温経湯エキス顆粒

温経湯エキス顆粒(うんけいとう)とは

販売名ツムラ温経湯エキス顆粒(医療用)
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 5.0gを含有する。 

日局 麦門冬(バクモンドウ) 4.0g  
日局 半夏(ハンゲ) 4.0g 日局 当帰(トウキ) 3.0g     日局 甘草(カンゾウ) 2.0g.  日局 桂皮(ケイヒ) 2.0g     日局 芍薬(シャクヤク)2.0g. 阿膠(アキョウ) 2.0g
日局 川芎(センキュウ)  2.0g    
日局 人参(ニンジン) 2.0g 
日局 牡丹皮(ボタンピ) 2.0g
日局 呉茱萸(ゴシュユ)1.0g
日局 生姜(ショウキョウ) 1.0g      

※引用:くすりのしおり「ツムラ温経湯エキス顆粒(医療用)

温経湯(うんけいとう)は、体の冷えを内側から温めて改善し、血流の改善により、冷えなどの体質的な不調にアプローチし、自律神経のバランス改善が期待できる漢方薬です。

足腰の冷えを改善したり、女性ホルモンの乱れからくる月経不順や月経困難、妊娠しやすい体作りをサポートする目的で、補助的に用いられることがあります。

温経湯に期待できる主な効果5つ

温経湯が血流改善効果を期待できるのは、次の5つの生薬が含まれているからです。

<温経湯に含まれる主な血流改善生薬>

当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ) 、桂皮(ケイヒ)、牡丹皮(ボタンピ)

温経湯の血流改善効果により、以下のような身体の不調に効果が期待できます。

温経湯の効果1:月経不順や月経困難症(生理痛)を改善する

月経不順や生理痛の多くは、子宮を含む下半身の冷えが原因で、血行が悪くなっている状態(瘀血)から引き起こされます。

温経湯に含まれる桂皮(ケイヒ)や呉茱萸(ゴシュユ)には、身体の深部からじんわりと温めてくれる効果や痛みを和らげてくれる効果が期待できます。

また、血流改善効果により生理痛の原因となる物質が滞りにくくなり、生理痛が抑えられたり、出血過多を防ぐ効果が期待できます。

温経湯の効果2:不妊治療の補助的役割

漢方では、子宮や卵巣の冷えが不妊の一因と考えます。
体が冷えると血行が悪くなり、子宮内膜が十分に厚くならなかったり、卵子の質に影響が出たりすると言われます。

温経湯は不妊そのものを直接治す薬ではありませんが、妊娠の鍵を握る「冷え」と「血(けつ)」の根本的な改善をサポートすることで、不妊治療を強力に後押しする役割が期待されています。

温経湯の身体を内側から温め、血流を改善する効果により、子宮内膜の状態を整える働きが期待されます。

温経湯の効果3:更年期症状の緩和

更年期障害の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少です。
温経湯は、このホルモンバランスの乱れによって引き起こされる特有の症状(更年期症状)に効果を発揮します。

イライラや不安、不眠などの精神的な不調といった改善の他に、「冷えのぼせ」という更年期症状特有の症状にも効果が期待できます。
これは、手足は冷たいのに顔や体がカーッと熱くなる、更年期によく見られる症状です。

温経湯は、血行を良くして体の「冷え」を取り除きながら、のぼせの原因となる熱を鎮める生薬も含まれています。これにより、体全体のバランスを整え、つらい症状を緩和します。

温経湯は、更年期のつらい症状を一時的に抑えるだけでなく、体質そのものに働きかけるため、長期的な効果が期待できます。

温経湯の効果4:自律神経を安定させる

温経湯の血流改善効果により体全体を温め、自律神経の安定効果が期待できます。また、体を温める作用で、冷えからくる心身の緊張を和らげ、リラックスを促します

また、温経湯には、桂皮(ケイヒ)や川芎(センキュウ)といった、滞った気の流れをスムーズにする生薬も含まれています。これらの生薬は、体を温めながら気の巡りを良くすることで、気持ちを落ち着かせてくれるような効果が期待できます。

温経湯の効果5:肌状態の改善をサポート

温経湯の血流改善作用により、肌のターンオーバーを促進することで古い角質の除去や毛穴つまりの改善につながります。
また、女性ホルモンのバランスを整える作用が期待できるため、肌のバリア機能が改善され肌トラブルが改善されます。

ニキビは肌の表面的な問題と思われがちですが、漢方では体内の不調が肌に現れたものと考えるため、温経湯が治療薬に選ばれることがあります。

温経湯の服用が向いている人

温経湯の服用が向いている人を一言でいうと、「体力や血が不足していて、体が冷えているために血の巡りが悪くなっている人」です。
注意として、温経湯は温める漢方薬のため、熱感の強い方には向いていません。

向いている→体力が弱っている、冷え性(特に手足やお腹)、貧血気味、やや瘀血体質

向いていない→元気がある、暑がり、瘀血が強い時

「瘀血(おけつ)」:血の巡りが滞っている状態です。生理痛が重い、生理不順、肩こり、シミやクマができやすいといった症状として現れます。

温経湯には、瘀血に対応した生薬は入っていますが、多くはありません。瘀血が強い場合、桂枝茯苓丸など別の漢方が適しています。

温経湯の服用方法

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与 します。

1包2.5gなので、1日2~3包内服します。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減するため、医師の指示のもと内服しましょう。

温経湯の副作用

温経湯は頻度は不明ですが、まれに副作用が発生する可能性があります。

頻度不明
過敏症発疹、発赤、掻痒、蕁麻疹 等
消化器食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢 等

胃腸が弱い方は消化器症状に注意しましょう。

また、まれな副作用に「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」があります。
浮腫や脱力感、手足のしびれを感じた場合は、速やかに医師に相談しましょう。

※引用:くすりのしおり「ツムラ温経湯エキス顆粒(医療用)

温経湯を処方してもらうなら、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめ!

温経湯は市販薬でも購入できますが、症状等によっては処方すべき薬が異なるケースがあります。また、同じ名前の漢方でも、配合されている生薬が違うこともあります。

症状や体質によって適切な漢方は異なるため、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。

忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。

通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります。

インターネット環境があれば、ご自宅などから医師の診察を受けることが可能で、温経湯の処方についても相談できます。

診察後はネコポス、もしくは宅急便コンパクトで郵送され、最短当日発送で内服薬を受け取ることが可能です。

電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。

また、ミライメディカルクリニックでは、温経湯以外にもさまざまな漢方薬を処方しています。医師に相談しながら、ご自身の症状や体質に合った漢方薬を見つけることができます。

漢方の服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について

温経湯エキス顆粒に関するよくある質問

温経湯エキス顆粒に関するよくある質問とその回答を紹介します。

Q:温経湯と当帰芍薬散の使い分け方は?

温経湯と効果が似ている漢方薬として当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が挙げられます。

どちらも女性の冷えや月経トラブルによく用いられる漢方薬ですが、作用機序が違います。

違いを以下の表にまとめました。

 
温経湯(うんけいとう)
当帰芍薬散
主な体質唇が乾燥しやすい。冷え性で貧血気味、疲れやすい。
冷えの特徴手足が冷たいのに、顔がほてる「冷えのぼせ」。全身が冷える、特に手足の冷えが強い。
主な不調冷え性、月経不順、生理痛、不眠、乾燥肌、更年期障害。むくみ、めまい、貧血、生理不順、頭重感、肩こり。
キーワード冷え・乾燥冷え・むくみ

当帰芍薬散は「水の巡り」を良くします。
温経湯は「血の巡り」を良くします。

特にむくみが気になる方は、当帰芍薬散を選びましょう。
温経湯は、乾燥が気になり潤いを与えながら冷えを改善したい方におすすめです。

Q:温経湯の効果を感じるまでの期間はどれくらい?

A:温経湯の効果を感じるまでの時間は、体質や症状、服用量などによって個人差があります。

漢方薬は、西洋薬(一般的な薬剤)と比べて効果が現れるまでに時間がかかる傾向がありますが、根本から体質を改善する効果が期待できるため、根気強く服用を続けることが大切です。

効果が感じられない場合は、服用量や服用方法を見直したり、他の漢方薬との併用を検討したりする必要があることもあるため、医師または薬剤師に相談してみてください。

Q:温経湯は妊娠中に飲んでも大丈夫?

A:妊娠中または妊娠の可能性がある方には使用が推奨されていません。

妊娠中または妊娠の可能性がある方は、自己判断での使用は厳禁です。必ず医師に相談してください。

Q:温経湯は授乳中に飲んでも大丈夫?

授乳中の方にも使用が推奨されていません。

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