生理前になると、些細なことでイライラしたり、気分が落ち込んだりして、どうしたらいいか分からないと悩んでいる方も多いはず。
この記事では、生理前のイライラの原因と、いますぐできる対処法、そしてホルモンバランスの乱れを抑える治療法までご紹介します。生理前の不調に振り回されず、穏やかな気持ちで過ごせるよう参考にしてみてください。
目次
生理前にイライラするのはなぜ?PMSの基本知識
生理前になると、些細なことでイライラして、抑えられなくなってしまうなら、PMS(月経前症候群)によるものかもしれません。
PMSは生理が始まる3〜10日前から現れる心身の不調です。特に精神症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、月経前不快気分障害(PMDD)として区別されることもあります。
ここでは、PMSの基本知識として、主な症状や原因、発症期間について紹介します。
参考:J-Stage「PMS,PMDD の診断と治療」
PMSの症状は200種類以上
PMSは94.5%の女性が経験しており、症状は200種類以上あるとされています。
(「94.5%の女性が抱えるPMS(月経前症候群)に関する意識調査」を参考に編集部作成)
上記の調査によると、身体的な症状で多いのは下腹部痛、乳房のはり、肌あれで、50%を超えています。また、精神的な症状ではイライラ、怒りっぽくなるといった症状が多いです。
パートナーに対してきつくあたってしまったり、怒りの感情を抑えられない場合、イライラしてしまう自分に対しても嫌気が差してしまうこともあるでしょう。
「自分の性格が悪いのでは」と思い悩んでしまうこともあるかもしれませんが、PMSの症状であれば、治療によって改善できる可能性があります。
PMSの原因はホルモンバランスの変化
引用:SMART LIFE PROJECT「女性ホルモンとうまく付き合っていくには?」
PMSの主な原因は、生理周期に伴うホルモンバランスの変化です。女性の身体は、排卵後から生理開始まで、プロゲステロンという女性ホルモンが増加します。
プロゲステロンの増加は、自律神経や脳内のセロトニン分泌に影響を与え、イライラや情緒不安定を引き起こす原因と考えられています。また、セロトニンという神経伝達物質の減少もPMSの症状に関係していると言われています。
日常で実践できる!生理前のイライラを抑える対処法
生理前のイライラがひどくて、仕事に支障が出たり、人に当たってしまう、彼氏や旦那と喧嘩してしまうといった悩みを抱えている方もいるかもしれません。生理前のイライラを少しでも和らげるために、日常生活でできる対処法をご紹介いたします。
対処法1|重要な栄養素を摂取する
イライラを抑えるには、食事から栄養をしっかりと摂ることが大切です。
例えば、カツオやマグロなどの魚に多く含まれるビタミンB6は、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の生成に関与し、精神の安定やストレス軽減に役立つとされています。
栄養素 | 効果 | 食材例 |
---|---|---|
ビタミンB6 | セロトニンの生成を助け、情緒を安定させる | カツオ、マグロ、鶏肉、豚肉、バナナ、レバー |
カルシウム | イライラや情緒不安定を和らげる | 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、小魚、小松菜 |
マグネシウム | セロトニンレベルを調整し、精神を安定させる | ナッツ類、さば、いわし、玄米、そば、わかめ、昆布 |
ビタミンE | 神経伝達物質の代謝に関与する | ブロッコリー、かぼちゃ、アーモンド、ピーナッツ、赤ピーマン |
イソフラボン | ホルモンバランスを整える | 豆腐、納豆、豆乳、味噌 |
さらに、白米よりも玄米や全粒粉パンなどの未精製の穀類を選ぶことで、ビタミンB群やミネラルを効率的に摂取できます。甘いものや脂っこいものは、イライラを悪化させる可能性があるので、できるだけ控えましょう。
生理前のイライラを抑えるサプリやサプリメントも市販されていますので、必要に応じて活用するのもおすすめです。
対処法2|心を落ち着かせる工夫をする
イライラを感じた時は、心を落ち着かせる工夫をしてみましょう。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、心身のリラックス効果が期待できます。アロマオイルを焚いたり、好きな香りの入浴剤を使うのもおすすめです。
また、十分な睡眠時間を確保することも大切です。睡眠不足はイライラを悪化させる原因となるため、規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。軽い運動も効果的です。ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かすことで、気分転換になり、ストレス軽減にも繋がります。
対処法3|生活習慣を整える
生理前は、心身ともに負担がかかりやすい時期です。そのため、いつも以上に生活習慣を整えることが大切になります。生理前は、重要な予定を詰め込みすぎないようにし、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
また、パートナーや家族に生理前の症状について話しておくことで、お互いに理解し合うことができます。辛い時は、「生理前でイライラしやすい状態である」ということを伝えるだけでも、気持ちが楽になるはずです。
もし、イライラがひどくて日常生活に支障が出る場合は、婦人科で相談することも検討してみましょう。低用量ピルや漢方薬など、症状に合わせて適切な治療を受けることができます。
生理前のイライラを改善するPMSの治療方法
PMSの症状がひどいと感じたり、日常生活に支障が出る場合は、適切な治療方法を検討することが大切です。ここでは、生理前のイライラを改善するための治療方法を2つ紹介します。
治療方法1|漢方による体質改善
漢方薬は、体全体のバランスを整え、生理前のイライラや不安、腹痛、頭痛などのPMSの様々な症状を緩和する効果が期待できます。即効性はありませんが、服用を継続することで、根本的な体質改善につながります。
加味逍遥散 かみしょうようさん | 自律神経の乱れを整え、気分の変動を緩和する効果があるイライラや不安感、ストレスが多く精神的な症状が強い方に適している体力が中等度以下の方に向いている |
桃核承気湯 とうかくじょうきとう | のぼせてイライラする方に効果的気と血の流れを改善し、痛みやのぼせを緩和する体力中等度以上の方に向いている |
苓桂朮甘湯 りょうけいじゅつかんとう | のぼせやめまいの症状がある方に効果的不安やパニックなどの精神症状にも有効 |
市販薬でもPMSの症状を和らげる漢方薬を購入することはできますが、ご自身の症状に合った漢方薬を選ぶためには、医師や薬剤師に相談するのが効果的です。
治療方法2|低用量ピルの服用
症状が重い場合や、仕事に支障が出るほど辛い場合は、低用量ピルの服用を検討してみましょう。低用量ピルは、ホルモンバランスを調整することで、生理前のイライラやその他のPMSの症状を軽減する効果があります。
《低用量ピルで得られる7つの効果》
低用量ピルは、ホルモンの変動を抑えることでPMSやPMDDの症状を軽減する効果が期待できます。生理痛や生理不順の改善にも役立つため、総合的な改善策として有効です。
婦人科で処方してもらう必要があるので、医師に相談し、ご自身の体質や症状に合ったピルを選ぶことが大切です。病院に行くのが面倒であれば、オンライン診療がおすすめです。
低用量ピルを処方してもらうならオンライン診療がおすすめ
(編集部作成)
低用量ピルの処方を受けるには、婦人科を受診するのが一般的ですが、忙しくてなかなか時間が取れないという方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが、オンライン診療です。
時間と場所の制約がなく、夜間や休日であってもすぐに診察を受けられます。待ち時間や通院時間がかからないので、気軽に処方してもらうことが可能です。また、オンライン完結なので、担当医師以外と顔を合わせる必要がありません。
ミライメディカルクリニックなら、24時間医師が待機しているため、早朝や深夜でもすぐに受診が可能です。レターパックで郵送され、最短当日発送で低用量ピルを受け取ることができます。
電話で気軽に診察を受けられるので、低用量ピルの服用に興味がある方は、ぜひ活用してみてください。
参考:厚生労働省「健康・医療 オンライン診療について」
まとめ
生理前のイライラ、いわゆるPMS(月経前症候群)は、多くの女性が経験する悩みです。その主な原因は、生理前に起こるホルモンバランスの変化であり、生理開始の3〜10日前に、イライラだけでなく様々な心身の不調が現れることがあります。
日常生活でできる対処法としては、まず、バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンやミネラルなどの重要な栄養素を積極的に摂取することが大切です。また、軽い運動やリラックスできる時間を作るなど、心を落ち着かせる工夫も効果的です。さらに、十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を送ることで、症状の軽減が期待できます。
症状が重く、日常生活に支障をきたす場合は、専門家への相談も検討しましょう。漢方薬による体質改善や、低用量ピルの服用といった治療方法もあります。低用量ピルは、オンライン診療でも処方してもらうことが可能です。
生理前のイライラに悩んでいる方は、まずは手軽にできる対処法から試してみてはいかがでしょうか。自分に合った方法を見つけて、快適な毎日を過ごしましょう。