生理じゃないのに、下腹部がチクチク痛んだり、腰が重くなったりした経験はありませんか。もし排卵期にその違和感が起こったなら、原因は排卵痛かもしれません。
この記事では、排卵痛が起こる原因や具体的な症状、そして効果的な対処法を紹介します。排卵痛はなぜ起こるのか、どうすれば楽になるのか、一緒に確認していきましょう。
目次
排卵痛は排卵日前後に起こる痛み
(編集部作成)
排卵痛とは、排卵期前後に下腹部などに痛みを感じる症状のことです。生理周期の中間あたり(生理開始から約14日後)に起こることが多く、中間痛とも呼ばれます。
痛みが数時間〜2日程度でおさまることが多いのが特徴です。痛みの程度については個人差が大きく、全く痛みを感じない人もいれば、日常生活に支障が出るほど強い痛みを感じる人もいます。
排卵痛の主な症状
排卵痛の症状は、下腹部のチクチクとした痛みやズキズキとした痛みが代表的です。痛む場所は下腹部の中でも片側だけに現れることが多いですが、両側に感じる場合もあります。
主な症状としては、下腹部の痛みのほかに、少量の出血(排卵出血)、むくみ、眠気、吐き気、おりものの変化が起こることがあります。
痛みの位置は人によって様々です。下腹部以外にも、腰の痛みや胸の痛みを伴うケースもあります。症状だけで排卵痛かどうかを見極めることは難しいです。ただし、生理痛に近い違和感が、生理と生理の間に起こった場合は、排卵痛の可能性が高いと言えるでしょう。
排卵痛が起こるメカニズム
引用元:政府広報オンライン「2.妊娠が成立するまで」
排卵痛は、卵胞が成熟し、卵巣の表面を破って卵子が放出される際に起こります。この時、少量の出血を伴うこともあり、その刺激が痛みを引き起こす原因の一つと考えられています。
この痛みは生理痛とは異なるものです。卵胞液や血液が腹膜を刺激することで、下腹部や腰、胸などに痛みを生じさせることがあります。
40代の方でも排卵は続き、閉経を迎えると排卵は起こらなくなります。閉経後にもかかわらず痛みを感じる場合は、他の原因が考えられるため、婦人科を受診するようにしましょう。
排卵痛の見極め方は?膀胱炎との違い
排卵の時期に下腹部痛を感じるのであれば、それが排卵痛です。具体的には、下腹部、特に左右どちらかの卵巣があるあたりにチクチク、ズキズキとした痛みを感じることが一般的です。生理痛にも近い症状が起こることもあります。
膀胱炎では下腹部痛が生じることがありますが、排尿時の痛み(排尿痛)や残尿感、頻尿といった症状を伴うことが特徴です。排卵痛の場合は、これらの排尿に関する症状は見られません。
見極める方法として最も簡単なのは、基礎体温をつけることです。
引用:オムロン「基礎体温の周期って?」
基礎体温が下がってから上昇し始める約3日間が排卵期とされており、この期間に下腹部痛が起こった場合は、排卵痛だと認識していいでしょう。
通常、排卵痛は数時間から長くても数日で治まります。しかし、痛みが長く続いたり、日常生活に支障が出るほど強い場合は、子宮内膜症などの他の病気が隠れている可能性もあります。 このような場合は、自己判断せず、すみやかに婦人科を受診してください。
排卵痛を和らげる対処法
排卵痛の程度は人それぞれで、全く痛みを感じない人もいれば、日常生活に支障が出るほどの痛みを感じる人もいます。ここでは、排卵痛を和らげるための対処法を2つ紹介します。
対処法1|エルペインやロキソニンなどの鎮痛剤を飲む
排卵痛でつらいときは、ドラッグストアなどで市販されている鎮痛剤を服用するのも一つの方法です。エルペインなど、痛みを和らげる効果のある市販薬はいくつかあります。
ロキソニンやバファリン、イブなども効果があるとされているため、薬剤師などに相談しながら、自分に合った薬を選ぶと良いでしょう。
鎮痛剤は一時的に痛みを抑える効果がありますが、根本的な解決にはなりません。痛みが続く場合や、市販薬で効果がない場合は、婦人科を受診することをおすすめします。
対処法2|低用量ピルで排卵自体を抑える
排卵痛が重い場合、低用量ピルを服用することで、一時的に排卵を抑え、痛みを軽減することが可能です。また、低用量ピルには、生理痛の軽減や生理周期の安定化、避妊効果があります。
ただし、ピルの服用には副作用のリスクもあるため、医師とよく相談することが大切です。服用を検討する場合、低用量ピルは医師の処方が必要なため、婦人科を受診し、相談の上で服用を開始する必要があります。
低用量ピルを処方してもらうならオンライン診療がおすすめ!
低用量ピルは、婦人科で処方してもらう必要があります。しかし、忙しくてなかなか通院する時間が取れない方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのがオンライン診療です。
オンライン診療なら、自宅や職場など、自分の都合の良い場所で診察を受けられるので、気軽に低用量ピルを処方してもらうことができます。
参考:厚生労働省「健康・医療 オンライン診療について」
排卵痛に関するよくある質問
多くの女性が経験する痛みですが、その程度や症状には個人差があります。ここでは、排卵痛に関するよくある質問とその回答を紹介します。
- 痛みはどのくらい続くのが普通ですか?
- 排卵痛の持続期間は、数時間から数日間と個人差があります。例えば、半日程度で治まる方もいれば、2日程度続く人もいます。
しかし、3日以上痛みが続く場合は、ほかの病気が隠れている可能性も考えられるため、早めに婦人科へ受診するようにしてください。
- 排卵痛と一緒に腰痛があるのは正常?
- はい、排卵痛に伴って腰痛が現れることは珍しくありません。
排卵の際に少量の出血が起こり、それが腹膜を刺激することで腰痛が生じることがあります。また、下腹部の痛みと関連して、腰のあたりにも違和感や鈍痛を感じる場合もあります。
- いつもより痛みが強い場合は?
- いつもより痛みが強い、あるいは長引く場合は、子宮内膜症や卵巣嚢腫などの病気が隠れているかもしれません。我慢せずに婦人科を受診し、適切な検査と治療を受けることをおすすめします。
また、40代以降で排卵痛が強くなった場合も、一度医師に相談してみましょう。閉経が近づくとホルモンバランスが乱れやすく、排卵痛の症状が変化することもあります。
ロキソニンなどの鎮痛剤で一時的に痛みを軽減することはできますが、根本的な解決にはなりません。自己判断で薬を服用し続けるのではなく、医療専門家のアドバイスを受けることが大切です。
まとめ
排卵の痛み、つまり排卵痛は、排卵日前後に下腹部や腰に起こることがあります。主な症状は、チクチクする痛みや下腹部の張りなどですが、通常は数時間から数日で自然に治まることがほとんどです。
ただし、排卵痛がひどい場合や、いつもと違う痛みを感じる場合は、婦人科を受診して相談しましょう。
排卵痛は、排卵時に卵胞が破裂し、卵巣内の液体や血液が腹膜を刺激することで起こると考えられています。和らげるには、市販の鎮痛剤を服用したり、低用量ピルで排卵を抑制するのがおすすめです。
低用量ピルは、排卵痛の緩和だけでなく、月経周期の安定や避妊効果も期待できます。医師の処方が必要になりますが、オンライン診療なら、自宅にいながら医師に相談することが可能です。興味がある方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。