排卵は、成熟した卵子が卵巣から放出される現象で、生理周期とも密接に関わっています。妊娠を望む方にとって、この排卵日の把握はとても重要ですよね。
この記事では、排卵日の基本的な知識から、妊娠しやすい時期、そしてご自身でできる確認方法まで、わかりやすく解説します。ご自身の排卵日を予測し、体調や妊娠のタイミングを理解する参考にしてみてください。
目次
排卵日は卵子が放出される日のこと
排卵日とは、卵巣から成熟した卵子が放出される日のことです。妊娠を望む場合、排卵日を把握することはとても重要です。
排卵タイミングの目安は次の生理開始日から14日程度遡った日
生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間です。一般的には25〜38日程度で、平均28日と言われています。
排卵日は一般的に、次の生理開始予定日から14日程度遡った日です。生理周期が28日の場合、生理開始日から約14日後に排卵が起こると考えられます。
しかし、生理周期は人それぞれ異なり、常に一定とは限りません。そのため、排卵日を正確に予測するのは難しい場合がほとんどです。
排卵のメカニズム
引用元:政府広報オンライン「2.妊娠が成立するまで」
卵巣の中では、毎月いくつかの卵子が成熟に向けて準備を始めます。そして、その中から選ばれた一つの卵子が、卵胞と呼ばれる袋から飛び出して、卵管へと向かいます。これが排卵です。
妊娠するためには、「排卵」「射精」「受精」「着床」という4つの段階があります。女性の身体は月に一度排卵することで、「射精」が行われた際に「受精」するための準備をしているのです。
排卵日の2日前が最も妊娠しやすい!
排卵日は、妊娠を望む方にとってとても大切な日です。排卵日はいつか、妊娠しやすい時期はいつなのかを知っておくと、妊娠の計画を立てやすくなります。
卵子の受精能力は排卵後24時間なのに対し、精子は体内で2〜3日程度生存することが可能です。そのため、排卵のタイミングより前に射精をして、待ち構えてあげる方が受精の成功率が上がると考えられています。
一般的に排卵日の4~5日前から排卵日当日までが、妊娠しやすい時期です。特に、排卵日の1〜2日前が最も妊娠しやすいと言われています。
排卵日を確認する方法
排卵日を把握することは、妊娠を望む方にとって大きな一歩です。ここでは、ご自身で排卵日を確認する方法をいくつかご紹介します。
確認方法1|排卵日予測検査薬
引用元:ロート製薬「排卵日予測検査薬」
市販の排卵日予測検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度を測定することで、排卵日を予測します。排卵日が近づくとLHの濃度が急激に上昇するため、検査薬で陽性反応が出れば、24〜36時間以内に排卵が起こると考えられます。
排卵検査薬の使い方は、基本的に妊娠検査薬と同様です。ただし、排卵検査薬の場合は次の生理予定日の17日前から毎日使用し、陽性が出るまで続けます。
確認方法2|基礎体温の変化
引用:オムロン「基礎体温の周期って?」
基礎体温は、毎朝目覚めた直後に安静にした状態で測定する体温のことです。排卵が起こると、プロゲステロンというホルモンの分泌が増加し、基礎体温が上昇するため、基礎体温を毎日記録することで、排卵日を特定することができます。
基礎体温の上昇は0.3〜0.5℃程度とわずかですが、記録を続けることで変化が把握できるようになります。低温期から高温期に移行する時期が排卵日と推定されます。
確認方法3|オギノ式による計算
オギノ式は、過去の月経周期から排卵日を推定する方法です。計算方法は、「次の生理予定日マイナス14日」です。例えば、月経周期が28日の場合、次の生理予定日から14日を引いた日が排卵日の目安となります。
ただし、月経周期が不規則な方の場合、オギノ式では正確な排卵日を特定するのが難しい場合があるため、注意が必要です。
確認方法4|病院での超音波検査
病院では、超音波検査によって卵胞の大きさや状態を確認することで、排卵日を正確に特定することができます。他の方法では排卵日が特定できない場合や、より正確な排卵日を知りたい場合に有効です。医師の指示に従って検査を受けてください。
排卵日に起こりやすい身体的特徴
排卵日には、身体に様々な変化が現れます。これらの変化に気づけば、排卵日を予測する手がかりとなります。
特徴1|排卵痛がある
排卵痛は、排卵の際に下腹部や腰に軽い痛みを感じる症状です。生理痛に似た痛みを感じる方もいれば、チクチクとした痛みを感じる方もいます。個人差が大きく、痛みを感じない方もいます。排卵痛を感じた場合、排卵が起こっている可能性が高いと言えるでしょう。
特徴2|おりものが増える
排卵日が近づくと、おりものの量が増え、水っぽく透明になります。これは、精子が子宮に入りやすくするための身体の反応です。
おりものが、卵白のように伸びる状態であれば、排卵日が近いと考えられます。この時期は妊娠しやすい時期なので、妊娠を希望する方は、性交渉のタイミングを意識してみましょう。
特徴3|排卵出血
排卵出血とは、排卵の際に少量の出血が起こる症状です。排卵出血が起こることは稀で、毎回出血するわけではありません。出血量は少なく、おりものに血が混じる程度です。生理とは異なり、出血期間は短く、1〜2日で終わることが一般的です。
まとめ
排卵日とは、卵巣から成熟した卵子が放出されるタイミングのことを指します。通常、生理周期の中で1回起こり、妊娠を希望する方にとって重要な目安となります。
最も妊娠しやすい時期とされているのは、排卵日の2日前です。排卵日を確認する方法としては、排卵日予測検査薬の使用、基礎体温の測定、オギノ式による計算、病院での超音波検査などがあります。ご自身のライフスタイルに合った方法を選び、継続的に記録することで、排卵日のパターンが見えてくるでしょう。
また、排卵日付近には、排卵痛、おりものの増加、排卵出血などの身体的特徴が現れることがあります。これらの変化は個人差が大きいため、普段から自分の体調を観察し、変化に気づけるようにしておくことが大切です。
排卵日を意識することで、妊娠の可能性を高めるだけでなく、ご自身の体調管理にも役立ちます。まずは、ご自身の生理周期を把握し、排卵日予測に役立つ情報を活用してみましょう。