低用量ピルの避妊効果は約99%ってホント?正しい飲み方や副作用について解説

低用量ピルは、高い避妊効果があるだけでなく、生理痛を和らげたり肌荒れを改善したりする効果が期待できます。ただし、正しく使わないと効果が下がってしまったり、副作用が心配だったりと、知っておくべきことも多いです。

この記事では、低用量ピルの避妊効果や別の避妊方法との比較、正しい飲み方や副作用についてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

低用量ピルは正しく飲めば約99%の高い避妊効果がある

低用量ピルは、正しく服用すれば非常に高い避妊効果を持つ避妊方法です。

避妊成功率は約99.9〜99.7%と報告されており、コンドームなど他の避妊法と比べても、より確実な避妊が期待できます。

低用量ピルは、脳からのホルモン分泌を抑えて排卵を起こさなくすることで避妊効果を発揮します。(子宮内膜を着床しにくい状態に変化させたり、頸管粘液を変化させて精子が子宮内に入りにくくしたりする働きもあります)

決まった時間に1日1錠服用することが重要で、飲み忘れると避妊効果が低下する可能性があるため注意が必要です。また、性感染症は予防できないので必要に応じてコンドームとの併用を検討しましょう。

参考:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ」

低用量ピルとほかの避妊方法との比較

低用量ピルとほかの避妊方法を比較してみましょう。

引用:バイエル薬品「各種避妊法使用開始1年間の失敗率」

低用量ピルが99.7%〜91%(失敗率0.3〜9%)という高い効果を維持しているのに対し、コンドームの避妊成功率は、理想的な使用で98%〜82%(失敗率2〜18%)です。

使用のたびに準備が必要なコンドームと違い、低用量ピルは毎日決まった時間に服用するだけで効果が得られます。そのため、性行為の直前に準備する必要がなく、自然な流れで関係を持つことが可能です。

ただし、副作用の可能性があること、性感染症の予防効果はないことに注意が必要です。

低用量ピルの避妊以外の効果

低用量ピルの主な効果は高い避妊効果ですが、それ以外にもさまざまな効果があります。

効果の分類具体的な効果
月経関連症状の改善・月経痛の緩和
・月経不順の改善
・過多月経の改善
・PMS/PMDDの症状緩和
婦人科疾患の症状改善・子宮内膜症の症状緩和
・子宮筋腫による痛みや出血の軽減
肌トラブルの改善・ニキビや肌荒れの改善
・多毛症の改善

低用量ピルを服用することで、不規則だった生理周期が安定したり、経血量が減少したりします。これにより、生理中の不快感や貧血のリスクを軽減することが可能です。さらに、子宮収縮を抑える作用があるため、月経痛の軽減効果も期待できます。

ほかにも、低用量ピルに含まれるホルモンが男性ホルモンの作用を抑えることで、ニキビや多毛症が改善される可能性があります。

ただし、効果の現れ方には個人差があり、また副作用のリスクもあるため、使用にあたっては必ず医師に相談し、適切な指導のもとで服用することが重要です。

低用量ピルはどれがいい?種類ごとに特徴を比較

低用量ピルには様々な種類があり、それぞれに特徴や服用形態の違いがあります。

製品名追加効果服用形態
ルナベル
LD/ULD
生理痛軽減、PMS改善21日服用、7日休薬
フリウェル
LD/ULD
生理痛軽減、PMS改善21日服用、7日休薬
トリキュラーPMS改善、生理痛緩和21日服用、7日休薬
アンジュPMS改善21日服用、7日休薬
ジェミーナ生理回数減少最大77日服用、7日休薬
マーベロンPMS改善、生理痛緩和21日服用、7日休薬
ファボワールPMS改善、生理痛緩和21日服用、7日休薬
ヤーズニキビ改善、PMS改善24日服用、4日休薬
ヤーズフレックスニキビ改善、PMS改善、生理回数減少最大120日服用、4日休薬

低用量ピルを選ぶ際は、自分の体調や生活スタイル、希望する効果を考えて、医師と相談しながら決めることが大切です。初めて使用する場合は、トリキュラーのような3相性(21日服用、7日休薬)タイプから始めるのもいいでしょう。

ただし、個人の健康状態、生活習慣、他の薬との相互作用なども考慮する必要があるため、最終的な選択は必ず医師と相談して決めてください。

低用量ピルの正しい飲み方

低用量ピルは、正しく服用することで高い避妊効果を発揮します。以下の3つのポイントを押さえて、適切に服用しましょう。

ポイント1|毎日同じ時間に服用する

低用量ピルは、毎日同じ時間に服用することが大切です。これにより、体内のホルモン量を一定に保つことができ、より確実な避妊効果が期待できます。

服用のタイミングは、個人の生活リズムに合わせて決めましょう。例えば、朝起きたときや寝る前など、習慣化しやすい時間帯がおすすめです。飲み忘れを防ぐため、スマートフォンのアラーム機能を利用するのも有効な方法です。

なお、服用時間が3~4時間程度ずれるくらいであれば問題はありません。大切なのは毎日欠かさず服用することです。

ポイント2|生理開始から5日以内に服用を開始する

低用量ピルを初めて服用する際は、生理開始から5日以内に服用を始めることが重要です。この期間に服用を開始すれば、その日から避妊効果が得られます。

生理開始から5日以内に服用を始められなかった場合、その月の排卵を抑制できない可能性があります。その場合は十分な避妊効果を得られない可能性があるため、服用開始から7日間は他の避妊法を併用するなどの対策が必要です。

月経困難症や過多月経、PMSの改善を目的とする場合は、服用開始のタイミングに制限はありません。ただし、避妊効果を期待する場合は、上記のポイントを守ることが大切です。

ポイント3|飲み忘れに注意し、適切に対処する

低用量ピルの効果を最大限に発揮するためには、飲み忘れに注意することが重要です。万が一飲み忘れた場合は、以下のように対処しましょう。

1日分(1錠)飲み忘れた場合・気づいた時点で1錠服用
・通常の時間にもう1錠服用
・以降は通常通り服用
2日分(2錠)飲み忘れた場合・気づいた時点で1錠服用
・通常の時間にもう1錠服用
・7日間は他の避妊法を併用
3日以上飲み忘れた場合・服用を中止
・次の月経を待つ
・新しいシートから再開
・再開後7日間は他の避妊法を併用
プラセボ錠を飲み忘れた場合・追加服用の必要なし
・飲み忘れた分は破棄

2日以上飲み忘れた場合は別の避妊法と併用する必要があるため注意しましょう。不安な点や疑問がある場合は、必ず医師に相談してください。

低用量ピルの副作用は何がある?

低用量ピルには様々な副作用がありますが、多くの場合は服用開始から3ヶ月程度で自然に改善されることが多いです。主な副作用には以下のようなものがあります。

  • 悪心・嘔吐
  • 頭痛・偏頭痛
  • 乳房の張り・痛み
  • 不正出血
  • 下腹部痛
  • めまい・ふらつき
  • にきび
  • 浮腫
  • 体重増加

そして、低用量ピルの重大な副作用として懸念されているのは、血栓症です。服用により発症のリスクが増加するという報告がありますが、発症率は非常に低く、10万人あたり年間1.5~2.5人程度といわれています。

発症は服用開始後4か月以内が多く、中止後3か月以内に非服用者のレベルに戻るとされているため、飲み始めてすぐは普段以上に体調に気をつけ、異常があればすぐに医師に相談してください。

今すぐの避妊が必要ならアフターピルを服用しましょう

アフターピルは、性行為後72〜120時間以内に服用することで、高い避妊率をもつ緊急避妊薬です。避妊に失敗した際や十分な避妊ができなかった場合は、今すぐにアフターピルを服用しましょう。

日本で主に使用されているアフターピルには、72時間有効のレボノルゲストレルと、120時間有効のエラ(ウリプリスタル酢酸エステル)系統の2種類があります。

系統性行為後24時間以内の避妊率性行為後72時間以内の避妊率性行為後120時間以内の避妊率
レボノルゲストレル95%85%60%
エラ99%99%98.9%

エラ系統のほうが有効時間も避妊率も上回っていますが、価格がレボノルゲストレルのおよそ2倍となっています。

アフターピルを効果は時間とともに低下するため、今すぐの避妊が必要な方は、なるべく早く服用するようにしましょう。

緊急アフピルであれば、避妊専門の医師が常に在籍しており、24時間365日待ち時間なしで無料相談が可能で、国内で承認されているアフターピルを8,800円(税込)〜販売しております。心配な方やアフターピルの購入を迷われている方は、お気軽にご相談ください。

低用量ピルの避妊に関するよくある質問

低用量ピルの避妊に関するよくある質問をまとめました。

避妊目的で低用量ピルを処方してもらうことは可能ですか?

はい、避妊目的で低用量ピルを処方してもらうことは可能です。

低用量ピルは約99.7〜99.9%と非常に高い避妊効果を持つため、避妊方法としては有効な選択肢となります。ただし、喫煙者や血栓症のリスクが高い方など、低用量ピルの使用に適さない場合もあるため、まずは医師と相談してみてください。

低用量ピルとアフターピルの併用は可能ですか?

低用量ピルとアフターピルの併用は可能です。

通常はアフターピルと併用する必要はありませんが、飲み忘れなどで避妊に不安がある場合や中出しがあった場合は利用を検討してみてください。

アフターピル服用後は、翌日から低用量ピルの服用を再開できますが、医師からの指示がある場合はそちらに従いましょう。

低用量ピルはどこで買えますか?

低用量ピルは医療用医薬品であるため、一般の薬局やドラッグストアでは購入できません。

入手するには、婦人科や産婦人科、内科などの医療機関を受診するか、オンライン診療で処方して貰う必要があります。

低用量ピルを継続服用するには定期的な通院が必要になるため、忙しい方や通院が面倒に感じる方は、時間や場所に制約がないオンライン診療がおすすめです。

海外からの個人輸入や通販での購入は、偽薬のリスクや副作用の管理が難しいため控えてください。

参考:厚生労働省「医薬品等の個人輸入は健康被害などの危険性があります」

まとめ

低用量ピルは、正しく服用すれば約99%の高い避妊効果を持つ避妊方法です。避妊以外にも月経痛の軽減やPMSの改善など、様々な効果があります。

毎日同じ時間に服用し、生理開始から5日以内に服用を開始することが重要です。副作用として悪心や頭痛などがありますが、多くは3ヶ月程度で改善されます。

緊急で避妊の必要がある場合は、アフターピルの服用を検討しましょう。72〜120時間以内の服用で高い効果が期待できます。

個人の状況や希望に応じて適切な避妊方法を選択し、疑問や不安がある場合は医師に相談することが大切です。

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