸内視鏡など)を受けることで、安全に服用を続けることができます。

②その他の副作用

・過敏症:発疹、発赤等

・消化器症状:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等

※参考:くすりのしおり「ツムラ温清飲エキス顆粒(医療用)

温清飲を処方してもらうなら、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめ!

温清飲は市販薬でも購入できますが、症状等によっては処方すべき薬が異なるケースがあります。また、同じ名前の漢方でも、配合されている生薬が違うこともあります。

症状や体質によって適切な漢方は異なるため、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。
忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。

通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります。

インターネット環境があれば、ご自宅などから医師の診察を受けることが可能で、温清飲の処方についても相談できます。

診察後はネコポス、もしくは宅急便コンパクトで郵送され、最短当日発送で内服薬を受け取ることが可能です。

電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。

また、ミライメディカルクリニックでは、温清飲以外にもさまざまな漢方薬を処方しています。医師に相談しながら、ご自身の症状や体質に合った漢方薬を見つけることができます。

漢方の服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について

温清飲エキス顆粒に関するよくある質問

温清飲エキス顆粒に関するよくある質問とその回答を紹介します。

Q:温清飲の効果を感じるまでの期間はどれくらい?

A:温清飲の効果を感じるまでの時間は、体質や症状、服用量などによって個人差があります。

漢方薬は、西洋薬(一般的な薬剤)と比べて効果が現れるまでに時間がかかる傾向がありますが、根本から体質を改善する効果が期待できるため、根気強く服用を続けることが大切です。

効果が感じられない場合は、服用量や服用方法を見直したり、他の漢方薬との併用を検討したりする必要があることもあるため、医師または薬剤師に相談してみてください。

Q:温清飲との併用に注意が必要な飲み合わせは?

複数の漢方薬を併用する場合、同じ生薬が重複して含まれていることがあります。

特に活血作用(血行促進作用)のある生薬を含む漢方薬との併用は注意が必要です。

温清飲は「四物湯」と「黄連解毒湯」の混合薬であるため、これらの処方や類似の生薬(特に山梔子、黄連、黄芩、黄柏など)を含む漢方薬との併用には注意が必要です。

生薬の過剰摂取につながる可能性があるため、他の漢方薬やサプリメントを服用している場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

Q:温清飲は妊娠中や授乳中に飲んでも大丈夫?

温清飲の妊娠中および授乳中の服用については、服用前に必ず医師や薬剤師に相談する必要があります。
自己判断での服用はお避けください。

Q:温清飲は男性でも服用できますか?

A:性別に関係なく服用できます。温清飲は女性特有の症状に用いられることも多い漢方ですが、皮膚の炎症や乾燥、慢性痒疹、手指の汗疱(かんぽう)など症状が当てはまる場合は、男性にも処方されています。

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