避妊に失敗したかもしれない、そんな時に頼りになるのがアフターピルです。しかし、いざ必要になった時「どこで手に入るの?」「費用はいくらかかるの?」「すぐに買えるの?」といった疑問や焦りで、貴重な時間を無駄にしてしまうケースが少なくありません。
この記事では、アフターピルを安全かつ確実に入手するための3つの方法、費用相場、そして絶対に避けるべき危険な購入方法について詳しく解説します。
東京慈恵会医科大学医学部卒業。現在は板橋中央総合病院の産婦人科医長として、妊婦健診や分娩管理、新生児対応をはじめ、切迫流産・早産の管理などにも従事。婦人科領域では、子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮内膜症・骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌・卵巣癌に対する手術および化学療法(抗がん剤治療)まで幅広く対応。さらに、PMS(月経前症候群)や更年期障害など、ホルモンバランスに関連する女性特有の不調についても積極的に診療している。日本産科婦人科学会専門医として、日々多くの女性の健康課題に向き合い、臨床の第一線で診療を続けている。
目次
アフターピルはどこで買える?安全に購入する3つの方法
望まない妊娠を避けるための緊急避妊薬であるアフターピル。しかし、いざ必要になった時、「どこに行けば手に入るの?」と分からずに、時間が過ぎてしまうケースは少なくありません。アフターピルは2026年2月2日から、処方箋なしで薬局で買えるようになりました。ただし取り扱う薬局は限られており、どこでも手に入るわけではありません。
ここでは、安全かつ確実に正規品のアフターピルを入手するための、3つの主な方法を解説します。
方法1 医療機関(産婦人科・婦人科)で処方してもらう
最も確実で基本的な方法は、産婦人科や婦人科を受診し、医師から直接処方してもらうことです。医師による問診と診察の上で処方されるため、最も安全性が高い方法と言えます。
副作用や服用後の注意点について直接詳しい説明を受けられ、その後の生理が来るまで不安な点を相談できる安心感もあります。
ただし、診療時間内に受診する必要があり、夜間や休日に対応しているクリニックは限られるため、事前に確認することが求められます。費用は保険適用外の自由診療となり、1万円〜2万円程度が目安です。
方法2 オンライン診療サービスで処方してもらう

「近くに産婦人科がない」「対面での診察に抵抗がある」「日中は忙しくて病院に行けない」といった場合に非常に有効なのがオンライン診療です。
スマホやPCを使い、自宅など好きな場所からビデオ通話や電話で医師の診察を受けられます。プライバシーが守られ、最短で即日に薬を発送してくれるサービスもあり、迅速な対応が可能です。
オンライン診療サービスのサイトやアプリから予約し、問診票に回答した後、予約時間に医師から連絡があって診察が始まります。決済後、薬がバイク便や郵送で指定の場所に届けられます。
参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について」
方法3 薬局で処方箋なしで買う
2026年2月2日から、緊急避妊薬「ノルレボ」が要指導医薬品として発売され、処方箋なしで薬局で買えるようになりました。2026年3月9日には2つ目の製品「レソエル72」も発売されています。2023年11月から一部の薬局で行われていた試験販売は、この正式販売への移行にともなって終了しました。
ただし要指導医薬品は、棚から取ってレジに持っていける市販薬とは違います。販売できるのは、緊急避妊薬の研修を修了した薬剤師が在籍し、プライバシーに配慮した相談スペースを備えた薬局に限られます。厚生労働省の一覧に掲載されている薬局は、令和8年7月1日更新版で全国約15,300件。日本の薬局は約6万店あるので、4軒に1軒に届きません。
取り扱い店であっても、研修を修了した薬剤師が勤務している時間帯でなければ販売できず、在庫を切らしている場合もあるため、厚生労働省も来店前の電話連絡を推奨しています。近くの取扱店は市販のアフターピルを取り扱う薬局を地域別にまとめた一覧から探すのが早いです。買えるのは服用する本人だけで、身分証を提示し、薬剤師の面前でその場で飲みます。持ち帰りはできません。
参考:厚生労働省「要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧」
薬局なら7,000円前後、診察を受けるなら1万〜2万円
アフターピルは、保険が適用されない自由診療のため、全額自己負担となります。費用は入手方法によって異なり、以下の通りです。
| 種別 | 価格相場 |
|---|---|
| クリニック(対面診療) | 10,000〜20,000円 |
| オンライン診療 | 10,000〜20,000円 |
| 薬局(処方箋なし) | 6,930円〜7,480円 |
産婦人科などのクリニック(対面診療)やオンライン診療で処方してもらう場合、診察料と薬代を合わせて10,000円〜20,000円が一般的な費用相場です。
一方、薬局で買う場合は診察料がかからないため、薬の代金だけで済みます。ノルレボが7,480円、レソエル72が6,930円(いずれもメーカー希望小売価格・税込)です。ただし取り扱っている薬局は限られており、扱っている製品も店舗によります。
これらのことから、アフターピルが必要になった際の費用は、薬局で買えれば7,000円前後、医師の診察を受ける場合は1万円〜2万円程度を見ておくとよいでしょう。
アフターピルは2026年2月2日に市販化された
2025年10月、厚生労働省は、これまで医師の処方が必要だった緊急避妊薬ノルレボを、薬局で売ってよい薬に切り替えることを正式に承認しました。これにより2026年2月2日から、医師の処方箋なしで薬局やドラッグストアでアフターピルを入手できるようになっています。「市販化は検討中」「試験販売の段階」という情報は、すでに古いものです。
2023年11月から続いていた試験販売(調査研究)は、正式販売への移行にともなって終了しました。試験販売の時期にあった「16歳以上」「保護者同伴」といった制限も撤廃されています。
ただし分類は「一般用医薬品」ではなく「要指導医薬品」です。薬剤師の対面販売が必須で、その場で飲む必要があり、備えて買っておくことはできません。取り扱う薬局も全国の一部にとどまります。
参考:厚生労働省「緊急避妊薬について」
アフターピルを通販や個人輸入で買うのは危険!
「避妊に失敗したかもしれない」という焦りや「誰にも知られたくない」という気持ちから、インターネットでアフターピルを購入しようと考える方がいるかもしれません。
しかし、医師の処方箋なしに、海外の通販サイトや個人輸入代行業者からアフターピルを購入する行為は、以下のような3つのリスクが伴います。
危険1 偽薬・粗悪品のリスク
インターネット上で販売されている医薬品には、偽造品が紛れ込んでいる可能性が極めて高いです。日本の製薬会社4社による合同調査では、ネットで売られているED治療薬の約4割が偽造品だったという衝撃的なデータも報告されており、これはアフターピルにおいても同様の危険性を示唆しています。
これらの偽造品は、一見すると本物そっくりに作られていますが、中身は全く異なります。
- 有効成分が全く入っておらず、効果がゼロ
- 有効成分の量が多すぎたり、少なすぎたりする
- 全く関係のない、あるいは健康に有害な不純物(インクや石膏など)が混入している
このような偽薬・粗悪品を服用しても、避妊効果は期待できず、望まない妊娠に至る可能性が非常に高まります。
関連記事:「アフターピル「エラ」の偽物を見分ける4つのポイント!正規品を安全に入手する方法も紹介」
危険2 健康被害・副作用時の対応が困難
本来、日本国内で、医師の処方のもと正規に承認された医薬品を使用して副作用が起きた場合、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度によって、医療費などの給付を受けることができます。
しかし、個人輸入した未承認薬による健康被害は、この救済制度の対象外です。そのため、誰にも相談できず、高額な医療費もすべて自分で負担し、深刻な後遺症に一人で苦しむことになりかねません。
参考:医薬品医療機器総合機構「薬品副作用被害救済制度」
危険3 有効な時間内に薬が届かない
国内で承認されている緊急避妊薬の用法は、性行為から72時間以内に1錠です。72時間を超えた服用は用法・用量の適用外で、120時間を超えた場合は効果があるかどうかのデータがありません。極めて厳しい時間制限のある薬です。
海外からの個人輸入品は、注文してから手元に届くまで、数日から数週間かかるのが通常です。輸送や税関での手続きに時間がかかり、いざ薬が届いた頃には、とっくに時間を過ぎてしまっている可能性が非常に高いのです。
一刻を争う状況において、到着日が不確実な個人輸入は、選択肢として全く現実的ではありません。「安いから」「手軽だから」という理由で安易に手を出すと、お金を失うだけでなく、避妊に失敗し、取り返しのつかない健康被害を受けるリスクがあります。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
アフターピルを処方してもらうならオンライン診療が便利
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まとめ
アフターピルは2026年2月2日から、処方箋なしで薬局で買えるようになりました。入手する方法は、薬局で買う、医療機関で対面診療を受ける、オンライン診療で処方を受けるの3つです。
費用は保険が適用されず全額自己負担です。薬局で買えれば薬の代金だけの7,000円前後、医師の診察を受ける場合は1万円から2万円程度が相場です。ただし取り扱う薬局は全国約15,300件に限られ、研修を修了した薬剤師がいる時間帯でなければ買えないため、来店前の電話確認が要ります。時間的な余裕がない場合や薬局が閉まっている時間帯は、24時間対応のオンライン診療が現実的です。
薬局で買う場合は、服用する本人が身分証を持って来店し、薬剤師の面前でその場で飲みます。代理購入も取り置きもできません。
避けるべきなのは、インターネット通販や個人輸入です。偽薬のリスク、健康被害が起きても救済制度の対象外になること、時間内に届かない可能性など、深刻な危険が伴います。緊急時だからこそ、薬局か医療機関という正規のルートで手に入れてください。
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