アフターピル(緊急避妊薬)は本来、医師の処方が必要な医薬品であるにもかかわらず、ネット上では「処方箋不要」「即日発送」などと謳って違法に販売されているケースが後を絶ちません。
偽物のアフターピルは避妊効果が得られないだけでなく、健康被害をもたらす危険な成分が含まれている可能性もあり、服用すれば命に関わるリスクもあります。しかし、緊急性の高い医薬品であるだけに、焦りから安易な購入に走ってしまう方も少なくありません。
この記事では、偽物のアフターピル「エラ」を服用した場合のリスク、偽物の見分け方、そして安全に入手するための方法について詳しく解説します。ご自身の健康を守るために、正しい知識を身につけましょう。

目次
処方箋なしで販売しているアフターピル「エラ」は偽物の可能性があるため、注意しよう!

(編集部作成)
アフターピルの「エラ」は、緊急避妊薬の一種です。従来のアフターピル(レボノルゲストレル)と比較して有効時間が長く、120時間以内の服用でも高い避妊効果が期待できます。
アフターピルは、日本では医師の処方箋が必要な医薬品です。婦人科などのクリニックを受診したり、オンライン診療などを利用して、医師の診察を受けた上で入手できます。
処方箋なしで販売されている場合は、偽物の可能性が高いです。正規のオンライン診療では、医師の診察料やアフターピルの料金を含め、ある程度の費用が発生します。そのため、極端に安い場合は注意が必要です。
また、公式サイトの情報が不足している場合や、口コミが不自然な場合も、偽物を疑うべきです。ご自身の健康を守るためにも、信頼できる医療機関から入手することが重要です。
偽物のアフターピル「エラ」を服用するとどうなる?
偽物のアフターピルを服用した場合、有効成分が入っておらず、期待する避妊効果が得られない可能性があります。また、健康被害のリスクも懸念されます。
そのため、予期せぬ妊娠につながったり、体に悪影響を及ぼす成分が含まれている可能性があり、大変危険です。最悪の場合、命に関わる危険性も否定できません。
正規のルートで処方してもらい、偽物の可能性がある場合は服用しないようにしましょう。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
アフターピル「エラ」の偽物を見分ける4つのポイント
偽物のアフターピルは、正規品と同じようなパッケージや錠剤の形をしているケースもあるため、見た目だけで判断するのは難しいです。安全のためにも、正規品を見分ける正しい知識を身につけましょう。
見分け方1|診療なしで購入していないか?
日本では、アフターピルは医師の処方箋なしでは購入できません。オンライン診療も含め、医師の診察なしに購入できるサイトは違法の可能性が高いです。
正規のオンライン診療であれば、厚生労働省指定のオンライン診療研修を修了した医師が、ビデオ通話などで診察してくれます。そのような記載が一切なく、「処方箋不要」「簡単購入」といった謳い文句が書かれている場合は注意が必要です。
見分け方2|販売サイトの運営情報を確認する
信頼できるオンライン診療サイトでは、運営会社情報や医師の名前、クリニックの所在地などが明確に記載されています。サイトを見る際は、以下の情報が記載されているかチェックしましょう。
- 運営者情報(会社名や所在地)が記載されているか
- 厚生労働省から認可を受けているか
- 医師による診察が行われているか
見分け方3|価格が相場より極端に安くないか?
正規のオンライン診療では、アフターピル「エラ」の料金は一般的に10,000円から20,000円程度です。価格が相場より極端に安い場合(5,000円以下など)は、偽物の可能性が高いので注意が必要です。
利用者にとっては安いほど嬉しいかもしれませんが、安易に飛びつかず、価格の妥当性を確認しましょう。
見分け方4|口コミや評判をチェックする
偽物を見分けるには、販売サイト内に書かれている口コミだけでなく、GoogleやSNS、第三者のレビューサイト、知恵袋などで評判を確認することも有効です。
ただし、不自然に高評価ばかり、または極端に低評価が多い場合は注意が必要です。複数の情報源から、客観的な評価を確認するようにしましょう。
偽物のアフターピル「エラ」を避けるための安全な入手方法
アフターピル「エラ」の偽物を掴まないためには、適切な方法で医師に処方してもらうことが大切です。
方法1|医療機関(婦人科など)で直接処方してもらう
適切にアフターピル「エラ」を処方してもらう方法の一つは、婦人科などの医療機関を受診し、医師から直接処方してもらうことです。
ただし、クリニックによっては「エラ」を取り扱っていない場合もあるため、事前に問い合わせる必要があります。また、夜遅い時間は閉まっていたり、土日祝は休診日となっているクリニックも多いため、状況によってはすぐに受診できない可能性もあります。
そのような場合は、方法2の「信頼できるオンライン診療サービスを利用する」のがおすすめです。
方法2|信頼できるオンライン診療サービスを利用する
忙しくて医療機関を受診する時間がなかったり、深夜や休日に診察を受けたい場合は、信頼できるオンライン診療サービスを利用する方法もあります。
オンライン診療でも、厚生労働省の認可を受けた正規のクリニックであれば、適切な医師の診察と処方箋の発行が可能です。
参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について」

種類 | 120時間有効アフターピル | 72時間有効アフターピル |
---|---|---|
価格(税込) | 16,500円 | 8,800円 |
有効成分 | ウリプリスタル酢酸エステル | レボノルゲストレル |
妊娠阻止率 | 120時間以内の服用で98.9% | 24時間以内の服用で95% |
アフターピルが必要なら、オンライン診療の「緊急アフピル」がおすすめです。従来は婦人科を受診するのが一般的でしたが、オンライン診療ならインターネット環境があればどこからでも受診できるので、手軽に処方してもらうことができます。
緊急アフピルでは、24時間365日待ち時間なしで無料相談が可能なため、夜間や早朝、休日であってもすぐに診察を受けることができます。担当医師以外とは顔を合わせる必要がないため、クリニックを受診するのに心理的な抵抗がある方でも、周りを気にせずに受診が可能です。
通常配送なら、日本全国どこでも配送可能で、17時までの決済完了で最短翌日到着となっています。診察後はレターパックで郵送され、自宅でアフターピルを受け取ることが可能です。また、関東圏にお住まいで、アフターピルを少しでも早く入手したい場合は、エクスプレス配送※が利用可能です。関東圏の場合は当日10時までの決済完了、東京23区内であれば17時30分までの決済完了で、最短当日の到着に対応しています。
※エクスプレス配送は別途税込み9,900円(東京、千葉、神奈川、埼玉、栃木、茨城、山梨、群馬、名古屋市、大阪市のみ対応)
ネット通販でアフターピル「エラ」を購入するリスク
ネット通販や個人輸入による購入は、診察の手間がなく費用が安いため、つい利用してしまいたくなるかもしれません。しかし、身体にいれる薬剤だからこそ、入手経路には十分に注意を払わなければなりません。
ここでは、ネット通販でアフターピル「エラ」を購入するリスクを紹介します。
リスク1|偽造品や粗悪品の可能性がある
ネット通販、特に海外サイトや個人輸入代行サイトで販売されているアフターピル「エラ」は、偽造品や粗悪品である可能性が否定できません。
これらの偽造品は、有効成分が適切に含まれていなかったり、不純物が混入していたりする可能性があり、期待される避妊効果が得られないだけでなく、健康被害を引き起こすリスクも懸念されます。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
リスク2|注文した商品が届かないなどのトラブルに巻き込まれる
ネット通販でアフターピル「エラ」を購入した場合、注文した商品が届かない、届くまでに時間がかかりすぎる、注文したものと違う商品が届くなど、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
特に、海外サイトや個人輸入代行サイトを利用する場合、税関でのトラブルや配送業者の問題など、国内通販では考えられないようなトラブルが発生するリスクがあります。
アフターピルは緊急性の高い医薬品であるため、必要な時に手元に届かないという事態は、深刻な問題に繋がりかねません。また、個人情報の漏洩やクレジットカード情報の不正利用など、セキュリティ上のリスクも考慮する必要があるため、利用は控えましょう。
リスク3|副作用や健康被害が生じた際に対応が難しい
アフターピル「エラ」は、副作用のリスクがゼロではありません。吐き気、嘔吐、頭痛、腹痛、不正出血などの副作用が現れる可能性があり、体質によっては重篤な健康被害を引き起こす可能性も否定できません。
医療機関で処方された医薬品であれば、医師や薬剤師に相談し、適切な対応を受けることができます。しかし、ネット通販で購入した医薬品の場合、副作用や健康被害が生じた際に、誰に相談すれば良いのか、どのように対処すれば良いのか分からず、不安な状況に陥る可能性があります。
また、ネット通販で購入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性が高いです。そのため、万が一、重篤な健康被害が生じた場合でも、適切な補償を受けられない可能性があるため、十分に注意しなければなりません。
参考:医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
まとめ

アフターピル「エラ」の偽物は正規品と見た目が似ていても、有効成分が含まれておらず避妊効果が得られないだけでなく、健康被害を引き起こす危険性があります。偽物を避けるためには、「処方箋不要」「簡単購入」といった謳い文句に惑わされず、必ず医師の診察を受けることが重要です。
安全に入手する方法は、婦人科などの医療機関を直接受診するか、厚生労働省認可の信頼できるオンライン診療サービスを利用することです。オンライン診療であれば、24時間365日対応しているサービスもあり、緊急時でも安心です。
偽物を見分けるポイントは、①医師による適切な診察があるか、②運営会社や医師の情報が明確か、③価格が相場(10,000〜20,000円程度)と比べて極端に安くないか、④第三者サイトでの評判はどうかを確認することです。
ネット通販や個人輸入では、偽造品のリスクだけでなく、商品が届かない、副作用発生時に適切な対応が受けられないなどの問題も生じる可能性があります。緊急避妊薬は健康に直結する重要な医薬品であるため、安全性を最優先に考え、正規ルートでの入手を心がけましょう。