アフターピルは、避妊に失敗した際や望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬として知られています。しかし、その効果や正しい使用方法について、十分な理解がないまま利用されることも少なくありません。
この記事では、アフターピルの服用タイミングや種類による効果の違い、そしてその効果をどのように確認できるのかについても詳しく説明します。
他の薬との相互作用など、注意すべきポイントについてもお伝えしますので、緊急時に適切な判断ができるよう、アフターピルについての正しい知識を身につけましょう。
アフターピルの効果とは?
アフターピルは、避妊に失敗した際や望まない妊娠の可能性がある場合に使用される緊急避妊薬です。性交渉後、できるだけ早く服用することで、一定の避妊効果が期待できます。
アフターピルの主な効果は、排卵の遅延と、受精卵の着床阻害とされています。
排卵前にアフターピルを服用した場合、排卵を遅らせる効果があるとされ、受精の可能性を低下させる効果があります。一方、排卵後に服用した場合は、子宮内膜の状態に影響を与え、受精卵を着床しづらくする効果があります。
ただし、アフターピルの効果は100%ではありません。服用のタイミングが遅れるほど、避妊効果は低下していきます。また、個人差もあるため、確実な避妊効果は保証できません。
正確な排卵のタイミングは予測できないため、予定されている排卵日にかかわらず、なるべく早い段階で服用することが大切です。
参考:厚生労働省
アフターピルの避妊効果は、ピルの種類によって異なる
日本で利用可能なアフターピルに、承認されている「ノルレボ」「レボノルゲストレル(ノルレボのジェネリック医薬品)」「プラノバール(ヤッぺ法)」と、認可外ながら海外で一般的に使用されている「エラワン(エラ)」の4種類があります。
4種類とも性交渉後の緊急避妊薬ですが、効果の高さや特徴に違いがあります。
ここでは、それぞれのアフターピルの特徴と効果について解説します。自分に合ったアフターピルを選択するための参考にしてください。
その前に!避妊率と妊娠阻止率の違いについて一口解説
アフターピルの効果を理解する上で、避妊率と妊娠阻止率の違いを把握しておくことは重要です。
避妊率は、アフターピルを服用した人が、実際に妊娠しなかった割合を示します。例えば、「避妊率98%」とは、100人がアフターピルを服用した場合、98人は妊娠しなかったことを意味します。
一方、妊娠阻止率は、アフターピルを服用しなかった場合に妊娠する可能性があった人が、服用によって妊娠を阻止できた割合を表します。
例えば、「妊娠阻止率85%」とは、アフターピルを服用しなかったら妊娠していたであろう100人のうち、85人の妊娠を阻止できたことを意味します。
つまり、避妊率は実際に妊娠しなかった人の割合であり、妊娠阻止率は妊娠する可能性があった人が服用によって妊娠を免れた割合ということになります。
ノルレボの効果
「ノルレボ」は、世界保健機関(WHO)が必須医薬品に指定しているアフターピルです。日本でも2011年に承認され、現在は多くのクリニックで処方されています。
ノルレボの服用時間 | 妊娠阻止率 |
---|---|
24時間以内 | 95% |
48時間以内 | 85% |
72時間以内 | 58% |
「ノルレボ」は1回1錠の服用です。性交渉から24時間以内の服用で約95%、72時間以内の服用で約58%の避妊効果が期待できます。
ただし、「ノルレボ」の避妊効果は72時間以内の服用が前提です。性交渉から時間が経つほど、避妊効果は低下していきます。できるだけ早く服用することが大切だと言えるでしょう。
レボノルゲストレルの効果
「レボノルゲストレル」は広く知られている緊急避妊薬「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品(新薬)の特許期間が終了した後に製造・販売される医薬品で、新薬と同じ有効成分を同量含有しているため、「レボノルゲストレル」は「ノルレボ」と同等の効果が期待できます。
効果の違いはありませんが、添加物が先発医薬品と異なる場合があるため、アレルギー体質の方は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
プラノバール(ヤッぺ法)の効果
「プラノバール」は、主に月経困難症や過多月経の治療に用いられる中用量ピルですが、緊急避妊薬としても使用されることがあります。
ただし、その避妊阻止率は「ノルレボ」「レボノルゲストレル」と比較すると低くなる上、副作用のリスクが多い点に注意が必要です。
プラノバールの服用時間 | 妊娠阻止率 |
---|---|
24時間以内 | 約77% |
48時間以内 | 約36% |
72時間以内 | 約31% |
緊急避妊薬として処方される場合は、性行為後72時間以内にまず2錠を飲み、12時間後にさらに2錠を服用します。
2回目の服用を忘れたり、遅れたりすると避妊効果が下がってしまうので、服用時間を守ることが重要です。
エラワン(エラ)の効果
「エラワン(エラ)」は、性交渉から120時間(5日)以内に服用できる緊急避妊薬です。有効成分はウリプリスタール酢酸エステルで、1回1錠を服用します。
日本では現在認可外の避妊薬ですが、アメリカでは緊急避妊薬として認可されています。「エラワン」の妊娠阻止率は、以下のとおりです。
エラワンの服用時間 | 妊娠阻止率 |
---|---|
120時間以内 | 95% |
「エラワン」は、「ノルレボ」と比べて服用可能な時間が長いのが特徴です。
性交渉から5日以内なら服用できるため、避妊に失敗したことに気づくのが遅れた場合でも、高い避妊効果が期待できます。とはいえ、可能な限り早期の服用が推奨されます。
ただし、前述したように、エラワンは現在日本では認可されていない医薬品なので、服用するかどうかについては慎重に検討しましょう。
アフターピルの効果はいつから始まり、いつまで持続するのか
アフターピルは、性交渉のあとに服用して妊娠を防ぐ薬ですが、その効果がいつ始まり、どのくらい持続するのかを知っておくことは大切です。
ここでは、アフターピルの効果発現時期と持続期間について解説します。正しい知識を身につけて、適切なタイミングでアフターピルを服用しましょう。
アフターピルの効果発現時期
アフターピルは、服用後約2~4時間で血中濃度が上昇し薬の作用が現れ始めます。有効成分が体内に吸収されると、排卵抑制などの効果が現れます。
アフターピルは性交渉のあとできるだけ早く服用することが大切です。効果の即効性を最大限に活かすためにも、必要性を認識した時点で速やかに服用することが重要です。
アフターピルの効果持続期間
アフターピルの効果は、服用後約5〜7日間継続するとされていますが、個人差があります。
アフターピルの服用後は数日間効果が継続するとはいえ、どのタイミングで切れるかを正確に認識することはできないため、次の生理が来るまで確実な避妊を心がけましょう。
また、アフターピルの服用は生理周期に影響を与える可能性があり、生理不順を引き起こすことがあります。
排卵日がずれる可能性もあるため、その後の避妊については普段より注意が必要でしょう。
アフターピルの効果はいつ分かるのか
アフターピルを服用後、その避妊効果を確認するには一定の時間が必要です。
ここでは、アフターピルの効果が分かるタイミングと方法について解説します。妊娠の不安を抱えながら待つ時間を、できるだけ落ち着いて過ごせるようにしましょう。
生理予定日の遅れで効果を確認
アフターピルの効果を確認する主な方法は、生理の有無を確認することです。アフターピルが有効であれば、次の生理は概ね予定通りか、若干の遅れで訪れます。
アフターピルの服用によって排卵日が変動する可能性があるため、生理の時期が多少前後することは珍しくありません。
通常、生理は排卵日の約2週間後に起こりますが、排卵日がずれれば、生理の時期も同様にずれる可能性があります。
アフターピルを服用したサイクルでは、生理が1週間程度遅れても心配する必要はありません。ただし、1週間以上遅れる場合は、妊娠の可能性を考慮する必要があります。
生理が来ない場合でも、必ずしも妊娠しているとは限りません。ストレスなどの要因で、無月経になっている可能性もありますので、落ち着いて対処をしましょう。
妊娠検査薬で効果を確認
アフターピルの効果を確認する補助的な手段として、妊娠検査薬を使う方法があります。妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを検出することで、妊娠の可能性を判定します。
妊娠初期のhCGの量には個人差があり、検出可能になる時期も人によって異なります。
一般的には、生理予定日の1週間後に妊娠検査薬を使うのがおすすめです。この時期であれば、多くの場合hCGが検出可能なレベルまで上昇しています。
ただし、妊娠検査薬はあくまで補助的な手段であり、アフターピルの服用から日が浅いうちは、偽陰性の可能性もあります。
そのため、妊娠検査薬が陰性でも、完全に安心することは避けましょう。生理が予定通り来るまでは、他の避妊法も併用しながら、慎重に経過を観察することが重要です。
また、アフターピルの服用後は、婦人科を受診することが推奨されます。医師に相談して、超音波検査で妊娠の有無を正確に判断してもらうことが望ましいでしょう。
アフターピル服用後の注意点
アフターピルを服用したあとは、避妊効果の確認や副作用への対処など、いくつかの注意点があります。
アフターピルを飲んだ後も油断せず、その後の経過にも気を配ることが大切です。ここでは、服用後1週間の過ごし方について解説します。
注意点1|避妊を継続する
アフターピルの避妊効果は、服用後約5〜7日間ほど続くとされています。しかし、どのタイミングで切れるかを正確に認識することはできないため、次の生理が来るまでは他の避妊法を併用する必要があります。
服用後はホルモンバランスが変化し、排卵日がずれている可能性もあるため、アフターピル服用後の性交渉は普段より意識的に避妊を心がけましょう。
注意点2|不正出血が起こることがある
アフターピルの服用後、不正出血が起こることがあります。これは、ホルモンバランスが変化することによって生じる出血です。
量や持続期間は個人差が大きく、通常の生理とは異なるパターンを示すことがあります。不正出血を生理と勘違いしないよう注意が必要です。
不正出血は、アフターピル服用後によく見られる症状ですが、その解釈には注意が必要です。自己判断に頼らず、早めに医師に相談しましょう。
副作用を観察する
アフターピルの副作用は、服用後数時間から1日程度で治まるのが一般的です。しかし、中には数日間続く場合もあります。
吐き気や腹痛など症状が治まらない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
また、副作用の症状が落ち着いても、1週間ほどは体調の変化に気を配ることが大切です。普段と違う症状が現れたら、すぐに医師に相談するようにしてください。
些細な変化でも、専門家の意見を聞くことで、潜在的な問題を見逃さずに済む可能性があります。
避妊方法を見直す
アフターピルの服用をきっかけに、普段の避妊方法を見直してみるのも良いでしょう。アフターピルはあくまで緊急時の避妊手段であり、通常の方法として使用するものではありません。
低用量ピルやIUD(子宮内避妊具)など、自分に合った避妊法を選ぶことが大切です。パートナーとよく話し合って、お互いに納得できる方法を探してみてください。
分からないことがあれば、専門家のアドバイスを受けながら、確実な避妊を心がけましょう。
アフターピルの入手方法は2つ。結論オンライン診療がおすすめ
アフターピルは、性交渉後できるだけ早く服用することが大切です。
そこで、アフターピルを効果的に入手する方法について解説します。いざという時に慌てないよう、事前に確認しておくことをおすすめします。
産婦人科での処方
アフターピルを入手する方法として想起されるのは産婦人科での受診。産婦人科では、医師との直接的なコミュニケーションを通じて、適切な処方をしてもらうことが可能です。
ただし、病院によっては土日や夕方以降は診察を受け付けていないこともあるため、注意が必要です。
アフターピルの効果は時間が経つにつれて低下するため、なるべく早く服用しなければなりません。
近くの病院がもう閉まっているという時におすすめなのが、オンライン診療の利用です。
24時間いつでも診察できるオンライン診療
アフターピルの処方は、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療であれば、スマートフォンを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられます。
産婦人科の場合、平日の早い時間に閉まってしまったり、土日は休診日となってしまう病院も多いです。
仕事終わりに診察に行こうとすると、近くの病院では診察時間に間に合わないということもあるのではないでしょうか。
オンライン診療では24時間365日対応のサービスもあり、土日や連休で診察を受けられないという心配もありません。
また、郵送でアフターピルを届けてくれるオンライン診療を使えば、薬局への受け取りに行く手間も省けることもあります。
ただし、対面診療ほど詳しい診察ができず、性感染症の有無も確認できません。
服用後の検査などについては、対面診療と組み合わせて利用すれば良いため、アフターピルのように緊急を要する場合、オンライン診療は非常に便利な選択肢となるでしょう。
まとめ:アフターピルの効果を正しく理解し、適切に利用しよう
アフターピルは、性交渉後の緊急避妊薬として、女性の身体を守る大切な役割を果たします。しかし、その効果を正しく理解し、適切に利用することが何より大切です。
効果的な利用のためには、できるだけ早く服用することが重要です。
また、服用後も油断せず、他の避妊法を併用しながら慎重に経過を観察することが求められます。
強い副作用や生理の大幅な遅れがあるような場合は、産婦人科を受診しましょう。自己判断は避け、専門家の意見を求めることが大切です。
単に「アフターピルが欲しい」という場合には、オンライン診療がおすすめです。明朗な会計に加え、18時以降、土日でも受診可能な柔軟さが魅力です。
アフターピルはあくまで緊急用であり、通常の避妊法として使用すべきではありません。普段から、自分に合った適切な避妊法を実践することが何より大切だと言えます。
アフターピルについての正しい知識を身につけ、必要な時に落ち着いて対処ができるよう、日頃から準備しておきましょう。
緊急アフピルであれば、避妊専門の医師が常に在籍しており、24時間365日待ち時間なしで無料相談が可能で、国内で承認されているアフターピルを8,800円(税込)〜販売しております。心配な方やアフターピルの購入を迷われている方は、お気軽にご相談ください。