生理前になると、頭痛や腹痛で寝込んでしまったり、些細なことでイライラして、家族やパートナーにあたってしまう人も少なくありません。様々な不調で仕事や学校がままならない、と悩んでいるのなら、PMS(月経前症候群)かもしれません。
この記事では、PMSの原因や具体的な症状、そして漢方薬、抗不安薬、低用量ピルといった様々な治療の選択肢について詳しく掘り下げていきます。PMSに対する理解を深めることで、自分に必要なケアや治療法を見つけましょう。
目次
PMS(月経前症候群)とは生理前にさまざまな不調が現れる症状のこと
PMS(月経前症候群)とは、月経の約2週間前から始まる、心と体に様々な不調が現れる症状です。主な症状として、イライラや気分の落ち込み、頭痛、腹痛、むくみなどが挙げられます。
症状は生理開始の3〜10日前、人によっては2週間前から出始めることがあります。生理が始まると症状が軽くなり、やがて消失するのが特徴です。
引用:SMART LIFE PROJECT「女性ホルモンとうまく付き合っていくには?」
PMSの原因は、主に女性ホルモンの変動によるものです。
黄体期後半におけるエストロゲンとプロゲステロンの急激な低下や、排卵後の黄体ホルモンの分泌変動によって起こります。また、ストレスや不規則な睡眠、運動不足や栄養バランスの偏りによって、PMSの症状を悪化させる可能性もあります。
なお、PMSは女性ホルモンの変動が原因とされており、ホルモンが正常に機能していても症状が現れることがあります。それでも、日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、婦人科で適切な治療を受けましょう。
PMSの主な症状は200種類以上
PMS(月経前症候群)には個人差があり、200種類以上もの症状があると言われています。
代表的な症状としては、イライラや気分の落ち込み、集中力の低下などがあります。また、頭痛や腹痛、乳房の張りといった身体的な症状が現れる方もいます。
(「94.5%の女性が抱えるPMS(月経前症候群)に関する意識調査」を参考に編集部作成)
上記の調査によると、身体的な症状で多いのは「下腹部痛」「乳房のはり」「肌あれ」が、50%を超えています。また、精神的な症状では「イライラ」「怒りっぽくなる」といった症状が多いです。
症状の種類や強さには個人差があり、日常生活や仕事、人間関係に支障をきたすこともあります。特に精神的な症状が強く、日常生活に著しく支障をきたす場合は、PMDD(月経前不快気分障害)と診断されることがあります。PMDDは、PMSの中でも精神症状が重く、抑うつや不安感が強く現れる疾患です。
生理前の不調で悩みがある場合は我慢せず、早急に受診をすることが大切です。
PMSを改善する薬や治療方法はある?
PMSの治療には、漢方、抗不安薬、低用量ピルなど、様々な方法があります。それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
治療方法1|漢方による体質改善
PMSの漢方治療は、「気・血・水」のバランスを整えることで複数の症状に同時にアプローチできる効果的な方法です。体全体のバランスを整え、生理前のイライラや不安、腹痛、頭痛などのPMSの様々な症状を緩和する効果が期待できます。
即効性はありませんが、継続して服用することで、根本的な体質改善につながります。
《精神症状におすすめの漢方薬》
症状 | 漢方薬 | 効果 |
---|---|---|
イライラ・不安 | 加味逍遙散 かみしょうようさん | 更年期障害やPMSなどの女性特有の精神不安やイライラを改善 |
のぼせ・イライラ | 桃核承気湯 とうかくじょうきとう | 生理痛や月経不順などの血の巡りの悪さによる症状を改善 |
めまい・不安 | 苓桂朮甘湯 りょうけいじゅつかんとう | めまいやふらつき、立ちくらみなどの水分バランスの乱れを改善 |
《身体症状におすすめの漢方薬》
症状 | 漢方薬 | 効果 |
---|---|---|
疲労・倦怠感 | 補中益気湯 ほちゅうえっきとう | 疲労倦怠や食欲不振など、気力低下による症状を改善 |
腹痛・腰痛 | 当帰建中湯 とうきけんちゅうとう | 月経痛や腹痛、体力低下による痛みを改善 |
むくみ | 五苓散 ごれいさん | むくみや二日酔い、水分代謝の乱れによる症状を改善 |
冷え症 | 当帰芍薬散 とうきしゃくやくさん | 冷え症や貧血傾向による月経不順を改善 |
市販薬でもPMSの症状を和らげる漢方薬を購入することはできますが、まずは婦人科で相談し、ご自身の体質に合った漢方薬を処方してもらうことをおすすめします。
ミライメディカルクリニックでは、五苓散を取り扱っています。オンライン診療なので、自宅から気軽に処方してもらうことが可能です。
治療方法2|抗不安薬による精神症状の緩和
不安やイライラが強い場合、症状に応じて抗不安薬が処方されることがあります。代表的な抗不安薬としては、デパスやソラナックスなどです。
具体的には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬がPMSの精神症状に効果的とされています。SSRIには、不安やイライラ、抑うつといった症状を改善する効果があります。
服用方法には、症状が重い時期だけ服用する周期的な服用と、毎日服用する連続服用があります。医師の指示に従って、適切な方法で服用することが大切です。
治療方法3|低用量ピルによるホルモンバランスの調整
低用量ピルは、PMSの治療によく用いられる薬です。女性ホルモンのバランスを整えることで、PMSの症状を改善する効果が期待できます。ただし、低用量ピルには避妊効果があるため、妊娠を希望している場合は、医師に相談の上、服用を中止する必要があります。
低用量ピルに期待できるおもな効果は以下の7つです。
《低用量ピルで得られる7つの効果》
PMSの改善以外にも多くの効果が期待できますが、服用開始から1〜3ヶ月は、副作用として吐き気や不正出血、頭痛が見られることがありますが、これらは時間とともに軽減することが多いです。副作用は継続服用により症状は徐々に軽減されることがほとんどなので、PMSの症状全般を緩和したい方は、服用を検討してみてください。
低用量ピルを処方してもらうならオンライン診療がおすすめ
(編集部作成)
低用量ピルは、PMSの症状緩和に効果的な薬の一つです。ホルモンバランスを整えることで、PMSを抑える効果が期待できます。
服用するには医師の処方が必要ですが、オンライン診療を活用することで、自宅からでも手軽に低用量ピルを処方してもらうことが可能です。
また、時間と場所の制約がないため、夜間や休日であってもすぐに診察を受けられます。待ち時間や通院の時間がかからないので、思い立ったタイミングで気軽に処方してもらうことが可能です。
ミライメディカルクリニックなら、24時間いつでも専門医師が待機しているので、仕事終わりの18時以降や、土日の深夜であってもすぐに受診が可能です。処方されるとレターパックで郵送され、最短当日発送で低用量ピルを受け取ることができます。
電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。低用量ピルの服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考:厚生労働省「健康・医療 オンライン診療について」
まとめ
PMS(月経前症候群)は、生理の3〜10日前に現れる心身の不調で、その症状は200種類以上と多岐にわたります。
原因はホルモンバランスの変化と考えられていますが、はっきりとは解明されていません。日常生活に支障が出るほどのPMS症状がある場合は、我慢せずに婦人科への受診を検討しましょう。
PMSの治療法には、漢方薬による体質改善、抗不安薬や抗うつ薬による精神症状の緩和、低用量ピルによるホルモンバランスの調整などがあります。自分に合った治療法を見つけることで、PMSの症状を軽減し、快適な日常生活を送ることができます。
低用量ピルは、PMSの治療法として一般的です。継続的な服用が必要ですが、高い効果が期待できます。
低用量ピルの処方には、オンライン診療が便利です。自宅にいながら医師の診察を受けられ、薬もレターパックで受け取ることができます。PMSでお悩みの方は、まずはミライメディカルクリニックで気軽にオンライン診療を受けてみてはいかがでしょうか。