超低用量ピルと低用量ピルの違いを徹底比較!避妊効果や副作用の違いについても解説

現代の女性のライフスタイルに合わせ、生理痛の緩和や避妊のためにピルの服用を検討している人が増えています。しかし、超低用量ピルと低用量ピルの違いが分からないという方も多いはず。

この記事では、超低用量ピルと低用量ピルの違いを徹底比較し、最適なピルの選び方を紹介します。含有ホルモン量の違い、主な使用目的、副作用リスクの比較など、重要なポイントについても、分かりやすく解説していきます。

どちらの処方を希望するかを判断する材料として、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

ひと目でわかる!超低用量ピルと低用量ピルの違い

超低用量ピルと低用量ピルの違いがひと目でわかるよう表でまとめました。

超低用量ピル低用量ピル
エストロゲン含有量30μg未満(通常20μg程度)30~50μg程度
主な用途月経困難症、子宮内膜症の治療避妊、月経困難症の治療
避妊効果避妊目的での使用は認められていない高い(正しい服用で約99%以上)
副作用のリスク低用量ピルよりもさらに低い比較的低い
保険適用月経困難症や子宮内膜症治療で可能避妊目的では適用外
代表的な製品ヤーズ、ルナベルULD、ジェミーナなどトリキュラー、マーベロン、アンジュなど

超低用量ピルは低用量ピルよりもエストロゲン含有量が少なく、副作用のリスクがさらに低いことがわかります。治療目的で処方されることがほとんどのため、保険適用となるのも特徴です。

一方で、低用量ピルは避妊効果が高く、より幅広い用途で使用されています。避妊目的での処方は保険適用外となりますが、正しい服用をすれば約99%以上の避妊効果が期待できます。

参考:日本産婦人科学会「低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)

超低用量ピルと低用量ピルの効果を比較

超低用量ピルと低用量ピルの効果にはどのような違いがあるのでしょうか。

生理痛緩和効果|両者とも高い効果

超低用量ピルと低用量ピルのどちらにも、生理痛を和らげる効果があります。これは、ピルに含まれるホルモンによって、子宮内膜が薄くなり、生理痛の原因となるプロスタグランジンが抑えられるためです。

生理痛が重い方にとって、ピルは症状を軽減する有効な手段となり得ます。

避妊効果|低用量ピルがやや高い

避妊効果は、低用量ピルのほうがわずかに高い傾向にあります。

これは、低用量ピルの方がエストロゲン含有量が多いため、排卵を抑制する力が強いことに起因します。ただし、日本では超低用量ピルの避妊効果は認められていないため、避妊目的で服用するのは控えてください。

PMS改善効果|ヤーズ系(超低用量ピル)が特に高い

PMS(月経前症候群)の改善効果は、ヤーズやヤーズフレックスなどの、ドロスピレノンを含む「ヤーズ系」と呼ばれる超低用量ピルで特に期待できます。ドロスピレノンは、PMSの原因となるホルモンバランスの乱れを整える作用があるからです。

PMSに悩んでいる方は、ヤーズ系の超低用量ピルを検討してみるのも良いかもしれません。

超低用量ピルと低用量ピルの副作用を比較

超低用量ピルと低用量ピルの副作用にはどのような違いがあるのでしょうか。

血栓症リスク|超低用量ピルの方が低い傾向

超低用量ピルと低用量ピルの大きな違いの一つに、血栓症のリスクがあります。血栓症とは、血液中に血の塊(血栓)ができることで血管が詰まってしまう病気です。

エストロゲンは血栓症のリスクを高めることが知られており、エストロゲン含有量の少ない超低用量ピルの方が、低用量ピルよりも血栓症リスクが低い傾向にあります。

不正出血|超低用量ピルでやや多い傾向

超低用量ピルは、低用量ピルに比べて不正出血のリスクがやや高い傾向にあります。これは、エストロゲン含有量が少ないために子宮内膜が安定しにくいためだと考えられています。

不正出血は、ピルの服用開始後最初の数ヶ月間に多く見られますが、ほとんどの場合、服用を続けるうちに自然と治まります。

その他の一般的な副作用

超低用量ピルと低用量ピルには、血栓症や不正出血以外にも、吐き気、頭痛、乳房の張り、抑うつなどの副作用が起こる可能性があります。これらの副作用は、多くの場合軽度で、服用を続けるうちに治まることが多いです。

一般的には超低容量ピルのほうが副作用が少ないとされていますが、症状には個人差があるため、一概にどちらのピルの方が副作用が多いとは言い切れません。

超低用量ピルと低用量ピルどちらを選んだらいいの?

超低用量ピルと低用量ピルのどちらを選ぶべきか、自分に合ったピルを選ぶための基準を3つ紹介します。

選び方1|治療目的か避妊目的かで決める

超低用量ピルと低用量ピルの大きな違いの一つに、主な使用目的が挙げられます。

超低用量ピルは、主に月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として使用されることが多いです。一方、低用量ピルは、避妊を目的として使用されるほか、月経困難症の治療にも用いられます。

そのため、ピルの使用目的が治療なのか避妊なのかによって、どちらのピルを選ぶべきかが変わってきます。

選び方2|副作用を考慮して選ぶ

超低用量ピルと低用量ピルでは、含まれるエストロゲンの量が異なります。

エストロゲンは、血栓症などの副作用リスクを高める可能性があるため、副作用リスクを低く抑えたい場合は、エストロゲン量の少ない超低用量ピルを選ぶのも一つの方法です。

ただし、超低用量ピルは、低用量ピルに比べて不正出血のリスクがやや高い傾向にあるという点も考慮する必要があります。

選び方3|生活習慣や体質に合わせて医師と相談する

超低用量ピルと低用量ピルのどちらが適しているかは、個人の生活習慣や体質によっても異なります。

たとえば、喫煙習慣がある方や肥満の方などは、血栓症のリスクが高まる可能性があるため、超低用量ピルの方が適している場合があります。

また、ピルの服用によって、吐き気や頭痛、乳房の張りなどの副作用が現れる場合もあります。そのため、ピルを選ぶ際には、ご自身の生活習慣や体質などを考慮し、医師に相談することが大切です。

超低用量ピルと低用量ピルを処方してもらうならオンライン診療がおすすめ!

超低用量ピルと低用量ピルを処方してもらう方法として、婦人科での対面診療とオンライン診療が挙げられます。

オンライン診療は、自宅にいながらスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けることができ、忙しい方や近くに婦人科がない方にとって非常に便利な選択肢です。

診療の流れは、通常の婦人科での対面診療とほぼ同じです。医師が患者の既往歴、現在の健康状態、服用中の薬などについて詳しく聞き取りを行います。

そのうえで、低用量ピルまたは超低用量ピルのいずれかを選択し、処方してもらいます。ピルは郵送で自宅に届けられるため、薬局に行く手間も省くことが可能です。

ピルは継続的な服用が必要なため、定期的な通院が負担になることも多いですが、オンライン診療であれば、時間と場所の制約を大幅に軽減でき、プライバシーにも配慮された環境で診療を受けることが可能です。

参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について

まとめ

この記事では、超低用量ピルと低用量ピルの違いについて詳しく解説しました。超低用量ピルは主に月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられ、低用量ピルは避妊効果も期待できます。

効果面では、生理痛の緩和やPMSの改善に両者とも高い効果を示しますが、避妊効果は低用量ピルの方がやや高いといえます。副作用に関しては、超低用量ピルの方が血栓症のリスクが低い傾向にありますが、不正出血はやや多く見られます。

選び方としては、治療目的か避妊目的かを明確にし、副作用のリスクを考慮しつつ、自身の生活習慣や体質に合わせて医師と相談することが大切です。処方は、婦人科での対面診療やオンライン診療を利用することができます。

実際にどちらを処方してもらうかは医師の判断によりますが、どちらを希望するかを判断する材料として、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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