プラノバールに避妊効果はある?ヤッペ法や妊娠阻止率についても解説

プラノバールは、日本で唯一処方されている中用量ピルとして知られており、以前は緊急避妊法としても用いられていました。しかし、避妊効果や副作用について、詳しく知らない方も多いはず。

この記事では、プラノバールの主な効果や副作用、避妊効果の有無やヤッペ法について分かりやすく解説します。

医師 阿部一也
当記事の監修医師
医師:阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部卒業。現在は板橋中央総合病院の産婦人科医長として、妊婦健診や分娩管理、新生児対応をはじめ、切迫流産・早産の管理などにも従事。婦人科領域では、子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮内膜症・骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌・卵巣癌に対する手術および化学療法(抗がん剤治療)まで幅広く対応。さらに、PMS(月経前症候群)や更年期障害など、ホルモンバランスに関連する女性特有の不調についても積極的に診療している。日本産科婦人科学会専門医として、日々多くの女性の健康課題に向き合い、臨床の第一線で診療を続けている。

プラノバールは日本で唯一使用されている中用量ピル

2025年時点で、日本国内で処方可能な中用量ピルは「プラノバール」のみとなっています。主に月経周期のコントロールや月経困難症、子宮内膜症の治療などに用いられますが、避妊を目的とした服用は推奨されていません。

参考:医薬品医療機器総合機構「患者向医薬品ガイド・プラノバール配合錠

プラノバールの主な効果は3つ

中用量ピルは主に、「月経移動」「月経困難症やPMSの症状改善」「月経不順の改善」の3つの効果のために処方されることが多いです。

月経移動旅行や結婚式など大切な予定に合わせて、生理を早めたり、遅らせたりすることができる
月経困難症や
PMSの症状改善
重い生理痛や気分の落ち込みといった症状に悩まされている方に有効
月経不順の改善不規則な生理周期を改善し、月経を安定させる効果がある

治療目的としては、機能性子宮出血、月経困難症、月経周期異常(稀発月経、頻発月経)、過多月経、子宮内膜症、卵巣機能不全などの場合に処方されることが多いです。

以前は緊急避妊(ヤッペ法)として、プラノバールが処方されることもありましたが、避妊効果の割に副作用も多く、現在ではあまり推奨されていません。この緊急避妊については下記の「プラノバールの緊急避妊(ヤッペ法)について」で詳しく解説します。

プラノバールの副作用や注意点

プラノバールには、主な副作用として、吐き気・嘔吐、食欲不振、頭痛、乳房痛、むくみ、体重増加、発疹が報告されています。また、稀ですが血栓症のリスクも存在します。以下のような症状が出た場合には服用を中止して、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

部位自覚症状
全身脱力、まひ
頭部激しい頭痛、めまい、失神
目のかすみ
口や喉舌のもつれ、しゃべりにくい
胸部鋭い胸の痛み、突然の息切れ、押しつぶされるような胸の痛み
手・足ふくらはぎの痛み・腫れ、手足のしびれ

そして、重い肝障害のある方、血栓症の既往歴がある方は服用できません。また、重度の消化管障害がある方も服用を控える必要があります。

40歳以上で初めてピルの処方を希望する方、35歳以上で1日に15本以上のタバコを吸う方、BMI値が30以上の方も、医師との相談が必要です。他にも服用できない条件がいくつかありますので、服用する場合は適切な診察を受けるようにしてください。

プラノバールを服用している際に避妊効果はある?

プラノバールを服用する場合、避妊効果は期待できます。しかし、日本国内において、避妊を目的とした使用は認められていません。また、国内での避妊に関する臨床試験も実施されていないため、避妊効果については医師の判断に委ねられています。

プラノバールで避妊効果を得るためには、最低でも7日間は継続して服用する必要があり、月経移動のような短期間の服用では避妊効果は期待できません。中用量ピルは低用量ピルと比較して副作用のリスクが高くなるため、推奨されていないのです。

そのため、通常の避妊目的であれば低用量ピル、緊急避妊の目的であればアフターピルを服用するようにしましょう。

プラノバールの緊急避妊(ヤッペ法)について

プラノバールを使用したヤッペ法は1970年代から行われてきた緊急避妊法です。性交後72時間以内に服用を開始する必要があります。

まず72時間以内に2錠を服用し、1回目の服用から12時間後にさらに2錠を服用します。1日に4錠も服用する必要がある上、副作用も強いことから、現在ではアフターピルを使用した緊急避妊が主流となっています。

<妊娠阻止率>24時間以内48時間以内72時間以内
プラノバール75-85%70-80%65-75%
アフターピル
(ノルレボ)
95%90%85%

プラノバールによる緊急避妊時の妊娠阻止率は、8割以下です。服用するタイミングが早いほど避妊効果が高く、時間経過とともに大幅に減少します。

プラノバールを使用したヤッペ法は、現在では緊急避妊として使用されることはほとんどありません。緊急避妊薬としての服用を検討しているのであれば、アフターピルを服用するのが賢明でしょう。

避妊目的のピル処方ならミライメディカルクリニックがおすすめ

避妊目的のピル処方であれば、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめです。LINE登録してWEB問診に記入するだけで、気軽に電話診察を受けられます。ピルはレターパックで自宅まで届くので、外出する必要もありません。

低用量ピルの場合は、先発品のマーベロンとジェネリックのファボワールを取り扱っています。定期便であれば10%オフで処方してもらうことが可能です。途中解約も簡単なので気軽に利用できます。

アフターピルの場合は「緊急アフピル」というサービスから24時間365日診察を受けることが可能です。最短当日発送が可能なので、仕事などですぐに病院に行けない場合にも早いうちに服用することができます。興味のある方はぜひ一度詳細を確認してみてください。

低用量ピルアフターピル
ファボワール、マーベロンなどエラ、マドンナなど
2,618円〜8,000円〜
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表記は税抜価格

まとめ

プラノバールは、日本で唯一処方されている中用量ピルとして知られています。主に月経困難症や月経移動などの治療に用いられるお薬です。女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれており、服用することで様々な効果をもたらします。

プラノバールに避妊効果は期待できますが、日本国内において、避妊を目的とした使用は認められていません。また、最低でも7日間は継続して服用する必要があり、月経移動のような短期間の服用では避妊効果は期待できません。

緊急避妊(ヤッペ法)に用いられることもありますが、低用量ピルやアフターピルと比べると妊娠阻止率は低く、副作用のリスクも高いため、現在はほとんど使用されていません。

通常の避妊を目的としてピルを服用したい場合は、低用量ピルがおすすめです。低用量ピルはプラノバールに比べてホルモン量が少なく、副作用のリスクが低いとされています。ピルの服用について、さらに詳しく知りたい方は、ミライメディカルクリニックにご相談ください。

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