ピルは生理じゃない時に飲み始めても大丈夫?正しい始め方や注意点も解説

「ピルって生理じゃない時に飲み始めても大丈夫なの?」と疑問に思ったことはありませんか?避妊や生理痛の緩和など、様々な目的で服用されるピルですが、正しい飲み方を知らないと、十分な効果が得られない可能性があります。

この記事では、生理以外のタイミングで飲み始めるとどうなるのか、ピルの正しい始め方や注意点について詳しく解説します。ピルの正しい知識を身につけ、安心して服用できるよう参考にしてみてください。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

ピルを生理じゃない時に飲み始めるとどうなる?

低用量ピルを服用し始めるタイミングは、基本的に「生理初日」が推奨されています。しかし、生理不順などで初日からの服用が難しい場合は、医師の判断のもと生理以外の時期から服用を開始することが可能です。

生理以外の日にピルを飲み始める場合、避妊効果がすぐに現れないことを知っておく必要があります。特に最初の7日間は避妊効果が十分ではありません。この期間は必ずコンドームなどの他の避妊方法を併用する必要があるため、注意が必要です。

生理以外のタイミングで服用を開始すること自体に、問題があるわけではありません。しかし、必ず医師との相談の上で開始時期を決定する必要があります。

ピルの正しい飲み始め方は2種類

ピルを飲み始めるタイミングは、大きく分けて「Day1スタート」と「Sundayスタート」の2種類あります。生理周期やライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選びましょう。

Day1スタート|生理の初日から服用を開始する

「Day1スタート」とは、生理が始まった日からピルを服用し始める方法です。生理初日を1日目と数え、その日から服用を開始します。この方法は、比較的覚えやすく、次の生理の予測も立てやすいというメリットがあります。

ただし、生理不順の方には適さない場合があるため、医師との相談が必要です。

Sundayスタート|日曜日から服用を開始する

Sundayスタートは、生理開始後の次の日曜日からピルを服用し始める方法です。この方法は、週末に生理がこないように調整できるメリットがあります。

しかし、生理以外の時期からピルを飲み始めるため、最初の7日間はコンドームなどの他の避妊方法を併用することが必須です。

ピルを生理じゃない時に飲み始めた場合の注意点

生理以外のタイミングでピルを飲み始めた場合、いくつか注意すべき点があります。特に、避妊効果や服用開始時期については、正しく理解しておくことが重要です。

注意点1|避妊効果がすぐに得られない

ピルを生理以外の日に飲み始めた場合、最初の7日間は避妊効果が十分ではありません。例えば、生理が終わって数日後にピルを服用し始めたとしても、すぐに避妊効果が現れるわけではないということです。

この7日間は、コンドームなどの他の避妊方法を併用することが必須です。8日目以降に、ピルの避妊効果が安定するため、旅行などの予定に合わせてピルを飲み始める場合は、この7日間の猶予期間を必ず考慮に入れてください。

注意点2|妊娠していない確認が必須

ピルを飲み始める前に、妊娠していないことを確認する必要があります。妊娠検査薬を使用したり、産婦人科を受診して確認してもらうと安心です。

生理が遅れているなど、妊娠の可能性がある場合は、必ず医師に相談してからピルの服用を開始しましょう。自己判断で服用を開始するのは危険です。生理が不順で、次の生理がいつ来るか分からない場合も、まずは医師に相談することをおすすめします。

ピルを飲み始めた際に覚えておきたいポイント3つ

ここでは、ピルを飲み始めた際に覚えておきたい大事なポイントを3つ紹介します。

ポイント1|1日1錠を毎日同じ時間に服用する

体内のホルモンバランスを一定に保つために、ピルは毎日同じ時間に1錠服用することが推奨されています。なるべく正確に一定の時間に服用することが大切です。

服用時間が大きくずれてしまうと、効果に影響が出る可能性がありますので、なるべく一定の時間に服用するようにしましょう。

スマホのアラームを設定する場合は、繰り返しを「毎日」に設定します。普段使用しているものとは違うピル専用のサウンドを設定しておくと、聞いただけで服用タイミングだと気づけるのでおすすめです。

ポイント2|服用サイクルを理解する

ピルの服用サイクルを理解することも重要です。ピルには、21日間服用して7日間休薬するタイプや、28日間連続で服用するタイプなどがあります。

1シート21錠のピルと28錠のピルにおける具体的な飲み方は以下の通りです。

1シートの錠数21錠28錠
服用期間21日間連続28日間連続
休薬期間7日間なし(プラセボ錠を7日間服用)
次のシート7日間の休薬後、29日目から再開29日目から新しいシートを開始

28錠タイプのピルは休薬期間がないため、飲み忘れのリスクが低くなります。ご自身が服用するピルのタイプに合わせて、正しく服用しましょう。

ポイント3|飲み忘れた場合の対処法を確認する

ピルの服用をうっかり忘れてしまった場合の対処法も事前に確認しておきましょう。

1日分の飲み忘れ気づいた時点で1錠を服用その後は通常通りの時間に服用を継続普段の服用時間に気づいた場合は2錠まとめて服用可能
2日分の飲み忘れ気づいた時点で2錠を服用その後は通常通りの服用を継続7日間は他の避妊方法を併用するか性交渉を避ける
3日以上の飲み忘れ服用を一時中止次の月経を待って新しいシートで再開次の月経までは他の避妊方法を使用

ただし、特定の種類のピルでは影響が異なる場合もあるため、服用中の薬の説明書や医療従事者の指示に従うことが重要です。自己判断で服用量を増やしたり、服用間隔を変えたりすることは避けてください。

まとめ

ピルは、生理が始まっていない時でも飲み始めることができます。ただし、生理初日から飲み始める「Day1スタート」と、生理開始後の最初の日曜日から飲み始める「Sundayスタート」が一般的な方法とされています。

生理じゃない時に飲み始めた場合、すぐに避妊効果が得られない点に注意が必要です。また、飲み始める前に妊娠していないことを確認しておくことも大切です。

ピルを服用する際は、1日1錠を毎日同じ時間に服用することが基本です。また、服用と休薬のサイクルを理解し、飲み忘れた場合の対処法も事前に確認しておくと安心です。

ピルは正しく服用することで、避妊だけでなく、生理痛の軽減や生理周期の安定など、様々なメリットが期待できます。もし、ピルの服用について不安な点や疑問がある場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。

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