葛根湯エキス顆粒

葛根湯エキス顆粒とは

販売名ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 3.75gを含有する。日局 葛根(カッコン) 4.0g
日局 大棗 (タイソウ)3.0g
日局 麻黄 (マオウ)3.0g
日局 甘草(カンゾウ) 2.0g
日局 桂皮(ケイヒ) 2.0g
日局 芍薬 (シャクヤク)2.0g
日局 生姜 (ショウキョウ)2.0g

※引用:くすりのしおり「ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)」

風邪の初期症状や、緊張型頭痛、肩こりなどに対して用いられることがある漢方薬です。
ツムラの葛根湯は、生姜が入っているため、胃腸が弱い方にも向いています。

風邪だけじゃない。葛根湯の効果とは?

葛根湯は風邪のひき始めに使われる薬として、昔からよく知られる漢方薬のひとつです。
主な効果は次の4つです。

効果1:風邪の初期症状

特に、ゾクゾクと寒気がして、熱が出る前、汗がでない、首の後ろや肩がこわばる、といった風邪のひきはじめに効果的です。

効果2:頭痛

風邪に伴う頭痛や、肩や首のこりからくる頭痛に用いられます。

効果3:肩や首のこり

葛根湯の体を温める作用によって、肩や首の筋肉が緊張して固くなった状態を和らげます

効果4:鼻炎や鼻かぜ

鼻水や鼻づまりといった症状にも効果があります。特に水っぽい鼻水は体の冷えが原因とされているため、体を温めることで症状を和らげます。

葛根湯はなぜ効くのか?

葛根湯が体に作用する仕組みは、配合されている7つの生薬の相乗効果によるものです。

7つの生薬の作用については以下の表にまとめました。

作用生薬作用機序
発汗作用麻黄・桂皮体の表面を温めて、血行を促進し、汗腺を開かせることで発汗を促しますこれにより、体内にこもった熱や邪気を外に出し、熱や寒気、頭痛を和らげます。
鎮痛・鎮痙作用葛根・芍薬葛根は肩や首のこりをほぐし、筋肉の緊張を和らげます。
また、芍薬は、筋肉のけいれんを抑える働きがあり、これらが風邪に伴う頭痛や筋肉のこわばりを緩和します。
滋養・緩和作用甘草・大棗甘草と大棗は、他の生薬の作用を調和させ、胃腸を保護する働きがあります。これにより、発汗作用が強すぎることで起こる体の消耗を防ぎます。
温中散寒(おんちゅうさんかん)作用生姜 生姜は体を内側から温め、寒気を取り除く作用があります。

これらの生薬が組み合わさることで、体を内側から温めて発汗を促し風邪の症状緩和や筋肉の緊張を和らげて痛みや肩こりを改善するという、複合的な作用が期待できます。

葛根湯は、風邪の初期段階で服用することが特に推奨されます。

症状が進行して、すでに汗が出ている場合や、体力が著しく低下している場合は、別の漢方薬が適していることもあるため、医師や薬剤師に相談してからの服用をお勧めします。

葛根湯の服用が向いている人

葛根湯は、「風邪の初期症状(鼻や喉の違和感があったり、悪寒がするなど)で、汗をかいていない体力中等度以上の方」に内服が向いています。

風邪症状が長引き、体力が低下している方の内服には向いていません。

ツムラ葛根湯エキス顆粒の服用方法

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与 します。

1包2.5gなので、1日2~3包内服します。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減するため、医師の指示のもと内服しましょう。

※※参考:くすりのしおり「ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)」

葛根湯を服用する際に併用注意の薬剤

葛根湯には近畿はありませんが、併用注意の薬物があります。

1.交感神経刺激作用が増強する薬

次の薬剤は併用により交感神経刺激作用が働き、不眠・発汗過多・頻脈・動悸・全身脱力感・精神興奮等があらわれやすくなるので、併用する場合は医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。

・麻黄含有製剤
例:麻黄湯、小青竜湯 など

・エフェドリン類含有製剤
例:フェキソフェナジン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩 など

・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
例:セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩 など

・甲状腺製剤
例:チロキシン、リオチロニンなど

・カテコールアミン製剤
例:アドレナリン、イソプレナリン など

・キサンチン系製剤
例:テオフィリン、ジプロフィチンなど

2.血清カリウム値の低下を促進する薬

次の薬剤は併用により、血清カリウム値低下を促進する可能性があるため、併用する場合は医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。

・甘草含有製剤
例:芍薬甘草湯 補中益気湯 抑肝散 等

・グリチルリチン酸及びその塩類を含有する薬
例:グリチルリチン酸一アンモニウ ム・グリシン・L-システイン 
  グリチルリチン酸一アンモニウ ム・グリシン・DL-メチオニン 配合錠 等

葛根湯の副作用

重大な副作用としては、次の3つがあります。

偽アルドステロン症(頻度不明)

血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、血圧上昇やカリウム喪失などの症状が見られます。

初期症状として手足のだるさ、こわばり、むくみが挙げられるため、異常がある場合は投与を中止し、速やかに医師に相談しましょう。

ミオパチー(頻度不明)

低カリウム血症の結果として、ミオパチー(筋肉に異常が起き、筋力低下や機能障害を引き起こす病気の総称)が現れる可能性があります。

四肢の痙れんや脱力感、麻痺などの異常がみられた場合は投与を中止し、速やかに医師に相談しましょう。

肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

肝機能に障害がでると、AST・ALT・AI-P、γ-GTPなどが著しく上昇します。

黄疸も肝機能障害の症状としてみられることがあるため、異常がみられた場合は投与を中止し、速やかに医師に相談しましょう。

その他の副作用

頻度不明
過敏症発疹、発赤、掻痒感
自律神経系不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮 等
消化器食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐 等
泌尿器排尿障害 等

葛根湯を処方してもらうなら、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめ!

葛根湯は市販薬でも購入できますが、症状等によっては処方すべき薬が異なるケースがあります。また、同じ名前の漢方でも、配合されている生薬が違うこともあります。
症状や体質によって適切な漢方は異なるため、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。

忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。

通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります。
インターネット環境があれば、ご自宅などから医師の診察を受けることが可能で、葛根湯の処方についても相談できます。

診察後はネコポス、もしくは宅急便コンパクトで郵送され、最短当日発送で内服薬を受け取ることが可能です。
電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。

また、ミライメディカルクリニックでは、葛根湯以外にもさまざまな漢方薬を処方しています。医師に相談しながら、ご自身の症状や体質に合った漢方薬を見つけることができます。

漢方の服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

※参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について

葛根湯エキス顆粒に関するよくある質問

葛根湯エキス顆粒に関するよくある質問とその回答を紹介します。

Q:葛根湯の効果を感じるまでの期間はどれくらい?

A:葛根湯の効果を感じるまでの時間は、体質や症状、服用量などによって個人差があります。

風邪の初期症状に効果が期待できる漢方のため、2~3日服用しても症状が改善しない場合は、体質や風邪のタイプに合っていない可能性があります。改善が見られない場合は、医師や薬剤師に相談してください。

Q:葛根湯は風邪の予防にも効果がありますか?

A:葛根湯は、一般的に風邪の予防目的ではなく、風邪の初期症状が現れた際に使用される漢方薬です。

 風邪のひきはじめなど、症状が出たときに使うのが一般的です。

Q:葛根湯とロキソニンは一緒に服用しても良いですか?

A:併用禁忌ではありませんが、葛根湯は体を温めて、発汗させることで症状を緩和しますが、ロキソニンは熱を下げる効果があります。

併用するとお互いの作用を打ち消し合う可能性があるので、併用禁忌ではありませんが、薬の作用が異なるため、併用の可否については医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

Q:葛根湯は妊娠中に飲んでも大丈夫?

A:妊娠中または妊娠の可能性がある方には使用が推奨されていません。

妊娠中または妊娠の可能性がある方は、自己判断での使用は厳禁です。必ず医師に相談してください。

Q:葛根湯は授乳中に飲んでも大丈夫?

授乳中の方にも使用が推奨されていません。

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