コンジローマとは?男性の初期症状や見分け方、治療や予防方法を解説

性器周辺にイボのようなものができていたら、「コンジローマ」に感染している可能性があります。コンジローマの初期症状であるイボは、陰茎の先端、亀頭、包皮の内側、陰嚢、尿道口、肛門周囲などに見られることが多いです。

この記事では、男性のコンジローマについて、その原因から症状、治療法、さらには予防法まで、わかりやすく解説します。性感染症は早期発見・早期治療がとても大切です。自己判断で特定するのは難しいため、陰部に異常を感じたら速やかに医療機関に相談しましょう。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

尖圭コンジローマとは?感染の原因

尖圭コンジローマは、性感染症の一種です。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。HPVには様々な型がありますが、特に6型と11型が尖圭コンジローマの原因となります。

主な感染経路は、性行為や性行為に近いスキンシップです。HPVが皮膚や粘膜の小さな傷から体内に入り込むことで感染します。感染してもすぐに症状が現れない場合もあるため、自覚症状がないまま、他の人に感染させてしまうことが多く、注意が必要です。

参考:国立感染症研究所「尖圭コンジローマとは

男性の場合のコンジローマの症状と見分け方

男性の場合、陰部や肛門周辺に症状が現れることが多いですが、自覚症状がない場合も少なくありません。早期発見と適切な治療のため、コンジローマの症状や他の疾患との見分け方について理解しておきましょう。

コンジローマは無症状のことも多い

コンジローマに感染しても、必ずしも症状が現れるとは限りません。無症状のままウイルスを保有しているケースも珍しくないため、自分では気づかないうちにパートナーに感染させてしまう可能性も考えられます。定期的な検査を受けるなど、感染予防に努めることが大切です。

コンジローマの初期症状は小さなイボ

コンジローマの初期症状は、小さなイボとして現れます。陰茎の先端、亀頭、包皮の内側、陰嚢、尿道口、肛門周囲などに見られることが多いです。

イボの色は、肌色、ピンク色、白色、茶色、黒色など様々です。初期のイボは痛みやかゆみがない場合が多く、気づかないまま放置してしまうケースも少なくありません。しかし、時間の経過とともにイボが増殖し、カリフラワー状に大きくなることもあります。

また、排尿時の痛みや出血、性交時の痛みといった症状が現れる場合もあるため、違和感があったら早めに検査をするようにしてください。

コンジローマと他の疾患の違いを見分けるのは難しい

陰部にできるイボは、コンジローマ以外にも様々な原因が考えられます。例えば、尖圭コンジローマと間違えやすい疾患として、軟属腫や脂漏性角化症、パール状陰茎丘疹などが挙げられます。これらの疾患は、性感染症ではなく、治療方法も異なります。

コンジローマの特徴としては、先端が尖っていたり、カリフラワーやニワトリのトサカのような形をしていることが多いです。

コンジローマの特徴
  • 表面が粒状で乳頭状の形状をしている
  • ピンク色、こげ茶色、黒色などの色調
  • 大きさは1~3mm程度が一般的
  • 痛みやかゆみがほとんどない
  • 放置すると数が増え、大きくなることがある

ただし、自己判断で病気を特定するのは難しいため、陰部に異常を感じたら、まずは専門の医療機関を受診し、適切な検査と診断を受けることが重要です。放置せずに速やかに医療機関に相談しましょう。

コンジローマの市販薬はない?病院での治療方法

引用元:QLIFE「ベセルナクリーム5%

コンジローマの治療に効果的な市販薬は残念ながらありません。性感染症であるコンジローマは、医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。自己判断でイボの除去を謳った市販薬を使用しても効果がなく、症状が悪化する可能性もあるため注意が必要です。

病院では、主に外用薬や外科的療法によってコンジローマを治療します。外用薬としては、ベセルナクリームなどが処方されます。これらの薬は、患部に塗布することで免疫反応を活性化し、コンジローマを治療します。

外科的療法には、液体窒素を用いた凍結療法や、レーザー治療があります。凍結療法は、液体窒素でイボを凍らせて破壊する方法です。治療法は、イボの状態や患者の状況によって医師が判断します。

コンジローマは、適切な治療を受けることで、症状の悪化や再発を防ぐことができます。また、症状が軽快しても、HPVは体内に潜伏している可能性があり、再発のリスクも考慮しなければなりません。定期的な検査と医師の指示に従った治療を続けることが大切です。

コンジローマの予防方法3つ

コンジローマは性感染症の一種です。性行為によって感染するため、予防策を講じることが重要になります。

予防法1|HPVワクチン

HPVワクチンは、コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防する効果的な方法です。

HPVには多くの型がありますが、ワクチンは特に尖圭コンジローマの原因となるHPV6型と11型に高い予防効果を示します。男性も接種可能ですので、感染リスクを減らすためにもワクチン接種を検討してみましょう。

予防法2|コンドームの使用

コンドームは、性行為によるHPV感染リスクを低減する上で重要な役割を果たします。コンドームを正しく使用することで、皮膚や粘膜の接触を減らし、ウイルスの侵入を防ぎます。

ただし、コンドームで覆われていない部分での感染リスクは残るため、他の予防策と併用するのが効果的です。

予防法3|違和感やイボがある場合は性行為を控える

陰部にイボや違和感を感じた場合は、性行為を控えることが重要です。症状がなくてもHPVに感染している可能性はあります。特に、陰部に小さなイボや違和感がある場合は、コンジローマの可能性も考えられます。

性行為によってパートナーに感染させてしまう可能性もあるため、症状が現れた場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けてください。

まとめ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症です。主に性行為によって感染し、性器や肛門周辺にイボができるのが特徴です。男性の場合、亀頭や陰茎、肛門周辺にイボが現れることが多く、痛みやかゆみを伴う場合もあります。

初期症状としては、小さなイボやザラザラした感触が現れますが、無症状のケースも少なくありません。そのため、気づかないうちにパートナーへ感染させてしまうリスクがあります。

尖圭コンジローマは市販薬では治療できず、病院での専門的な治療が必要です。主な治療方法には、液体窒素による凍結療法やレーザー治療、外用薬の塗布などがあります。

予防方法としては、HPVワクチンの接種が最も効果的です。また、性行為の際にはコンドームを正しく使用することで感染リスクを下げることができます。少しでも違和感やイボがある場合は、性行為を控え、早めに医療機関を受診しましょう。

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