おりものが茶色いけど大丈夫?生理や妊娠、性病などの原因や受診の目安を解説

茶色いおりものは、古い血液が混ざっていることが多く、生理の前後や排卵期であれば心配ない場合がほとんどです。しかし、一方で、病気のサインである可能性も否定できません。

この記事では、おりものが茶色い際に考えられる主な原因や、受診すべき目安について、分かりやすく解説していきます。ご自身の身体を守るためにも、不安なことがあれば気軽に婦人科を受診するようにしましょう。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

茶色いおりものは古い血液が混ざっている場合がほとんど

茶色いおりものを見ると、ビックリしてしまうかもしれません。しかし、多くの場合、古い血液がおりものに混ざっていることが原因で、心配ないケースが多いです。

生理が始まる前や終わった後には、少量の経血がおりものと混ざり、茶色っぽく見えることがあります。また、排卵期にも、排卵出血と呼ばれる少量の出血が起こり、おりものが茶色やピンク色を帯びることがあります。

これらの場合は、一時的なもので自然に治まるため、特に心配する必要はありません。

おりものが茶色い場合に考えられる主な原因3つ

ここでは、おりものが茶色い場合に考えられる主な原因を3つ紹介します。

原因1|生理周期に伴う出血

茶色いおりものが見られる最も一般的な原因は、生理に関連するものです。生理が始まる直前や終わった直後には、古い血液が酸化して茶色くなったおりものが見られることがあります。

例えば、生理の終わりかけに少量の茶色いおりものが出るのはよくあることです。他にも、排卵期に茶色っぽいおりもの(排卵出血)が見られることがあります。

また、妊娠初期にも茶色いおりものが見られることがあります。これは着床出血と呼ばれるもので、受精卵が子宮内膜に着床する際に少量の出血が起こることが原因です。心当たりがある場合は妊娠検査薬を使用してみてください。

原因2|子宮や卵巣の病気による不正出血

子宮頸管ポリープや子宮筋腫、子宮内膜症といった子宮や卵巣の病気が原因で、茶色いおりもの(不正出血)が見られることもあります。

例えば、子宮頸管ポリープがある場合、性交渉後などに少量の出血が起こり、それが茶色いおりものとして現れることがあるため、注意が必要です。

原因3|性感染症

クラミジアや淋病などの性感染症も、茶色いおりものの原因となることがあります。例えば、クラミジア感染症では、黄色っぽいおりものや、おりものの量が増えるといった症状が見られることがあります。

性感染症おりものの変化その他の症状
クラミジア黄色や白色粘り気が強いにおい少なめ下腹部痛性交痛
淋病黄色や緑色の膿状量が多い排尿時痛下腹部痛
トリコモナス症黄緑色や灰色泡立ちやすい魚が腐ったような悪臭かゆみ外陰部の腫れ

性感染症は放置すると、不妊症などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。茶色いおりものが続く場合や、量が多い場合、腹痛や発熱などの症状を伴う場合は、速やかに婦人科を受診しましょう。

おりものが茶色い際に婦人科を受診する目安

おりものが茶色い場合、必ずしも病気を意味するわけではありません。しかし、状況によっては婦人科への受診が必要となるケースもあります。

ここでは、婦人科を受診する目安となる3つのポイントをご紹介します。

目安1|慢性的に茶色いおりものが続いている

生理の終わりかけや排卵日周辺などに、おりものに茶色が混じることがあります。しかし、慢性的に茶色いおりものが続いている場合は、子宮内膜症や子宮頸がんといった病気が隠れている可能性も考えられます。

子宮内膜症は、子宮内膜組織が子宮以外の場所に発生し、増殖する病気です。生理痛が重くなったり、不妊の原因となることもあります。子宮頸がんは、子宮の入り口部分にできるがんです。初期段階では自覚症状がないことが多く、進行すると不正出血やおりものの異常などがみられます。

もし、慢性的に茶色いおりものが続く場合は、これらの病気を早期に発見し、適切な治療を受けるためにも、早めに婦人科を受診して相談してみましょう。特に、一週間以上続く場合は、放置せずに受診することをおすすめします。

目安2|量が多い、または出血が増加傾向にある

おりものの量が多い、または出血の量が徐々に増加している場合も、婦人科を受診する目安となります。おりものの量の変化は、ホルモンバランスの乱れや感染症などが原因となっている可能性があるので注意しましょう。

ホルモンバランスの乱れは、ストレスや生活習慣の乱れ、加齢などが原因で起こります。感染症は、細菌やウイルスが膣内に侵入することで起こり、おりものの異常以外にも、かゆみ、痛み、発熱などの症状が現れることもあります。

目安3|腹痛など別の症状を伴う

茶色いおりものに加えて、腹痛や発熱、かゆみといった症状がある場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。これらの症状は、子宮や卵巣の病気、あるいは性感染症など、より深刻な病気が原因で起こっている可能性があります。

子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性腫瘍は、自覚症状がないこともありますが、大きくなると腹痛や腰痛、頻尿などの症状を引き起こすことがあります。性感染症は、性行為によって感染する病気です。症状が悪化する前に、適切な検査と治療を受けるようにしてください。

まとめ

茶色いおりものは、古い血液が混ざっていることが多く、生理の前後や排卵期に見られる場合は、特に心配する必要はありません。しかし、黄色いおりものが出る場合は、不正出血、子宮関係の病気、性感染症などの原因が考えられます。

茶色いおりものが慢性的に続く、量が多い、増加傾向にある、腹痛などの他の症状を伴うといった場合は、婦人科を受診する目安となります。特に、性感染症の可能性が疑われる場合は、早めに性病検査を受けることが重要です。

おりものの色や状態は、健康状態を知るためのバロメーターとなります。もし、気になる症状が続くようであれば、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしてください。

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