ジョセイ(Josei)は、ウリプリスタール酢酸エステルを有効成分とする海外製の緊急避妊薬です。エラ(ella)やエラワン(ellaOne)と同じ成分で、性行為から120時間以内に使えるとされています。
ただし、先に知っておくべきことがあります。ウリプリスタール酢酸エステルは日本では承認されていません。日本で緊急避妊薬として承認されているのはレボノルゲストレル1.5mg錠だけで、日本産科婦人科学会の指針も、これを唯一の承認薬であり第一選択として推奨しています。性行為から72時間以内に収まるなら、まずレボノルゲストレル錠を検討してください。
この記事では、ジョセイがどういう薬か、国内未承認であることの意味、価格、副作用と注意点、入手方法を解説します。
名古屋大学医学部卒業。現在は久保田産婦人科病院にて産婦人科医として勤務。これまで多数の女性の健康課題に向き合い、臨床の第一線で診療を続けている。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医の資格を持ち、医療現場と職場環境の両面から女性の健康を支えている。
目次
ジョセイはエラと同じ成分の海外製で、日本では未承認
ジョセイ、エラ、エラワンは、いずれもウリプリスタール酢酸エステルを配合した緊急避妊薬です。国や販売会社によって商品名が違うだけで、有効成分は同じです。
| 項目 | ジョセイ | エラ・エラワン | ノルレボ・レソエル72 |
|---|---|---|---|
| 有効成分 | ウリプリスタール酢酸エステル | ウリプリスタール酢酸エステル | レボノルゲストレル1.5mg |
| 日本での承認 | 未承認 | 未承認 | 承認済み(唯一の承認薬) |
| 使える時間 | 120時間以内とされる | 120時間以内とされる | 72時間以内(国内添付文書の用法) |
| 薬局で買えるか | 買えない | 買えない | 買える(2026年2月2日から) |
| 副作用被害救済制度 | 対象外 | 対象外 | 対象 |
ジョセイが「新しいアフターピル」として紹介されることがありますが、成分そのものは海外で長く使われてきたものです。日本で情報が少ないのは、新しいからではなく、国内で承認されていないためです。
未承認とは、副作用が起きても国の補償を受けられないということ
国内で承認された薬を正しく使って重い副作用が出た場合、医薬品副作用被害救済制度という公的な制度によって、医療費などの給付を受けられます。未承認薬はこの制度の対象外です。ジョセイやエラで健康被害が出ても、医療費は全額自己負担になります。
これは「使ってはいけない」という意味ではありません。取り扱いのある医療機関で医師の判断のもとに処方を受けることは可能です。ただし、この不利益を承知したうえで選ぶ薬だということは知っておいてください。
とくに、個人輸入や海外通販でジョセイを買うのは避けてください。有効成分が入っていない偽造品が届く例が報告されているうえ、海外発送では時間に間に合いません。医師の診察もないため、飲んでよい状態かどうかの判断も受けられません。
参考:医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」/日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版)」

ジョセイの作用と、使える時間が長い理由
ウリプリスタール酢酸エステルは、主に排卵を抑える、あるいは遅らせることで妊娠を防ぎます。レボノルゲストレルと違うのは、排卵の直前まで排卵を抑える働きが期待できるとされる点で、これが使える時間の長さにつながっています。
緊急避妊薬は着床を妨げる薬ではありません。日本産科婦人科学会の指針も、作用は着床の阻害よりも排卵の抑制や遅延によるものとしており、すでに成立している妊娠を終わらせる薬ではないため、人工妊娠中絶薬とは見なされないと明記しています。
いずれにしても、飲むのが早いほど確実性は高くなります。排卵が済んでしまったあとでは、どちらの薬も排卵を抑えることはできないためです。「120時間使えるから急がなくてよい」ということではありません。
妊娠阻止率の数字はそのまま比べられない
ネット上ではジョセイやエラの妊娠阻止率が98%や99%といった数字で紹介されていますが、これらは海外の臨床試験に基づくもので、国内の承認データはありません。試験の条件(対象者の排卵日からの時期など)が違えば数字も変わるため、レボノルゲストレルの数字と並べて「こちらのほうが高い」と比較できるものではありません。
参考までに、国内で承認されているノルレボの妊娠阻止率は、添付文書で81%とされています。
ジョセイの価格は16,500円前後
120時間タイプは、72時間タイプのおよそ2倍の価格になるのが一般的です。オンライン診療の場合、72時間タイプが8,800円(税込)前後、120時間タイプが16,500円(税込)前後です。
| 種類 | 価格(税込)の目安 |
|---|---|
| 120時間タイプ(ウリプリスタール酢酸エステル) | 16,500円前後 |
| 72時間タイプ(レボノルゲストレル) | 8,800円前後 |
| 薬局で買う場合(レボノルゲストレル) | ノルレボ7,480円/レソエル72が6,930円 |
2026年2月2日から、レボノルゲストレル錠は処方箋なしで薬局でも買えるようになりました。診察料がかからないぶん最も安く済みますが、薬局で買えるのは72時間タイプだけです。120時間タイプは国内未承認のため、薬局では取り扱いがありません。
72時間に間に合うのであれば、価格の面でも薬局が有利です。近くの取扱店は市販のアフターピルを取り扱う薬局を地域別にまとめた一覧から探せます。
ジョセイの副作用
主な副作用は、吐き気、頭痛、腹痛、眠気などです。多くは1日程度でおさまります。服用後は次の月経周期がずれることがあります。
服用から3週間経っても出血がない場合は、妊娠の可能性を考えて妊娠検査をしてください。
ジョセイを飲むときの3つの注意点
2〜3時間以内に吐いたら飲み直す
服用後2〜3時間以内に嘔吐した場合、薬の成分が十分に吸収されていない可能性があります。すぐに医療機関に連絡し、飲み直すかどうかの指示を受けてください。3時間以上経ってからの嘔吐であれば、成分は吸収されているため飲み直しは不要です。
吐き気を抑えるには、夜寝る前に飲む、飲む前後に食べ過ぎない、横になって休むといった方法があります。吐き気止めを併用しても構いませんが、念のため医師に確認してください。
飲んだあとの性行為には効果がない
緊急避妊薬が効くのは、飲む前の性行為に対してだけです。飲んだあとの性行為には避妊効果がありません。次の月経が来るまでは、コンドームなどで必ず避妊してください。
妊娠中は飲めない
妊娠している方、妊娠している可能性がある方は服用できません。月経が遅れていて妊娠の可能性がある場合は、先に妊娠検査をしてください。また、緊急避妊薬の成分は母乳に移行することが知られているため、服用後24時間は授乳を避けてください。
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ジョセイの処方はオンライン診療で受けられる
ウリプリスタール酢酸エステルは国内未承認のため、どの医療機関でも扱っているわけではありません。産婦人科を受診しても、120時間タイプの取り扱いがなければ処方されません。
取り扱いを事前に確認できるという点では、オンライン診療のほうが確実です。料金も事前に明示されていることが多く、深夜や休日でも受診できます。
オンライン診療の緊急アフピルは、24時間365日予約不要で診察を受けられます。72時間タイプを8,800円(税込)、120時間タイプを16,500円(税込)で処方しています。どちらを使うべきかは、性行為からの経過時間や体の状態をもとに医師が判断します。
参考:厚生労働省「健康・医療オンライン診療について」
まとめ
ジョセイは、ウリプリスタール酢酸エステルを有効成分とする海外製の緊急避妊薬で、エラやエラワンと同じ成分です。120時間以内に使えるとされますが、日本では承認されておらず、薬局では買えません。副作用が出ても医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
性行為から72時間以内に収まるなら、国内で承認されているレボノルゲストレル錠が第一選択です。薬局なら7,000円前後、オンライン診療でも8,800円前後で、ジョセイの半額程度で済みます。120時間タイプを検討するのは、すでに72時間を超えている、あるいは間に合いそうにない場合です。
どちらにしても、早く飲むほど確実性は高くなります。「120時間使えるから」と待つ理由にはなりません。
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