40代後半は更年期に近づくにつれて、ホルモンバランスが大きく変化する時期です。「最近、生理痛がひどくなった気がする…」と感じる場合は、更年期や婦人科疾患が原因となっているかもしれません。
この記事では、40代後半で生理痛がひどくなる主な3つの原因を解説します。また、痛みを和らげるための具体的な対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
40代後半になると閉経に向けて生理に変化が現れ始める

引用:厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト:女性ホルモンとは」
女性はライフステージによってかかりやすい病気が異なります。思春期(12歳〜)から性成熟期(40代後半)にかけては、月経や女性ホルモンの分泌が多いことによる病気や症状が多いですが、更年期(50代)になると、女性ホルモンの減少による症状が多くなります。
40代後半は、閉経に向けて生理に様々な変化が現れ始め、卵巣機能が低下し始める時期です。そのため、月経周期が28日周期から変化したり、経血量が以前より増えたり減ったりと、変動が大きくなります。
これまで生理痛が軽かったのに、急にひどくなった場合や、痛み方が変わった場合は注意が必要です。40代後半で生理痛がひどくなるのは、加齢による変化だけが原因とは限りません。
40代後半で生理痛がひどくなった!考えられる3つの原因
40代後半になり、生理痛がひどくなった、あるいは生理痛の症状が変わってきたと感じたら、何が原因なのかを知ることが大切です。ここでは、40代後半で生理痛が悪化する原因を3つご紹介します。
原因1|ストレスや生活習慣の乱れ
40代後半は仕事や家庭での責任が大きくなり、ストレスを感じやすい時期です。ストレスは自律神経のバランスに大きく影響を与えます。自律神経が乱れると、血行不良や筋肉の緊張が起こり、生理痛が悪化する原因になるため注意が必要です。
また、睡眠不足や偏った食生活、運動不足も、体の回復力を低下させ、生理痛を重くする一因となります。
「最近はあまり健康的な生活が送れていないかも?」と感じたら、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。
原因2|更年期に伴うホルモンバランスの乱れ
40代後半は更年期に差し掛かる時期でもあり、ホルモンバランスが大きく変化します。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が減少することで、生理周期が乱れたり、経血量が増減したりすることがあります。
こうしたホルモンバランスの乱れが、生理痛の悪化につながるケースも少なくありません。更年期症状(ホットフラッシュ、のぼせ、発汗など)と同時に生理痛がひどくなった場合は、更年期の影響を受けている可能性が高いといえます。
原因3|婦人科疾患の可能性
子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患が、生理痛の原因となることがあります。これらの疾患は40代でも多く見られ、生理痛以外にも、月経過多や不正出血などの症状が現れることもあるため、注意しましょう。
生理の量が異常に多かったり、生理期間が長引いたりする場合は、婦人科疾患が隠れている可能性があります。生理痛がひどい場合に考えられる婦人科疾患は以下のとおりです。
病名 | 主な症状 |
---|---|
子宮内膜症 | 激しい生理痛、性交痛、排便痛 |
子宮腺筋症 | 強い生理痛、過多月経、月経期間の延長 |
子宮筋腫 | 生理痛、過多月経、不正出血 |
子宮頸管狭窄症 | 強い生理痛、月経困難症 |
骨盤炎症性疾患 | 生理痛の悪化、下腹部痛、おりものの異常 |
上記は一般的な症状であり、必ずしもすべての患者さんに当てはまるわけではありません。
生理痛が以前より明らかにひどくなった、あるいは痛みの性質が変わった場合も注意が必要です。少しでも異変がある場合は我慢せず、早めに婦人科を受診しましょう。
40代で生理痛がひどいときの対処法4選
ここでは、生理痛がひどいときの対処法を4つ紹介します。
対処法1|鎮痛剤で一時的に痛みを抑える
市販の鎮痛剤は、生理痛の痛みを一時的に抑えるのに効果的です。イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの成分が含まれた鎮痛剤は、痛みや炎症を抑える作用があります。
ただし、鎮痛剤はあくまで対症療法なので、根本的な解決にはなりません。また、常用すると胃腸への負担がかかる場合もあるので、用法・用量を守って服用するようにしてください。
対処法2|漢方による体質改善

漢方薬は、体質から生理痛を改善したい方におすすめです。漢方では、生理痛の原因を「冷え」や「血行不良」と捉えることが多く、これらの症状を改善する生薬が配合されています。
体質に合った漢方薬を服用することで、生理痛の緩和だけでなく、更年期症状の改善にも繋がることがあります。市販でも購入できますが、より自分にあった漢方薬を選ぶために、漢方医や薬剤師に相談するのがおすすめです。
対処法3|低用量ピルでホルモンバランスを整える

低用量ピルは、ホルモンバランスを整えることで生理痛を軽減する効果が期待できます。ピルを服用することで、排卵が抑制され、子宮内膜の増殖も抑えられるため、生理痛の原因となるプロスタグランジンを減少させることが可能です。
しかし40代後半になると、年齢的にも血栓症のリスクがわずかに高まる可能性があるため、医師との相談が必要です。また、喫煙習慣のある方や、血栓症の既往歴のある方は、服用できない場合があります。
対処法4|更年期ならホルモン補充療法
更年期に差し掛かると、ホルモンバランスの乱れがより顕著になり、生理痛が悪化することがあります。ホルモン補充療法は、減少したエストロゲンを補充することで、更年期症状や生理痛を改善する方法です。
ただし、ホルモン補充療法にも副作用があるため、医師の診察を受けて適切な治療を受けることが重要です。治療を受ける前に、医師と治療のメリット・デメリットについてよく話し合い、検討を重ねるようにしましょう。
40代後半で動けないほど生理痛がひどいなら婦人科へ
40代後半で生理痛がひどくなった、あるいは以前より悪化した場合は、自己判断せずに、早めに婦人科を受診することが大切です。
特に、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合、出血量が多い、生理期間が異常に長い、などの症状がある場合は、すぐに受診しましょう。
早期発見、早期治療が大切です。婦人科で適切な検査と治療を受けることで、痛みを軽減し、快適な生活を送ることができるようになります。
まとめ
40代後半で生理痛がひどくなる原因は、主に3つ考えられます。1つ目は、ストレスや生活習慣の乱れによるものです。2つ目は、更年期に伴うホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。そして3つ目は、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患が隠れている可能性も否定できません。
40代から閉経にかけては、生理周期や経血量、生理痛の程度などに変化が見られる時期です。生理痛がひどいときの対処法としては、鎮痛剤で一時的に痛みを抑えたり、漢方で体質改善を図ったりする方法があります。
また、低用量ピルでホルモンバランスを整えることも効果的ですが、血栓症のリスクが上がるため、処方が難しい場合もあります。更年期であれば、ホルモン補充療法も選択肢の一つです。
40代後半で、以前よりも生理痛がひどくなったと感じる場合、特に動けないほどつらい場合は、我慢せずに婦人科を受診しましょう。適切な検査と治療を受けることで、症状の改善が期待できます。