
ファボワール (マーベロンのジェネリック医薬品) | |
有効成分 | デソゲスレル(黄体ホルモン) エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン) |
引用元:医薬品医療機器総合機構「ファボワール錠28」
ファボワールは、経口避妊薬である低用量ピルの一種です。主に排卵を抑制することで妊娠を防ぎます。また、ホルモンバランスを整えることで、生理痛の緩和やニキビの改善にも効果が期待できます。
マーベロンのジェネリック医薬品であり、先発品と同様の有効成分を含みます。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品と同様の有効成分を含み、効果や安全性が同等であると認められた医薬品です。そのため、先発医薬品に比べて経済的な負担を抑えることができます。
ファボワールを正しく服用した場合の避妊率は99.7%
避妊法 | 避妊失敗率 | |
---|---|---|
理想的な使用注1) | 一般的な使用注2) | |
避妊しない | 46.0% | 46.0% |
緊急避妊法 | 5.1% | 5.1% |
コンドーム | 2.0% | 18.0% |
オギノ式避妊法 | 5.0% | 24.0% |
基礎体温法 | 5.0% | 24.0% |
腟外射精法 | 4.0% | 22.0% |
OC | 0.3% | 9.0% |
IUS | 0.2% | 0.2% |
IUD | 0.6% | 0.8% |
注2) 一般的な使用を想定した避妊失敗率:選んだ避妊法を使用しているにもかかわらず妊娠してしまう確率
ファボワールは低用量ピル(OC)の一種であり、正しく服用した場合の避妊率は99.7%(パール指数0.3)とされています。これは、100人の女性が1年間使用した場合に妊娠する可能性が0.3人という非常に低い確率を示しています。
ただし、この避妊率は毎日同じ時間に飲み忘れなく服用した場合に達成されるもので、飲み忘れや嘔吐・下痢などで薬が十分に吸収されない場合、避妊効果が低下する可能性があるため注意が必要です。
開始1年間の一般的な使用状況では失敗率は9%と報告されているため、実際のところは90%以上と覚えておくと良いでしょう。飲み忘れを防ぐためには、アラーム機能などを活用して服用を習慣化する必要があります。
参考:GenomeNet「医療用医薬品:ファボワール」
ファボワールを服用する前に知っておくべきこと
ここでは、ファボワールを服用できない方や注意が必要な方についてと、他の薬剤との相互作用について紹介します。服用前に該当してないか確認しておきましょう。
ファボワールを服用できない方(禁忌)
・過去にファボワールに含まれる成分で過敏症のあった方
・乳がんや子宮内膜がん、子宮頸がんのある方
・原因不明の性器出血がある方
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患のある人、またはその既往がある方
・前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の方
・高血圧の方
・脂質異常症のある方
・4週間以内に手術を予定している方、長期間安静状態の方
・35歳以上で1日15本以上喫煙する方
・妊婦または妊娠中、産後4週間以内の方、授乳中の方
・骨成長が終了していない可能性がある方(身長が伸びている方)
ファボワールの服用に注意が必要な方
次の方は、処方を受ける前に医師に相談してください。
・合併症、既往歴等のある方
・40歳以上の方
・乳がんの既往、家族歴、または乳房にしこりがある方
・子宮筋腫のある方
・喫煙者(ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者は投与禁忌)
・肥満の方
・血栓症の家族歴がある方
・前兆を伴わない片頭痛がある方
・てんかんのある方
・軽度の高血圧がある方
・腎機能障害やその既往歴がある方
・肝障害のある方(重篤な肝障害の場合は投与しないこと)
ファボワールと他の薬剤との相互作用
併用することでファボワールの効き目が増減したり、併用薬の効き目にも影響が出る薬は多くあります。そのため、処方してもらう際には医師に内服中の薬や漢方、サプリメントがある場合は特に注意が必要な薬を紹介します。
抗てんかん治療薬 | プリミドン、フェノバルビタール、フェニトインなど |
結核治療薬 | リファンピシン、リファブチンなど |
HIV治療薬 | リトナビル、エファビレンツ、ネビラピンなど |
セイヨウオトギリソウ | サプリメントやハーブティーなど |
ファボワールの料金目安は2,500〜3,000円程度
ファボワールは、避妊を目的とした服用には保険適用されません。ただし、月経困難症や子宮内膜症などの症状の緩和を目的として医師が処方した場合には、保険適用が可能です。
薬品名 | 価格目安(1シート) |
---|---|
ファボワール (ジェネリック医薬品) | 2,500〜3,000円程度 |
マーベロン (先発品) | 3,500円〜4,000円程度 |
避妊目的の場合は自由診療となるため、クリニックによって料金が異なります。目安として、ジェネリック医薬品のファボワールは、先発品のマーベロンよりも1,000円程度安く処方してもらうことが可能です。
ミライメディカルクリニックでは、ファボワール28を1シート2,618円〜処方しています。
21と28の種類別!ファボワールの正しい飲み方を解説
ファボワールには21錠タイプと28錠タイプがあり、それぞれ飲み方が異なります。ここでは、ファボワール21とファボワール28の正しい飲み方を紹介します。
ファボワール21の正しい飲み方

ファボワール21は、21日間連続で服用し、その後7日間の休薬期間を設けるタイプのピルです。具体的な飲み方は以下の通りです。
ファボワール21 | |
1シートの錠数 | 21錠 |
飲む順序 | 白色錠のみ |
服用期間 | 21日間連続 |
休薬期間 | 7日間 |
次のシート | 7日間の休薬後、29日目から再開 |
生理初日から服用を開始し、21日間毎日1錠ずつ決まった時間に服用します。21錠すべて服用し終わったら、7日間休薬してください。(休薬期間中に生理がきます。)
7日間の休薬期間が終わったら、次のシートのファボワール21を服用し始めます。生理がまだ終わっていなくても、次のシートの服用を開始してください。
ファボワール28の正しい飲み方

ファボワール28は、28日間連続で服用するタイプのピルです。休薬期間がないため、飲み忘れのリスクが低くなります。具体的な飲み方は以下の通りです。
ファボワール28 | |
1シートの錠数 | 28錠 |
飲む順序 | 白色錠21錠→緑色錠7錠(プラセボ) |
服用期間 | 28日間連続 |
休薬期間 | なし(プラセボ錠を7日間服用) |
次のシート | 29日目から新しいシートを開始 |
生理初日から服用を開始し、28日間毎日1錠ずつ、決まった時間に服用します。28錠すべて服用し終わったら、次のシートのファボワール28をすぐに服用し始めてください。
偽薬を服用している期間に生理がくる場合がほとんどです。7日間が経過したら、生理がまだ終わっていなくても、次のシートの服用を開始してください。
参考:医薬品医療機器総合機構「ファボワール錠28」
ファボワール21錠とファボワール28錠は効果に差はありません。21錠タイプには28錠タイプより価格が抑えられるメリット、28錠タイプは飲み忘れを防ぎやすいというメリットがあります。
ファボワールの副作用
比較的よく見られる副作用として、頭痛、吐き気、乳房の痛み、不正性器出血などがあります(※頻度は文献や個人差によって異なります)。
重大な副作用として極めて稀に「血栓症(血管内に血のかたまりができて詰まる病気)」があります。
血栓症はピルの内服をしていない人でも血栓症は10万人あたり5人の割合で発症するといわれます。低用量ピル内服時は、リスクは3~5倍まで増加するといわれています。
肺や脳に血栓が詰まると重篤な障害が起こるため、下記の症状が現れた場合は直ちに内服を中止して、医療機関を受診しましょう。
・手足:痛み、腫れ、ふくらはぎのだるさ、脱力・しびれ
・胸:突然の息切れ
・頭:頭痛、めまい
・口:舌のもつれ、しゃべりにくい
・目:突然の視力低下、目のかすみ
参考:低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)平成17年12月 日本産科婦人科学会編
ファボワールを飲み忘れた場合の対処法
ファボワールの飲み忘れは、避妊効果に影響する可能性があります。飲み忘れた場合の正しい対処法を理解しておきましょう。
参考:富士製薬工業株式会社「ファボワール|服用時の注意点」
白色錠(有効成分あり)を1日だけ飲み忘れた場合
飲み忘れに気づいた時点ですぐに飲み忘れた1錠を服用してください。そして、その日の通常分も予定通りの時間に服用します。つまり、その日は合計で2錠を服用することになります。
翌日からは通常どおり1日1錠の服用を続けましょう。次の生理が来るまでは、念のため追加の避妊法としてコンドームなどの併用をおすすめします。
白色錠を2日以上連続して飲み忘れた場合
2日以上連続して飲み忘れると避妊効果が大きく低下します。この場合はすぐに服用を中止し、次の月経を待って新しいシートから服用を再開してください。
次の生理が来るまでの期間は必ず他の避妊法を使用しましょう。性行為があった場合はアフターピル(緊急避妊薬)の使用も検討した方がよいでしょう。
ファボワール28の緑色錠(プラセボ錠)を飲み忘れた場合
ファボワール28に含まれる緑色の錠剤はプラセボ錠で有効成分が含まれていません。そのため、これらを飲み忘れた場合は、避妊効果への影響はありません。
飲み忘れた緑色錠は飲まなくてもよく、そのまま次の錠剤から通常通り服用を続けてください。
ファボワールを処方してもらうなら、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめ

低用量ピルは医師の処方が必要な医療用医薬品です。そのため、ファボワールを処方してもらうには、医師による診察が必要になります。
婦人科を受診するのが一般的ですが、忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが、オンライン診療のミライメディカルクリニックです。
自宅や職場など、インターネット環境があればどこからでも受診できるので、手軽にファボワールを処方してもらうことができます。
診察後はレターパックで郵送され、最短当日発送でファボワールを受け取ることが可能です。電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。ファボワールの服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
ファボワールに関するよくある質問
ファボワールに関するよくある質問とその回答を紹介します。
- ファボワールはいつから飲み始めればよい?
- ファボワールには21錠タイプと28錠タイプがありますが、どちらも同様に、月経の第1日目から飲み始めることが一般的です。しかし、飲み始めが遅れた場合には、妊娠する可能性が高まるため、最初の1週間は他の避妊法を併用する必要があります。
- 飲み忘れたらどうなる?リスクは?
- 飲み忘れた場合は、白色の錠剤の飲み忘れが1日であれば、気付いた時点で飲み忘れた1錠を直ちに飲み、さらに当日の分も通常どおりに飲んでください。(その日は2錠飲む)
2日以上連続して白い錠剤を飲み忘れた場合は、その時点で飲むのを中止し、次の月経を待って新しいシートから再び飲み始めてください。
なお、飲み忘れによって妊娠する可能性が高くなるので、次の生理が来るまではコンドームと併用するなど、他の避妊法を使用してください。
- 生理が止まったけど大丈夫?
- ファボワールの服用により、生理(消退出血)の量が減ったり、期間が短くなったり、または起こらなくなることがあります。これは、ファボワールの作用によるものであり、一般的には心配する必要はありません。
ただし、出血が全くない状態が続く場合や、何か気になる症状がある場合には、医師に相談することが大切です。
- ファボワールの避妊効果はいつから?
- 生理1日目から飲み始めるとその日から避妊効果があります。他のタイミングで飲み始めた場合は最低7日間飲み続けると避妊効果が得られます。
- 性感染症も予防できますか?
- いいえ、ファボワールはHIVを含む性感染症を予防することはできません。性感染症の予防にはコンドームを使用しましょう。
- 不正出血があっても大丈夫?
- 不正出血が起きることはあります。特に1〜3シート目の服用中や飲み忘れや飲み遅れがあると不正出血が起きやすくなります。気になる場合はおりものシートや軽い日用のナプキンの使用がおすすめです。出血量が多い場合や長期間続く場合は、医師に相談しましょう。
- ファボワールは太る?
- ファボワールの副作用で体重が増えるということはありません。ただ、副作用のむくみのせいで飲み始めの頃に1~2kgの体重変動がみられる場合があります。
- 長期間内服を継続しても大丈夫?
- 血栓症などのリスクがなければ、服用期間に制限はありません。病院やオンライン診療を定期受診しながら安全・安心に継続しましょう。
参考:くすりのしおり「ファボワール錠28」