クラミジアは再発しない?再感染の主な原因や対策も解説

クラミジアは最も一般的な性感染症の一つですが、感染しても自覚症状が現れにくく、気付かないうちに重症化したりパートナーに感染させたりするリスクがあります。また、「一度治療して完治したから大丈夫」と安心してしまい、再感染してしまうケースも少なくありません。

この記事では、クラミジアの再発と再感染の違い、主な感染原因、そして予防方法について詳しく解説していきます。また、検査方法の選択肢についても紹介しますので、自身の状況に合わせた適切な対応方法を見つける参考にしてください。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

クラミジアは再発しない?再感染との違いを解説

クラミジアは、「クラミジア・トラコマチス」という細菌によって引き起こされる性感染症です。性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)による感染が主な経路で、性器クラミジア感染症とも呼ばれます。

自覚症状が現れないことが多く、無症状のまま気が付かないうちにパートナーに感染させてしまう可能性があります。

クラミジアは完治すれば再発することはありません。ただし、「再感染」には注意が必要です。これは、一度感染しても免疫がつかないため、再び感染する可能性があるということです。そのため、完治後も安心せず、予防策を継続することが重要です。

クラミジアは性感染症の中でも感染率が高いので、パートナーが未治療のまま性行為を再開すると、パートナー間で感染が繰り返される「ピンポン感染」の状態となるリスクがあります。

クラミジアが再発・再感染する主な原因と予防方法

クラミジアは一度完治すれば再発することはありません。しかし、治療を中断してしまった場合は再発したり、パートナーや新しいパートナーとの再感染のリスクはあります。

原因1|治療を中断してしまった

クラミジアは、抗生物質で治療しますが、処方された薬を最後まで飲み切らずに治療を中断してしまうと、体内にクラミジアが残ってしまう可能性があります。

この場合は「完治する前に治療をやめた」ということになるので、症状が再発する原因となることがあります。症状がなくなった後も、医師の指示に従い、最後まで薬を服用しましょう。 自己判断で治療を中断せず、完治を確認することが大切です。

原因2|パートナーが治療を受けていなかった

クラミジアは性感染症のため、パートナーが感染している場合、治療を受けていなければ、性行為によって再び感染してしまう可能性があります

再感染のリスクを減らすにはパートナーと同時に治療を受けることが大切です。自分が感染していることに気づいた場合は、パートナーにも検査と治療を受けてもらうように伝えましょう。治療が完了するまでは、性行為を控えることが大切です。

原因3|新しいパートナーからの感染

クラミジアは一度感染しても免疫がつかないため、治療が完了して一度は完治したとしても、新しいパートナーからクラミジアに感染する可能性があります。

コンドームを正しく使用し、不特定多数との性行為は避けましょう。また、新しいパートナーと性行為を持つ場合は、お互いに検査を受けることも大切です。定期的な検査は、早期発見・早期治療につながり、再感染の防止にも役立ちます。

どこで検査を受けるべき?3つの選択肢

クラミジアの検査は、産婦人科や泌尿器科、性感染症専門クリニックなどで受けることができます。以下に3つの検査方法の比較を記載するので、メリット・デメリットを確認しながら最適な方法を選択するようにしましょう。

検査方法メリットデメリット
クリニック
・医師の診察が同時に受けられる
・幅広い種類の検査に対応
・即日治療が可能
・保険証が必要な場合あり
・費用負担あり
・予約が必要な場合あり
保健所・匿名で検査可能無料で受診可能
・予約不要の場合あり
・検査種類が限定的
・結果判明まで時間がかかる
・検査日時が限定的
検査キット・自宅で検査可能プライバシーが保護される
・全国どこからでも利用可能
・検査キット代が必要
・結果判明まで時間がかかる
・医師への相談が困難

クリニックは、泌尿器科・婦人科・皮膚科などが挙げられます。

検査キットが市販されていることもありますが、できればすぐに治療を開始できる医療機関での検査をおすすめします。医療機関では、適切な検査方法を選択し、正確な結果に基づいた治療を受けることが可能です。

検査方法は、尿検査、子宮頸管部の細胞を採取する検査などがあります。医師の指示に従って検査を受けてください。検査結果が陽性だった場合は、医師の指示に従って治療を行いましょう。

まとめ

クラミジアは完治すれば再発することはありませんが、一度感染しても免疫がつかないため、新たな感染(再感染)の可能性は残ります。特に治療を中断してしまった場合や、パートナーが未治療のまま性行為を再開した場合、また新しいパートナーとの関係で感染するリスクがあります。

予防には、処方された薬を最後まで服用すること、パートナーと同時に治療を受けること、そして新しい関係では必ずコンドームを使用することが重要です。

検査は医療機関、保健所、自宅検査キットなど複数の選択肢がありますが、即日治療が可能な医療機関での受診が推奨されます。自覚症状がなくても感染している可能性があるため、心当たりがある場合は早めに検査を受け、必要に応じて適切な治療を開始することが、自身とパートナーの健康を守るために大切です。

クラミジアは放置すると、女性の場合は不妊症や子宮外妊娠などのリスクを高めます。男性も精巣上体炎などを引き起こす可能性があるため、早期治療が重要です。

少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診するようにしましょう。感染していた場合は自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従うことが、再発を防ぐために大切です。

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