「ピアスを開けたいけど、痛いのが怖い…」という気持ちから、開けるのを躊躇している方は少なくないでしょう。しかし、痛みの程度は開ける部位や方法によって大きく異なり、適切な知識と準備があれば、その不安を軽減することができます。
この記事では、部位別の痛みの特徴や、痛みを和らげる対処法、そして開けた後のケア方法まで解説します。
目次
ピアスを開ける時どのくらい痛い?部位別の痛みの違い
ピアスを開ける際の痛みは、開ける「部位」によって大きく異なります。また、痛みの感じ方には個人差がありますが、ここでは一般的な傾向について解説します。
耳たぶ(イヤーロブ)の痛みは比較的少ない傾向
耳たぶはピアスを開ける部位として最も一般的です。比較的皮膚が薄く、神経も少ないため、痛みは少ない傾向にあります。チクッとする程度の痛みで済むことが多いでしょう。例えるなら、注射の針を刺す時のような感覚です。
ピアッサーや細めのニードルを使用すれば、痛みは最小限に抑えられる傾向があります。開けた後も、数日程度で痛みが落ち着くケースが多いです。ただし、個人差があるため、全く痛みを感じない方や、少し鈍い痛みを感じる方もいます。
軟骨ピアス(ヘリックス・インナーコンク)の痛みは耳たぶより強い
軟骨ピアスは、耳たぶ以外の軟骨部分に開けるピアスです。ヘリックスやインナーコンクなどが代表的です。軟骨は耳たぶに比べて硬いため、痛みは強くなる傾向にあります。ズキンとした痛みや、鈍い痛み、圧迫感を感じる方もいます。
特に、軟骨の中でも「分厚い」「硬い」「でこぼこしている」部位ほど、痛みが強く現れる傾向があります。ただし、軟骨の厚さや硬さ、そして個人の痛みの感じ方によって、痛みの程度は大きく変わります。
鼻・舌・口・へそなど顔や体のピアスの痛みは?
鼻ピアス、舌ピアス、口ピアス、へそピアスなど、顔や体のピアスの痛みも部位によって異なります。鼻ピアスは、鼻の軟骨部分に開けるため、軟骨ピアスと同様に痛みを感じやすいです。舌ピアスや口ピアスは、粘膜部分に開けるため、強い痛みを感じる方もいます。へそピアスは、皮膚が比較的薄い部分に開けるため、痛みは少ない傾向にありますが、傷の治りが遅い場合もあります。
トラガスやリップ、眉などの部位も、それぞれ痛みの感じ方が異なります。ピアッサーやニードルを使用する場合でも、痛みの程度は変わりません。
ピアスの痛みを軽減するには?3つのポイント
ピアスを開ける際の痛みは、誰しもが気になるものです。完全に無痛にすることは難しいかもしれませんが、いくつかの工夫によって痛みを和らげることができます。ここでは、痛みを軽減するためのポイントを3つ紹介します。
ポイント1|事前に施術部位を冷やす
ピアッシングを行う前に、施術部位を冷やすことで、皮膚の感覚を鈍らせ、痛みを軽減する効果が期待できます。保冷剤や冷やしたタオルなどを清潔な布で包み、数分間、開けたい部位に優しく当てて冷やしましょう。
ただし、冷やしすぎると皮膚を傷つける可能性があるため、冷たすぎると感じたらすぐに離してください。また、冷やすことによる効果には個人差があることも理解しておきましょう。
ポイント2|ニードルやピアッサーの先に軟膏を塗る
ピアッシングに使用するニードルやピアッサーの先端に、専用の潤滑剤や麻酔成分を含む軟膏を塗布することで、皮膚への摩擦を減らし、スムーズな貫通を促すことができます。これにより、痛みを感じる時間を短縮し、刺激を和らげる効果が期待できます。
ただし、使用する軟膏は、ピアッシングに適したものを選び、事前に医師や専門家に相談することをおすすめします。自己判断で使用すると、感染症のリスクを高める可能性もあるため注意が必要です。
ポイント3|医療機関で施術してもらう
最も安全で、かつ痛みを軽減する効果が期待できるのは、医療機関(皮膚科や形成外科など)でピアッシングの施術を受けることです。医療機関では、専門的な知識に基づいた正確な位置に、滅菌された医療器具を用いて施術が行われます。
また、必要に応じて局所麻酔を使用してもらえる場合もあり、痛みに弱い方でも安心して施術を受けることが可能です。さらに、万が一トラブルが起きた際にも、適切な処置を受けることができるため、安全面においても大きなメリットがあります。
関連記事:「ピアスは病院で開けるべき?メリットや費用相場、病院の選び方を徹底解説」
ピアスを開けた後に痛いときの対処法
ピアスを開けた後、数日間は痛みや腫れが生じることがあります。これは、体が異物であるピアスに反応している生理的な現象であることが多いです。しかし、痛みが長引いたり、悪化したりする場合は、適切な対処が必要です。
ここでは、ピアスを開けた後に痛みを感じた際の対処法を3つ紹介します。
対処法1|ピアスホールを清潔に保つ
ピアスを開けた後のケアで最も重要なことの一つは、ピアスホールを常に清潔に保つことです。不潔な状態は、細菌感染を引き起こし、痛みや腫れ、膿の原因となります。医師や施術者から指示された洗浄方法に従い、毎日丁寧にケアを行いましょう。
一般的には、刺激の少ない消毒液や生理食塩水で優しく洗浄し、水分をしっかりと拭き取ることが推奨されます。洗浄の際には、ピアスを無理に動かしたり、回したりしないように注意しましょう。
対処法2|ピアスやホールをできるだけ触らない
開けてすぐはピアスの部位が気になってしまうのは自然なことですが、ピアスやピアスホールを頻繁に触ることは、細菌感染のリスクを高め、炎症を悪化させる原因となります。特に、汚れた手で触るのは絶対に避けましょう。
ケアを行う際以外は、できるだけピアスやホールに触れないように意識することが大切です。衣類の着脱時や髪の毛が引っかからないように注意しましょう。
対処法3|痛みが強くてもファーストピアスは抜かずに病院へ
ピアスを開けた後の痛みが尋常ではなく、我慢できないほど強い場合や、腫れ、赤み、熱感、膿などの感染症を疑う症状が見られる場合でも、自己判断でファーストピアスを抜くのは避けましょう。
ファーストピアスは、開けたばかりの不安定なピアスホールが塞がるのを防ぐ役割を担っています。もし、自己判断でピアスを抜いてしまうと、皮膚が収縮し、炎症の原因となる膿などが内部に閉じ込められてしまう可能性があります。
痛みが強い場合は、速やかに医療機関(皮膚科や形成外科)を受診し、医師の診察を受けてください。医師に相談することで、痛みの原因を特定し、適切な処置や内服薬、外用薬などを処方してくれます。
ピアッサーよりニードルの方が痛くないって本当?
ピアッシングの際の痛みは、使用する器具、開ける部位、そして個人の痛みの感じ方によって大きく異なりますが、一般的には、ピアッサーよりもニードルの方が痛みが少ないと感じる人が多いと言われています。
その理由は、ピアッサーとニードルの開ける仕組みの違いにあります。ピアッサーは、皮膚を押し潰しながら瞬間的に穴を開けられるため、開ける際の痛みは一瞬で終わることが多いですが、圧力が強く、鈍い痛みを感じやすいという声もあります。
一方、ピアスニードルは、鋭利な刃先で皮膚をスムーズに切り開いて穴を開けます。ピアッサーのように瞬間的な衝撃はありませんが、切れ味が良いため、組織への負担が少なく、比較的スムーズに貫通するため、痛みが少ないと感じる人が多いようです。
また、開ける瞬間の痛みだけでなく、開けた後の痛みの持続期間にも違いがあると感じる人もいます。ニードルで開けた方が、組織へのダメージが少ないため、腫れや痛みが長引きにくいという意見もあります。
関連記事:「ピアスニードルの使い方は?特徴やゲージの選び方、ピアッサーとの違いも解説」
まとめ|ピアスが痛くならないための予防とケア
ピアスの痛みは避けて通れないものですが、その強さや持続期間は開ける部位や方法、そして事前・事後のケアによって大きく変わることがわかりました。耳たぶは比較的痛みが少ないのに対し、軟骨や鼻、舌などの部位は痛みを強く感じやすい傾向にあります。
痛みを軽減するには、施術前に部位を冷やす、ニードルやピアッサーに専用の軟膏を塗る、そして最も効果的な方法として医療機関での施術を選ぶことが挙げられます。専門家による施術なら、正確な位置に衛生的な環境で開けられ、必要に応じて局所麻酔も使用できます。
ピアスを開けた後の痛みには、ピアスホールを清潔に保つ、不必要に触らない、そして強い痛みがあってもファーストピアスを自己判断で抜かずに医師に相談するという対処法が有効です。また、器具選びも重要で、ピアッサーより鋭利なピアスニードルの方が組織へのダメージが少なく、痛みを感じにくいという傾向があります。
ピアスの痛みを軽減するには、痛みへの不安を和らげる正しい知識と、適切なケア方法を身につけることが大切です。