生理前の眠気は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが原因であることが多く、決して異常なことではありません。しかし、日常生活に支障が出たり、だるい眠気で仕事にならない、と悩んでいる方も多いはず。
この記事では、なぜ生理前に眠くなるのか、その原因と対処法について紹介します。つらい眠気を解消して、生理前の不調を少しでも改善させましょう。
目次
生理前に眠くなる主な原因
引用:厚生労働省「SMART LIFE PROJECT:ホルモンバランスは仕事にも影響する」
上記の調査によると、約18〜19%の人が生理前や生理中に眠気を感じていることが分かります。仕事に影響があるという項目では、下腹部痛や腰痛に次いで、3番目に多い割合です。
生理前になると、普段よりも強い眠気に襲われてしまうのはなぜなのでしょうか。ここでは、眠くなってしまう主な原因を3つ紹介します。
原因1|ホルモンによる直接的な睡眠導入作用
生理前は、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増加します。このプロゲステロンが分解されて生成される「アロプレグナノロン」には、脳内のGABA(γ-アミノ酪酸)受容体を活性化する作用があり、これが鎮静や睡眠を促すと考えられています。
原因2|基礎体温の上昇による寝つきの悪さ
引用:オムロン「基礎体温の知識」
通常、体温が下がることで入眠しやすくなりますが、生理前はプロゲステロンの影響で基礎体温が高く維持されるため、寝つきが悪くなりやすくなります。
原因3|自律神経の乱れによる寝不足
生理前は、エストロゲンとプロゲステロンの変動により、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなります。自律神経は、体の様々な機能をコントロールしている神経です。このバランスが崩れると、心身に様々な不調が現れます。
睡眠の質の低下もその一つです。また、生理前のイライラやだるさも、自律神経の乱れと関係していると考えられています。
生理前の眠気はPMS(月経前症候群)の一種
PMS(月経前症候群)とは、生理前に起こる心身の様々な不調のことです。生理前になるとなぜか眠くて仕方がない、という経験をされている方も多いのではないでしょうか。実は、この生理前の眠気もPMSの代表的な症状の一つです。
PMSの症状は、眠気だけでなく、だるさやイライラ、頭痛を伴う場合もあります。日本では94.5%の女性がPMSを経験しているとされ、症状は200種類以上報告されています。症状の重さの程度にかかわらず、悩んでいる症状がある場合は、我慢せずに婦人科への受診を検討しましょう。
※参考:PRTIMES「94.5%の女性が抱えるPMS(月経前症候群)に関する意識調査」
生理前で眠くなるときの対処法
生理前になると、仕事に集中できなかったり、家事が思うように進まなかったりと、つらい思いをしている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、生理前の眠気に効果的な対処法をいくつかご紹介します。
対処法1|ゆっくりと休息を取る
生理前の眠気は、ホルモンバランスの変化による自然な現象です。個人差はありますが、一般的には生理開始の1~2週間前から症状が現れ始めることが多いようです。
眠気やだるさを感じたら、まずはご自身の体に耳を傾け、無理せず休息を取りましょう。可能であれば、思い切って睡眠時間を確保することも一つの方法です。
対処法2|漢方で体のバランスを整える
眠気を改善したいと悩んでいるのであれば、漢方薬を試してみるのも良いでしょう。加味逍遙散(かみしょうようさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、生理前の不調を和らげる効果があるとされています。
加味逍遙散 | 体力中等度以下の方向け自律神経を正常化し、眠りのリズムを改善イライラや不安を伴う眠気に効果的 |
桂枝茯苓丸 | 比較的体力のある方向けのぼせや足冷えを伴う眠気に有効肩こりやめまいがある方に適している |
漢方薬は直接的に睡眠を促すわけではなく、体質の改善やホルモンバランスの調整を通じて不眠や眠気を和らげます。症状が出る前から予防的に服用を開始することが大切で、長期的な服用で体質改善を目指しましょう。
ミライメディカルクリニックでは、桂枝茯苓丸を取り扱っています。オンライン診療なので、自宅から気軽に処方してもらうことが可能です。
対処法3|低用量ピルでホルモンバランスを整える
生理前に眠くなるのは、女性ホルモンの変動が原因の一つです。低用量ピルを使ってホルモンバランスを整えることで、眠気だけでなく、PMSの様々な症状に効果が期待でき、生理痛や生理不順の改善にも繋がります。
ホルモンバランスの崩れによる全体的な不調を感じているのであれば、低用量ピルの服用がおすすめです。ただし、服用には医師の処方が必要になります。人によっては副作用が出る場合もあるため、医師に相談の上、自分に合った方法を選択しましょう。
低用量ピルを処方してもらうならオンライン診療がおすすめ
生理前のつらい症状でお悩みの方は、低用量ピルの服用も検討してみましょう。低用量ピルは、ホルモンバランスを調整し、生理前の眠気やだるさ、イライラなどPMSの症状を軽減する効果が期待できます。
最近では、オンライン診療で低用量ピルを処方してもらうことも可能です。忙しくてなかなか病院に行けなかったり、婦人科に通院することに心理的な抵抗がある場合でも、気軽に処方してもらうことができます。
電話診察でしっかりと相談することができるので、低用量ピルについて気になっていることがあれば、ぜひ一度相談してみてください。
参考:厚生労働省「健康・医療 オンライン診療について」
まとめ
生理前に眠くなる主な原因は、ホルモンバランスの変化、基礎体温の上昇、そして自律神経の乱れによるものです。この眠気は、月経前症候群(PMS)の一つの症状として現れることがあり、多くの女性が経験します。
生理前の眠気に悩まされている場合、まずはゆっくりと休息を取り、心身をリラックスさせることを心がけましょう。また、漢方薬である加味逍遙散や桂枝茯苓丸を試したり、低用量ピルの服用を検討することも有効な対処法です。
生理前の眠気について、病気ではないかと心配される方もいますが、ほとんどの場合、生活習慣の改善や適切な対処で軽減できます。もし症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関に相談しましょう。
気になる症状がある場合は、早めに専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。オンライン診療であれば、自宅から気軽に相談できますので、ぜひ活用してみてください。