妊娠初期に突然襲ってくる強烈な眠気。日中寝っぱなしになってしまったり、「なぜこんなに眠いの?」と不安になるかもしれませんがこれは「眠りつわり」と呼ばれる、妊娠中によく見られる症状なのです。
この記事では、眠りつわりの特徴や具体的な症状、その発生メカニズム、そして無理なく乗り切るための効果的な対策法をご紹介します。つらい眠気との上手な付き合い方を知って、より快適なマタニティライフを送りましょう。

目次
眠りつわりとは?特徴と主な症状
妊娠初期に、強い眠気に襲われる「眠りつわり」。妊娠初期の女性によく見られる症状で、まるで眠り病にかかったように、一日中眠くて仕方がない状態が続きます。つわりといえば、吐き気や嘔吐といった症状が代表的ですが、人によっては、眠気や倦怠感といった症状が現れることもあります。

(PRTIMES「ルナルナ|“つわり”について」を参考に編集部作成)
上記のアンケートによると、つわりの症状として59.2%の人が「眠気」を感じていることが分かりました。半数以上の人が経験していることから、決して珍しくない症状ということになります。
具体的な症状としては、日中、強い眠気に襲われ、集中力が低下したり、普段より多くの睡眠時間を必要とするようになります。例えば、仕事中に急に強い眠気に襲われたり、家事の途中でうとうとしてしまうなど、日常生活に支障が出る場合もあるため、注意が必要です。
眠りつわりが起こるのはなぜ?考えられる3つの要因
妊娠中は、ホルモンバランスの大きな変化や、身体への負担増加によって、様々な症状が現れます。眠りつわりの原因は、まだ完全には解明されていませんが、主に以下の3つの要因が考えられています。
要因1|ホルモンバランスの変化
妊娠初期には、プロゲステロンというホルモンの分泌が急激に増加します。このプロゲステロンには、体温を上昇させ、眠気を誘発する作用があります。
体温の上昇は、身体が妊娠に適応するための変化であり、眠気も妊娠初期の自然な反応の一つです。このホルモンバランスの変化によって、いつもより早く眠くなってしまったり、日中にも強い眠気に襲われるといった経験をする妊婦さんもいます。
要因2|睡眠の質の低下
妊娠中は、大きくなったお腹や、頻尿、つわりなどの影響で、夜中に何度も目が覚めてしまうことがあります。その結果、睡眠時間が十分に確保できず、睡眠の質が低下し、日中の眠気を引き起こす可能性があります。
例えば、夜中に何度もトイレに起きることで、睡眠が浅くなり、朝起きた時にスッキリしない、日中も眠気が取れないといった症状が現れることがあります。
要因3|貧血の影響
妊娠中は、赤ちゃんの成長に伴い、血液量が増加します。しかし、血液中の赤血球の増加に追いつかず、貧血になりやすい状態となるのです。貧血になると、身体に十分な酸素が供給されなくなり、倦怠感や眠気を引き起こすことがあります。
立ちくらみや動悸、息切れなどの症状と共に、強い眠気を感じる場合は、貧血の可能性も考えられます。
眠りつわりの対策方法
妊娠初期は、眠気やだるさといった「眠りつわり」の症状が現れやすい時期です。しかし現実問題として、「家事をしなければいけない」「仕事を休めない」など、横になりたくても休めない状況の方も多いのではないでしょうか。
ここでは、眠りつわりがつらい時の具体的な対策方法を4つ紹介します。経済的に余裕がある場合や、頼れる人が近くにいる場合は、無理せず家事代行サービスや周囲のサポートを活用することも検討してみてくださいね。
対策法1|我慢せず適度な仮眠を挟む
つわりで強い眠気に襲われたら、我慢せずに適度に仮眠を取りましょう。15〜20分程度の短い仮眠でも、気分転換になり、その後の作業効率向上に繋がります。仕事中などで仮眠が難しい場合は、休憩時間に目を閉じるだけでも効果があります。
無理をするとふらついたりして危険なので、周囲の理解を得てしっかりと休養を取るようにしましょう。
対策法2|少量のカフェインなら摂取してもOK
眠気を覚ますために、少量のカフェインを摂取するのも一つの方法です。コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物を飲むことで、一時的に眠気を軽減できます。
過剰摂取は胎児への影響も懸念されますが、1日200mg程度であれば問題ありません。どうしても休めない場合は、状況に合わせて少しだけカフェインを取ってみてください。
対策法3|無理ない運動を取り入れる
軽い運動は、血行促進や気分転換に効果的です。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことで、眠気を軽減できる場合があります。
ただし、激しい運動は避け、体調に合わせて行うようにしましょう。軽く身体を伸ばしたり、簡単なヨガなども最適です。妊娠中の運動について不安がある場合は、かかりつけの医師に相談してみてください。
対策法4|夜の睡眠の質を上げる
夜の睡眠の質を高めることで、日中の眠気を軽減できる可能性があります。寝る前にスマホなどの画面を見るのは避け、リラックスできる環境を整えましょう。
ぬるめのお風呂に入ったり、アロマを焚いたりするのも効果的です。規則正しい生活リズムを維持することも、質の良い睡眠に繋がります。
まとめ
妊娠初期のつわりは、多くの妊婦さんが経験する症状の一つです。その中でも、眠気が強くなる「眠りつわり」に悩まされる方も少なくありません。
眠りつわりは、急激なホルモンバランスの変化や、胎児の成長に必要な栄養を体が蓄えようとする働きなどが原因と考えられています。一日中眠くて仕方がない、集中力が続かない、といった症状が現れます。
この眠気は、妊娠中の体の自然な反応なので、あまり心配する必要はありません。しかし、日常生活に支障が出るほどの強い眠気や、だるさ、倦怠感が続く場合は、貧血などの他の病気が隠れている可能性も考えられます。
つわりによる眠気を少しでも軽減するには、生活リズムを整えることが大切です。バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れ、質の良い睡眠を確保しましょう。また、無理をせず、疲れた時は横になるなど、体を休める時間を積極的に作りましょう。
どうしても眠気が我慢できない時は、仮眠を取るのも有効です。15~20分程度の短い仮眠で、スッキリと目覚めることができます。
眠りつわりは、多くの場合、妊娠中期に入る頃には自然と落ち着く場合が多いです。つらい時期ではありますが、赤ちゃんの成長のために必要な過程だと捉え、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。心配なことがあれば、一人で悩まずに、かかりつけの医師に相談することをおすすめします。