ピアスが膿む原因は?正しい対処法とリンパ液との違いも解説

ピアスは今や幅広い年齢層に愛されるファッションアイテムですが、開けた後のトラブルに悩まされる方も少なくありません。特に多いのが「膿(うみ)」の症状です。

この記事では、リンパ液と膿の見分け方から、膿みの原因、適切な対処法、そして避けるべき習慣まで、ピアスホールを健康に保つために必要な情報を詳しく解説します。

これって膿んでるの?リンパ液との見分け方

ピアスを開けた後、ピアスホールから透明や黄色の液体が出てくることがあります。その時に、ピアスホールから出てくる液体が「膿(うみ)」なのか「リンパ液」なのか迷うことはよくあります。主な違いは以下の通りです。

特徴膿(うみ)リンパ液
濃い黄色~黄白色無色透明~薄い黄色
匂い強い臭いがあるほとんどない
粘度粘り気が強く、固体に近いこともサラサラしている
痛み・腫れ痛みや腫れ、熱感を伴うことが多いほとんどない

リンパ液は傷の修復過程で出る体液で、サラサラしていて臭いがありません。ピアスホールを開けて間もない時期や、ホールが安定するまでに見られることが多いです。

一方、膿は細菌感染による炎症が原因で、粘り気が強く、黄色や白色で強い臭いを伴います。痛みや腫れ、熱感がある場合は膿の可能性が高いです。

膿が出ている場合は、無理に絞り出さず、シャワーでやさしく洗い流し、清潔なガーゼやティッシュで拭き取るようにしてください。

ピアスホールが膿むのはなぜ?考えられる3つの原因

ピアスホールが膿んでしまう背景には、いくつかの要因が考えられます。ここでは、その中でも特に代表的な3つの原因について詳しく見ていきましょう。

原因1|ピアスホールが清潔に保たれていない

ピアスホールは、体にとっては小さな傷口と同じような状態です。そのため、不衛生な扱いをすると、細菌感染のリスクが高まります。

例えば、汚れた手でピアスやピアスホールを触ってしまうと、手に付着していた細菌が傷口から侵入し、炎症や化膿を引き起こすことがあります。また、ピアスホールの洗浄など、日々のケアを怠ると、健康な状態を保つことが難しくなってしまうのです。

原因2|金属アレルギーや皮膚が弱い

ピアスの素材に含まれる金属が、アレルギー反応を引き起こすことがあります。汗などに金属成分が溶け出し、それが皮膚のたんぱく質と結合することで、体は異物と認識してしまい、炎症やかゆみといったアレルギー症状が現れます。この炎症が進行すると、膿んでしまうことがあるのです。

特に、金属アレルギーを持つ方や、もともと皮膚がデリケートな方は、ピアスの素材選びに注意が必要です。また、皮膚が弱い場合、ピアスを開けること自体が刺激となり、炎症を起こしやすいこともあります。

参考:厚生労働省「本邦における金属アレルギー診療の現状と課題

原因3|免疫力が低下して感染しやすくなっている

私たちの体には、外部からの細菌やウイルスなどから身を守るための免疫機能が備わっています。しかし、ストレス、睡眠不足、栄養バランスの偏り、体調不良などによって免疫力が低下すると、この防御機能が十分に働かなくなります。

その結果、通常であれば問題ないような細菌に対しても感染しやすくなり、ピアスホールに細菌が侵入した場合、炎症を抑えきれずに膿んでしまうことがあります。健康的な生活習慣を心がけ、免疫力を維持することが、ピアスホールのトラブルを防ぐ上でも大切です。

ピアスホールが膿んでしまったときの対処法

ピアスの穴が膿んでしまうのは、誰にでも起こりうるトラブルです。ファーストピアスはもちろん、ピアスホールが完成していても、衛生状態や金属アレルギーなど、様々な原因で膿んでしまうことがあります。

ここでは、ピアスホールが膿んでしまったときの適切な対処法を紹介します。

対処法1|膿を無理に出さず、シャワーでやさしく洗い流して清潔に保つ

ピアスホールに膿が溜まっていると、気になって無理やり押し出そうとしてしまうかもしれませんが、それは避けるべきです。無理に膿を出そうとすると、周囲の皮膚を傷つけたり、さらに細菌を奥に押し込んでしまったりする可能性があります。

大切なのは、患部を清潔に保つことです。シャワーをぬるま湯程度に設定し、膿んでいる部分を優しく洗い流しましょう。強い水圧は刺激になるため避け、丁寧に洗い流すことがポイントです。

対処法2|消毒液は使わず、低刺激の石けんや流水で洗浄する

膿んでいるピアスホールに対して、「消毒しなければ」と考えがちですが、市販の消毒液には刺激が強いものが多く、かえって皮膚の状態を悪化させる可能性があります。また、過度な消毒は、皮膚に必要な常在菌まで洗い流してしまうこともあります。

洗浄する際は、低刺激性の石けんを泡立てて優しく洗い、その後は流水でしっかりと洗い流しましょう。石けん成分が残らないように丁寧にすすぐことが重要です。

対処法3|症状がひどい場合は抗生物質入りの軟膏を使うか、早めに病院を受診する

上記の方法を試しても症状が改善しない場合や、膿の量が多い、強い痛みがある、腫れが引かないといった症状が見られる場合は、自己判断せずに早めに皮膚科を受診しましょう。

医師の診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。場合によっては、抗生物質入りの軟膏が処方されたり、内服薬が必要になったりすることもあります。自己流の対処で悪化させてしまう前に、専門医の指示に従うようにしてください。

ピアス穴が膿むリスクを高める7つのNG習慣を紹介

ピアスホールが順調に安定せず、膿んでしまう背景には、日々の何気ない習慣が潜んでいることがあります。ここでは、特にピアスホールのトラブルを引き起こしやすいNG習慣を紹介します。

NG習慣1|汚れた手でピアスやピアスホールを触る

私たちの手には、様々な細菌が付着しています。手を洗わずにピアスやピアスホールに触れる行為は、これらの細菌を直接傷口に送り込むようなものです。

特に、ピアスを開けたばかりのデリケートな時期は、わずかな細菌でも感染を引き起こす可能性があります。汚れた手では触れないように心がけましょう。

NG習慣2|ピアスホールや周囲を不潔なまま放置する

ピアスホールは、適切にケアをしなければ細菌の温床となりやすい場所です。洗浄を怠ったり、汚れをそのまま放置したりすると、細菌が繁殖し、炎症や膿みの原因となります。

特に、ピアスを開けて間もない時期や、まだ安定していない時期は、こまめなケアが非常に重要です。

NG習慣3|ピアスを頻繁に動かす・抜き差しする

ピアスホールがまだ完全に形成されていない段階で、ピアスを頻繁に動かしたり、抜き差ししたりすると、繊細な組織が傷つき、細菌が侵入しやすくなります。

また、無理な抜き差しは、ピアスホールを広げてしまい、さらなるトラブルを招くこともあります。安定するまでは、できるだけ触らず、動かさないようにしましょう。

NG習慣4|キャッチを締めすぎて耳たぶを圧迫する

ピアスのキャッチを必要以上に強く締め付けてしまうと、耳たぶの血流が悪くなります。血流が悪くなると、組織の回復が遅れ、細菌に対する抵抗力も低下するため、感染のリスクが高まります。キャッチは、ピアスが抜け落ちない程度の適度な締め具合を保つようにしましょう。

NG習慣5|消毒のしすぎや刺激の強い消毒液の使用

消毒は感染予防に有効ですが、過度な消毒や刺激の強い消毒液の使用は、かえって皮膚を傷つけ、炎症を引き起こすことがあります。また、消毒液によっては、皮膚に必要な常在菌まで殺してしまう可能性もあります。

消毒を行う場合は、適切な頻度と肌に優しい消毒液を選ぶようにしましょう。

NG習慣6|ピアスをつけたまま運動や入浴、プールに入る

運動時の汗や、入浴・プールなどの水分は、ピアスホールに細菌を運び込む可能性があります。汗には塩分や老廃物が含まれており、刺激となることもあります。また、プールの水には消毒成分が含まれているとはいえ、雑菌が繁殖していることもあります。

これらの状況下では、できるだけピアスを外すか、しっかりと洗浄するように心がけましょう。

NG習慣7|金属アレルギーを起こしやすい素材のピアスを使用する

ニッケルやコバルトなど、特定の金属は金属アレルギーを引き起こしやすいことが知られています。安価なアクセサリーや、素材が不明なピアスを長時間使用すると、汗によって金属が溶け出し、アレルギー反応を引き起こし、炎症や膿みの原因となることがあります。

金属アレルギーの疑いがある場合は、サージカルステンレスやチタンなど、アレルギーを起こしにくい素材のピアスを選ぶようにしましょう。

まとめ|ピアスホールの膿みを防ぐには日頃から予防しよう

ピアスホールから出る液体が膿かリンパ液かは、色・匂い・粘度・痛みなどで判断できます。膿は濃い黄色で強い臭いがあり粘り気が強く、痛みや腫れを伴うことが多いのに対し、リンパ液は透明~薄い黄色でサラサラしており臭いはほとんどありません。

ピアスホールが膿む主な原因は、不衛生な扱いによる細菌感染、金属アレルギーや皮膚の弱さ、免疫力低下です。膿んでしまった場合は、膿を無理に出さず、シャワーで優しく洗い流し、低刺激の石けんで清潔に保つことが大切です。症状がひどい場合は早めに皮膚科を受診しましょう。

ピアスホールのトラブルを防ぐためには、汚れた手で触らない、こまめに清潔にする、頻繁に動かさない、キャッチを締めすぎない、消毒のしすぎに注意する、ピアスをつけたまま運動や入浴を避ける、金属アレルギーを起こしにくい素材を選ぶなどの習慣が重要です。

適切なケアと注意で、健康的なピアスホールを維持しましょう。

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