低用量ピルは経口避妊薬としての役割にとどまらず、生理不順や生理痛の軽減にも効果が期待されています。現代の女性にとって無くてはならない存在になりつつありますが、実際に処方してもらう方法については詳しく知らないという人も多いはず。
本記事では、低用量ピルの基本情報から処方の流れ、費用を抑えるコツまで、詳しく解説します。保険適用の違いやオンライン診療のメリットなど、重要なポイントをわかりやすくお伝えしますので、低用量ピルの処方を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
低用量ピルは月経困難症や子宮内膜症の治療にも使用される経口避妊薬
低用量ピルは、毎日同じ時間に服用することで排卵を抑制し、妊娠を防ぐ効果がある経口避妊薬です。99.7%〜91%(失敗率0.3〜9%)という避妊効果を持ち、一般的な避妊具であるコンドームと比較しても高い効果が期待できます。
また、子宮内膜の増殖を抑えることで、月経痛や月経出血量を軽減する効果も期待でき、月経困難症、子宮内膜症などの治療にも用いられます。
低用量ピルの処方は保険適用されない?LEPとOCの違い
低用量ピルには、保険適用が可能なLEPと保険適用外のOCの2種類に分けられます。それぞれの違いを以下で詳しく解説します。
保険適用されるLEP
LEPは「Low-dose Ethinylestradiol Pill」の略で、主に月経困難症、子宮内膜症などの治療を目的として用いられます。
LEPは、これらの疾患の治療を目的として処方される場合、保険適用となります。保険適用となることで、自己負担額を抑えて利用することが可能です。
保険適用外のOC
OCは「Oral Contraceptive(経口避妊薬)」の略で、避妊を目的として用いられる低用量ピルはOCに分類されます。
OCは避妊を目的として処方される場合、保険適用外となり、全額自己負担となります。これは、避妊は病気の治療というわけではないためです。
低用量ピルの処方は産婦人科とオンライン診療どっちがいいの?
低用量ピルは、継続した服用が必要になるため、定期的な通院が不可欠となります。そのため、利便性と経済性に優れたオンライン診療がおすすめです。
オンライン診療では、自宅や職場など、自分の都合の良い場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受け、郵送でピルを受け取ることができます。そのため、忙しい方や通院が難しい方でも、気軽に低用量ピルを処方してもらうことが可能です。
また、初診料、再診料、ピルの種類ごとの料金などが明記されていることが多いので、事前に確認し料金を比較することができます。これにより、想定よりも高額になってしまったということがありません。
プライバシーの面でも、通院を周囲に知られる心配がなく、より快適に診察を受けることができます。
低用量ピルをオンライン診療で処方してもらう流れ
ここでは、低用量ピルをオンライン診療で処方してもらう流れを紹介します。
1オンライン予約と問診
まずは、低用量ピルのオンライン処方を行っているクリニックを選び、オンライン予約を行います。多くのクリニックでは、サイトやアプリから24時間いつでも予約を受け付けています。予約が完了したら、問診票に必要事項を記入します。問診票では、年齢や既往歴、現在の健康状態、ピルの服用経験などについて質問されますので、正確に回答しましょう。
2オンライン診察
予約した日時に、通話やビデオ診察などでオンライン診察が行われます。医師は、問診票の内容や診察時の様子などを確認し、ピルの処方について判断します。このタイミングで、不安な点や疑問点があれば気兼ねなく質問してみましょう。
3処方と決済
医師が低用量ピルの処方を決定したら、決済に進みます。決済方法は、クレジットカード決済や銀行振込など、クリニックによって異なるため、事前に確認しておくと安心です。決済が完了すると、処方箋が発行されます。
4薬の配送と服用開始
処方箋に基づき、クリニックから低用量ピルが配送されます。配送方法は、クリニックによって異なりますが、多くの場合、郵送で自宅に届けられます。ピルが届いたら、医師の指示に従って服用を開始しましょう。服用中に副作用や気になることがあれば、クリニックに相談することが可能です。
低用量ピルの処方を安くする3つの方法
ここでは、低用量ピルの処方を少しでも安くする方法を紹介します。
方法1|オンライン診療を利用する
低用量ピルを安く処方してもらう方法の1つに、オンライン診療の利用があります。
オンライン診療では、実際にクリニックへ足を運ぶ必要がなく、スマホやパソコンから診察を受けることができます。そのため、交通費や待ち時間の節約になり、結果的に費用を抑えることが可能です。
また、オンライン診療の中には、初診料や再診料が無料だったり、低価格に設定されているところがあります。料金が明記されているため、ほかのオンライン診療と比較してから予約することも可能です。
方法2|定期便やおまとめ購入を利用する
低用量ピルを安く購入するもう1つの方法は、定期便やおまとめ購入を利用することです。
多くのオンライン診療やクリニックでは、低用量ピルを継続して服用する方向けに、定期便やおまとめ購入の割引プランを提供しています。定期的に低用量ピルを購入する場合、これらのプランを利用することで、通常よりも安く購入できるでしょう。
割引率や購入期間などはサービスによって異なるため、事前に確認してから利用することをおすすめします。
方法3|診察料や送料が無料のサービスを利用する
低用量ピルの処方にかかる費用を抑えるためには、診察料や送料が無料のサービスを利用することも有効です。一部のオンライン診療では、初回の診察料や送料を無料にするキャンペーンを実施している場合があります。
これらのサービスを利用すれば、低用量ピルの処方にかかる初期費用を抑えることができるでしょう。
低用量ピルの処方に関するよくある質問
- 低用量ピルは通販でも購入できますか?
- 低用量ピルは、医師の診察と処方箋が必要な医薬品です。そのため、日本の薬局やドラッグストアでは購入できません。インターネット上には、個人輸入代行業者を通して海外から低用量ピルを購入できる通販サイトが存在しますが、利用するのは大変危険です。
個人輸入で購入した低用量ピルは、品質や安全性が保証されていないため、偽造品や粗悪品の可能性もあり、健康被害のリスクがあります。また、副作用や服用方法などについて適切なアドバイスを受けることもできません。低用量ピルは、必ず医療機関で医師の診察を受けて処方してもらいましょう。
参考:厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」
- 喫煙者でも低用量ピルは処方してもらえますか?
- 喫煙は、低用量ピル服用による血栓症のリスクを高める要因の一つです。そのため、35歳以上で1日15本以上の喫煙をされている方は、低用量ピルの処方を受けられない場合があります。
ただし、35歳未満の方や、喫煙本数が少ない方でも、血栓症のリスクが高いと判断された場合は、処方を見送られることがあります。喫煙者で低用量ピルの服用を希望される場合は、医師に喫煙状況を伝え、リスクについてよく相談することが大切です。
参考:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ」
- 低用量ピルの副作用や注意点はありますか?
低用量ピルの服用によって、吐き気や頭痛、不正出血などの副作用が現れることがあります。また、血栓症などの重篤な副作用が起こる可能性も、ゼロではありません。低用量ピルを服用する際は、医師の指示に従って正しく服用し、定期的に診察を受けることが大切です。
副作用が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談して下さい。また、持病がある方や、妊娠中・授乳中の方などは、服用できない場合があります。低用量ピルの服用を検討される際は、医師に相談し、ご自身の体質や健康状態に合っているかを確認することが大切です。
まとめ
低用量ピルの処方について、詳しく解説しました。
低用量ピルは避妊だけでなく、月経困難症や子宮内膜症の治療にも使用される経口避妊薬です。LEPは月経困難症などの治療目的であれば保険適用されますが、OC(経口避妊薬)として使用する場合は自費診療となります。
処方してもらう方法は、主に産婦人科での対面診療とオンライン診療の2つです。とくにオンライン診療は、時間や場所の制約がなく、プライバシーにも配慮されているため、多くの女性にとって便利な選択肢となっています。
オンライン診療での処方は、予約と問診、オンライン診察、処方と決済、薬の配送という4つのステップで簡単に行うことが可能です。また、定期便やおまとめ購入、無料サービスの利用をすることで、処方を安く済ませる方法もあります。
低用量ピルの処方を検討している方は、自分の目的や生活スタイルに合わせて、最適な方法を検討してみてください。