カンジダ検査キットとは？選び方と検査方法、市販薬を使う際の注意点も解説

カンジダ症は多くの女性が経験する一般的な真菌感染症です。不快なかゆみや特徴的なおりものを伴うこの症状は、適切な対応で改善が可能です。近年では、病院を受診する時間がない方や、婦人科受診に抵抗を感じる方のために、自宅で手軽に検査できるカンジダ検査キットが注目されています。

この記事では、カンジダ症の基本的な知識から、検査キットの種類や使用方法、そして購入時の注意点まで詳しく解説します。検査キットの利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

当記事の監修医師

医師：新田 凌也

島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

カンジダ症とは？主な症状と原因

カンジダ症は、カンジダという真菌（カビ）が原因で起こる感染症です。原因となるカンジダ菌は、健康な人の皮膚や口、消化管、膣などに常在している菌です。

通常は、他の常在菌とのバランスが保たれているため、問題を起こすことはありません。しかし、免疫力が低下したり、抗生物質の使用などで菌のバランスが崩れると、カンジダ菌が異常に増殖し、カンジダ症を発症することがあります。

カンジダ症は、体のどこにでも発生する可能性がありますが、代表的な症状が出る部位として、口、皮膚、膣などが挙げられます。

これらの症状に心当たりがある場合は、自己判断せず、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることをおすすめします。

カンジダ検査キットとは？再発なら市販薬でも治療OK

カンジダ検査キットは、膣カンジダ症の可能性を自宅で手軽に調べることができる検査キットです。主に膣分泌液を採取して検査するタイプがあります。採取した分泌液を検査薬に浸し、色の変化で判定する方法が一般的です。

検査キットはドラッグストアやオンラインで購入できます。病院に行く時間がない方や、症状を人に相談しづらい方にとって、自宅で手軽に検査できることは大きな利点です。

しかし、あくまでも簡易的な検査なので、確定診断を行うためには、医療機関を受診する必要があります。検査キットで陰性だった場合でも、症状が続く場合は医師に相談しましょう。

引用：佐藤製薬「エンペシドL」

カンジダには市販薬（膣錠と外用薬）があるため、過去に医師からカンジダの診断・治療を受けたことがある人や症状が再発した場合のみ使用することが可能です。

ただし、初めてカンジダの症状が出た人や6ヶ月以内に2回以上感染している人は、一度病院を受診することが推奨されています。

カンジダ検査キットの種類と特徴

カンジダ検査キットにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。ご自身の状況に合わせて適切なキットを選びましょう。

女性用カンジダ検査キット

女性用カンジダ検査キットは、膣分泌物を採取してカンジダ菌の有無を調べます。手軽に検査できるのがメリットです。おりものの異常や外陰部の痒み、痛みなど、カンジダ症が疑われる症状がある場合に利用できます。

検査方法は簡単で、付属の綿棒で膣分泌物を採取し、検査薬に塗布するだけです。数分で結果が分かります。市販薬で治療可能な軽度のカンジダ症であれば、検査キットで陽性反応が出た場合、すぐに治療を開始できます。

男性用カンジダ検査キット

男性もカンジダ症に感染することがあります。亀頭包皮炎などの症状が現れた際に、男性用カンジダ検査キットを使用することで、原因がカンジダ菌かどうかを確認できます。

女性用と同様に、綿棒で患部を拭い、検査薬に塗布するだけで簡単に検査できます。ただし、男性の場合は症状が他の性感染症と類似している場合もあるため、自己判断せず、医療機関を受診することが推奨されます。

性感染症との同時検査が可能なキット

カンジダ症と他の性感染症の症状は似ている場合があります。そのため、性感染症との同時検査が可能なキットも販売されています。

クラミジアや淋病など複数の性感染症の検査を一度に行えるため、感染が疑われる場合に便利です。ただし、これらのキットは医療機関で処方される場合もありますので、医師に相談してみましょう。

カンジダ検査キットの購入方法と選び方

婦人科を受診する時間がない、症状が軽度で様子を見たい、受診に抵抗がある方にとって、カンジダ検査キットは手軽な選択肢となります。カンジダ検査キットは、ドラッグストアや薬局、そしてインターネット通販で購入できます。

薬局では、薬剤師に相談しながら商品を選べるメリットがあります。対面で質問できるので、初めて検査キットを使う方に適しています。一方、通販サイトは自宅に届くので、人目を気にせず購入したい方にもおすすめです。ただし、粗悪品が流通している場合もあるので、選ぶ際は口コミをしっかりと確認するようにしましょう。

カンジダ検査キットの価格は、商品によって3,000円から8,000円など、幅があります。検査方法や精度、付属品の有無によって価格が異なるため、ご自身のニーズに合った商品を選びましょう。

なお、症状がある場合、医療機関であれば保険適用で検査が可能です。できるだけ安く迅速に済ませたいのであれば、受診をおすすめします。

カンジダ検査キットの使い方と検査の流れ

カンジダ検査キットの使い方と検査の流れについて紹介します。

検査の準備と必要なもの

カンジダ検査キットを使用する前に、説明書をよく読みましょう。キットの内容や検査の手順を確認することは、正確な検査結果を得るために重要です。

検査に必要な綿棒や検査薬、結果判定表などが同梱されています。検査前に石鹸で手を洗うなど、清潔な環境を準備することも大切です。

正しい検体の採取方法

カンジダ検査キットの検体採取方法は、付属の綿棒を用いて患部を拭います。この際、綿棒を強く押し付けすぎないように注意しましょう。検体を採取したら、速やかに検査薬に塗布するか、指示に従って検査薬と反応させます。

検査結果が出るまでの時間

検査結果が出るまでの時間は、キットの種類によって異なりますが、多くの場合、数分から数十分で結果が分かります。結果判定表と照らし合わせて、陽性か陰性かを確認しましょう。

陽性反応が出た場合は、治療を始めましょう。再発の場合は市販薬の使用も可能ですが、

症状が重いと感じる場合は、自己判断で市販薬を使用することは避けて、医師の指示に従うことが大切です。また、陰性反応であっても、症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

まとめ

カンジダ症は、多くの人が一生に一度は経験する可能性がある真菌感染症です。健康な状態では体内に常在しているカンジダ菌が、免疫力の低下や抗生物質の使用などをきっかけに異常増殖することで発症します。

カンジダ検査キットは、デリケートゾーンの異常が気になる時に、自宅で手軽にカンジダ症の疑いがあるかどうかを調べることができる便利なツールです。使用することで、自分で手軽にチェックできます。検査キットはドラッグストアや薬局、オンラインで購入可能です。

検査方法は簡単で、付属の綿棒で膣分泌液などを採取し、検査薬に浸すだけ。数分で結果が分かります。ただし、検査キットはあくまでも簡易的な検査であるため、特に初めての症状や、頻繁に再発する場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。

カンジダ症は適切な対応で改善できる症状ですので、早めの検査と治療を心がけましょう。