アフターピルの避妊率は?服用タイミングや種類別の効果の違いを解説

アフターピルの避妊率

アフターピルは、避妊に失敗した際や望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬として知られています。

しかし、その効果や正しい使用方法について、十分な理解がないまま利用している人も少なくありません。

この記事では、アフターピルの服用タイミングと避妊率の関係、ノルレボ、レボノルゲストレル、エラワンといった種類による効果の違い、そして妊娠リスクが高まる可能性のある状況について詳しく解説します。

アフターピルは確かに有効な緊急避妊手段ですが、100%の避妊効果があるわけではありません。

この記事を通じて、アフターピルの正しい理解と適切な使用方法を学び、より安全で確実な避妊対策に役立てていただければと思います。

アフターピルの種類による避妊率の違い

アフターピルには、主に3種類の薬剤があります。

ノルレボレボノルゲストレルエラワンと呼ばれ、それぞれ避妊率が異なります。

ここでは、アフターピルの種類ごとに、服用のタイミングによる避妊率の違いを詳しく解説します。

その前に!避妊率と妊娠阻止率の違いについて一口解説

妊娠阻止率の説明

アフターピルの効果を理解する上で、避妊率と妊娠阻止率の違いを把握しておくことは重要です。

避妊率は、アフターピルを服用した人が、実際に妊娠しなかった割合を示します。例えば、「避妊率98%」とは、100人がアフターピルを服用した場合、98人は妊娠しなかったことを意味します。

一方、妊娠阻止率は、アフターピルを服用しなかった場合に妊娠する可能性があった人が、服用によって妊娠を阻止できた割合を表します。

例えば、「妊娠阻止率85%」とは、アフターピルを服用しなかったら妊娠していたであろう100人のうち、85人の妊娠を阻止できたことを意味します。

つまり、避妊率は実際に妊娠しなかった人の割合であり、妊娠阻止率は妊娠する可能性があった人が服用によって妊娠を免れた割合ということになります。

ノルレボの避妊率

ノルレボは、レボノルゲストレルを有効成分とする緊急避妊薬です。日本で初めて承認されたアフターピルで、現在も広く処方されています。

性行為後の服用時間によるノルレボの避妊率は以下の通りです。

服用時間避妊率
24時間以内99.6%
48時間以内98.8%
72時間以内97.3%

ノルレボの避妊率は、性交渉から24時間以内に服用すれば99%以上と高くなります。

時間が経過するにつれて避妊率は低下しますが、72時間以内であれば比較的高い効果が期待できます。

ただし、72時間を過ぎると避妊率は大幅に低下するため、日本産科婦人科学会の指針でも72時間以内の服用が推奨されています。

ノルレボには副作用があり、服用後の吐き気などの症状が見られることがありますが、多くは軽度かつ一時的です。

レボノルゲストレルの避妊率

レボノルゲストレルは前述した緊急避妊薬ノルレボのジェネリック医薬品となっています。

性行為後の服用時間によるレボノルゲストレルの避妊率は以下の通りです。

服用時間避妊率
24時間以内99%以上
48時間以内98%程度
72時間以内97%前後

レボノルゲストレルは、ジェネリック医薬品なので、ノルレボに比べてかなり安価に処方できるメリットがあります。

効果の違いはありませんが、添加物が先発医薬品と異なる場合があるため、アレルギー体質の方は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

エラワン(エラ)の避妊率

エラワン(エラ)は、120時間以内の服用で98.9%の高い避妊率が報告されている国内未承認の緊急避妊薬です。

エラワンは120時間(5日)以内の服用で避妊効果が期待でき、72時間以内に服用する従来のアフターピルよりも避妊率が高いです。

アフターピルの避妊効果が十分に得られないケース

アフターピルは、正しく服用すれば高い避妊効果が期待できますが、いくつかの要因によって効果が十分に得られないケースがあります。

ケース1|服用タイミング

アフターピルは、性行為後できるだけ早く服用することが重要です。72時間以内の服用で高い避妊効果が期待できますが、時間の経過とともに効果が低下する可能性があります。

アフターピルの避妊効果を十分に得るためには、なるべく早い服用が求められるでしょう。

ケース2|嘔吐

アフターピルには副作用として吐き気や嘔吐などが起こる場合があります。

服用後2時間以内に嘔吐した場合、薬が十分に吸収されず、効果が得られない可能性があるため、その場合は、再度服用するか、医師に相談しましょう。

ケース3|排卵日付近の性交渉

排卵日付近の性交渉では、アフターピルの避妊効果が低下する可能性があります。

排卵期は女性が最も妊娠しやすい時期なので、生理周期を把握し、排卵日付近の性交渉を避けることが重要です。

ほかの薬との飲み合わせ

アフターピルの避妊効果は、一部の薬との相互作用によって低下する可能性があります。

  • 抗てんかん薬
  • 抗HIV薬
  • 抗生物質

これらの薬剤は、アフターピルの吸収や代謝に影響を与え、避妊効果を低下させる可能性が流ため、とくに注意が必要です。

挙げた薬に限らず、常用している薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

参考:「ノルレボ」「レボノルゲストレル

アフターピルとピルの併用について

アフターピルとピルは、どちらも女性ホルモンを利用した避妊薬ですが、その役割や使い方は異なります。

アフターピル避妊に失敗した時や性暴力を受けた時など、緊急時に使用する薬剤で、一時的にホルモンバランスを変化させることで妊娠を防ぐ可能性があります。
ピル毎日服用することで排卵を抑制したり、子宮内膜を変化させたりして、継続的に妊娠を防ぐ可能性がある薬剤です。

アフターピルとピルを併用することは可能?

アフターピルとピルは、併用しても問題ありませんが、医師の指示に従うことが重要です。なお、併用するタイミングにも注意点があります。

低用量ピル服用中にアフターピルを服用した場合

アフターピル服用後も、低用量ピルは通常通り継続して服用してください。ただし、7日間は追加の避妊(コンドームなど)が必要です。

アフターピル服用後に低用量ピルを開始する場合

アフターピル服用後、医師の指示に従って低用量ピルの服用を開始できます。開始時期によっては、7日間は追加の避妊が必要です。

アフターピルとピルを併用するメリット

アフターピルは緊急避妊薬であり、100%避妊できるわけではありません。

ピルと併用することで、継続的な避妊効果を得られ、より確実に避妊効果を高めることができます。

アフターピルとピルを併用する際の注意点

アフターピルとピルを併用する際は、以下のようなポイントに気をつける必要があります。

  • 医師の指示に従う
  • 副作用に注意する

ピルの種類によっては、ホルモン剤の影響で体調を崩す可能性があり、ホルモン剤が多すぎると、かえって副作用が強くなる場合があります。

アフターピルとピルを併用することで、より高い避妊効果が期待できる反面、ホルモン剤の影響で副作用のリスクも高くなるため、自己判断で併用せず、必ず医師に相談しましょう。

アフターピル服用後、避妊ができているか確認する方法

アフターピルを服用した後、本当に避妊効果があったのか不安になる方もいるでしょう。ここでは、避妊が成功したかを確認する方法を3つ紹介します。

確認方法1|消退出血の確認

アフターピルを服用すると、通常とは異なる出血(消退出血)が起こることがあります。これは、ピルの作用によって子宮内膜が剥がれ落ちることで起こるもので、通常の生理とは異なります。

消退出血には個人差がありますが、アフターピル服用後3~7日程度で起こることが多いです。消退出血があるからといって避妊の成功を判断することはできませんが、1つの目安になります。

確認方法2|次の生理の確認

次の生理が予定通りに来るかを確認することも、避妊成功の目安になります。

アフターピルはホルモンバランスに影響を与えるため、生理周期が変化する可能性がありますが、大幅に遅れる場合は妊娠の可能性も考慮しましょう。

生理予定日から1週間以上遅れる場合は、妊娠検査薬を使用するか、医療機関を受診しましょう。

確認方法3|妊娠検査薬の使用

より確実な方法は、妊娠検査薬を使用することです。アフターピル服用後、2週間以上経過してから検査すると、より正確な結果が得られます。

妊娠検査薬は、薬局やドラッグストアで購入できます。使い方や判定方法については、説明書をよく読んで、正しい方法で使用しましょう。

ただし、妊娠検査薬はあくまで妊娠の可能性を調べるもので、100%確実な結果が出るわけではありません。不安や疑問が残る場合は、医療機関での検査をお勧めします。

避妊に失敗した場合の対処法

アフターピル服用後に妊娠が判明した場合、出産するか中絶するかを慎重に検討することになります。

出産を選択する場合は、定期的な妊婦健診を受診する必要があるため、産婦人科医の指示にしたがいましょう。中絶を選択する場合は、時間が経つほど母体への負担が大きくなるため、早期に手術を受けることが好ましいです。

妊娠12週未満であれば初期中絶手術が可能ですが、それ以降は中期中絶となり、入院が必要になります。なお、22週以降の中絶手術は法律で禁止されており、中絶手術を受けることができなくなるため、注意が必要です。

予期せぬ妊娠が分かった場合は、1人で抱え込まず、信頼できる周りの人や専門の相談窓口に相談してみてください。

厚労科研「予期せぬ妊娠相談窓口のご案内

まとめ:アフターピルの避妊率を正しく理解し、適切に利用するために

アフターピルは服用が遅れれば遅れるほど避妊率は低下するため、できるだけ早く服用することが重要です。

また、排卵日付近の性交渉や、他の薬剤との併用では避妊効果が低下する可能性があるため、医師に相談しながら、アフターピルの効果を発揮できるよう心がけましょう。

アフターピルはあくまで緊急避妊としての最終手段です。

頻繁な使用は推奨されていないので、まずはパートナーとしっかり話し合って、避妊対策をしっかり行うようにしてください。

緊急アフピルであれば、避妊専門の医師が常に在籍しており、24時間365日待ち時間なしで無料相談が可能で、国内で承認されているアフターピルを8,800円(税込)〜販売しております。心配な方やアフターピルの購入を迷われている方は、お気軽にご相談ください。

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