マンジャロは本来2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、臨床試験で顕著な体重減少効果が見られたことから、メディカルダイエットの分野で大きな注目を集めています。その最大の特徴は、GLP-1とGIPという2種類のホルモンの受容体に同時に作用する世界初の「デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬」である点です。
この記事では、マンジャロがなぜ痩せるのか、そのメカニズムを3つの理由に分けて詳しく解説します。実際の使用者へ実施したアンケートや他のGLP-1薬との比較、効果が出るまでの期間まで包括的に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
三重大学医学部医学科を卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院にて糖尿病・代謝・内分泌内科を専門とする臨床経験を積み、専門医としての研鑽を重ねる。糖尿病、脂質異常症、甲状腺疾患、副腎疾患、骨粗鬆症などの内分泌・代謝疾患に幅広く対応し、生活習慣病を含む慢性疾患の包括的な管理に精通している。専門は「糖尿病・代謝・内分泌」。エビデンスに基づいた診療と、患者一人ひとりの生活背景を重視したきめ細やかな医療を実践している。
目次
そもそもマンジャロとは？なぜダイエット効果があるのか
マンジャロは、本来は2型糖尿病の治療薬として開発された医薬品です。しかし、その臨床試験の過程で、血糖値を改善する効果に加えて、多くの被験者に顕著な体重減少効果が見られたことから、メディカルダイエットの分野で大きな注目を集めるようになりました。
その最大の特徴は、GLP-1とGIPという2種類のホルモンに同時に作用する、世界初の「デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬」である点です。従来のGLP-1受容体作動薬（リベルサスやオゼンピックなど）が持つ食欲抑制効果に加え、GIPの作用による脂肪燃焼の促進効果も併せ持つため、より強力なダイエット効果が期待できます。
この高い効果が評価され、海外（米国など）では肥満症の治療薬としても「Zepbound（ゼップバウンド）」という名称で正式に承認されています。
マンジャロが痩せる3つの理由
マンジャロがなぜこれほど高いダイエット効果を発揮するのか。その秘密は、「GLP-1」と「GIP」という2つのホルモンへのアプローチに隠されています。
理由1｜食欲を抑える「GLP-1作用で“食べたい”を抑制」
ダイエットにおける最大の壁は、多くの場合「食欲との戦い」です。マンジャロは、このつらい精神的な戦いを、体の内側からサポートしてくれます。
その鍵となるのがGLP-1の作用です。GLP-1は、脳の奥深くにある食欲をコントロールする司令塔「視床下部」に直接働きかけます。これにより、満腹感を感じるためのハードルが下がり、少ない食事量でも脳が「もう十分満足した」というサインを出しやすくなります。
その結果、「お腹が空いたから食べる」という生理的な欲求や、「ストレスでついドカ食いしてしまう」といった衝動的な欲求が自然と落ち着いていきます。 これは、根性で食欲を「我慢する」のとは全く異なり、そもそも過剰な食欲が湧きにくくなるため、精神的なストレスが非常に少ないのが特徴です。無理なく、自然な形で摂取カロリー全体を減らすことが可能になります。
理由2｜満腹感を長く保つ「胃の動きをゆるやかにする」
せっかく食事の量を減らせても、すぐにお腹が空いてしまっては意味がありません。マンジャロは、この「腹持ち」の問題にも科学的にアプローチします。
GLP-1には、胃から小腸へ食べ物が送り出されるスピードを意図的に遅らせる「胃内容物排出遅延作用」があります。通常よりもゆっくりと消化が進むため、物理的に胃の中に食べ物が長く留まることになります。
これにより、二つの大きなメリットが生まれます。一つは、「少量でもお腹がいっぱい」という満腹感が、非常に長く続くことです。昼食に食べたものが夕食までしっかりとお腹に残っているような感覚で、つらい間食や、夕食前のドカ食いを防ぐことができます。もう一つは、糖質の吸収が緩やかになることで、食後の血糖値の急上昇（血糖値スパイク）が抑えられる点です。血糖値が安定すると、眠気やだるさを感じにくくなるだけでなく、脂肪を溜め込む働きのあるインスリンの過剰な分泌も防ぐことができます。
理由3｜脂肪をエネルギーとして使いやすくする「GIP作用」
マンジャロが他のGLP-1薬と一線を画し、「次世代の痩せ薬」とまで呼ばれる最大の理由が、この「GIP」への強力な作用です。GLP-1が主に「摂取カロリーを減らす」守りのアプローチだとすれば、GIPは「エネルギー消費を高める」攻めのアプローチを担います。
GIPは、インスリンの分泌をサポートして血糖値を下げるだけでなく、脂肪細胞に直接働きかけ、エネルギーとして脂肪を燃焼させるプロセスを活性化させると考えられています。また、食事から摂取したブドウ糖などの栄養素を、脂肪として蓄積するのではなく、効率よくエネルギーとして利用するように促す働きも報告されています。
つまり、マンジャロはGLP-1の作用で食事からのエネルギー摂取を抑えつつ、GIPの作用で体に蓄積された脂肪の燃焼を促進するという、「守り」と「攻め」の二刀流で体重減少を強力にサポートするのです。これにより、単なる食事制限によるダイエットよりも、より効率的で、体質改善に近いレベルでの効果が期待できます。
マンジャロで実際どのくらい痩せる？アンケート結果から見る現実的な数値
では、実際にマンジャロを使った人は、どのくらいの期間で何キロ痩せているのでしょうか。使用者139名を対象とした独自アンケートの結果を見てみましょう。
- 1〜5kg痩せた人：83人（約57%）
- 6〜10kg痩せた人：47人（約32%）
- 10kg以上痩せた人：4人（約3%） ※11kg以上の合計
この調査結果から、最も多かったのは「1〜5kg」の減量で、全体の約57％を占めました。次いで「6〜10kg」の減量が約32％となっており、この2つの層で全体の約9割を占めています。
10kg以上の大幅な体重減少を達成した方は約3%と少数派であり、多くの人が数ヶ月かけて「緩やかに、しかし着実に体重が減っていく」タイプの効果を実感していることがわかります。
マンジャロが他のGLP-1薬より「痩せる」理由
なぜマンジャロは、リベルサスやオゼンピックといった従来のGLP-1薬よりも高い効果が期待できるのでしょうか。その違いは、作用するホルモンの数にあります。
| 比較項目 | マンジャロ | GLP-1単剤（例：リベルサス） |
|---|---|---|
| 作用ホルモン | GIP＋GLP-1（デュアル） | GLP-1単独 |
| 主な作用 | 食欲抑制＋脂肪代謝促進 | 食欲抑制のみ |
| 効果の強さ | 高い（体重減少率15〜20％） | 中程度（5〜10％） |
| 投与頻度 | 週1回注射 | 毎日服用（経口） |
結論として、マンジャロはGLP-1単剤が持つ「食欲抑制」の効果に加えて、GIPによる「脂肪代謝促進」という二重の痩身作用が働くため、より強力で効率的な体重減少を可能にしているのです。
マンジャロはいつから痩せる？効果が出るまでの期間
効果の現れ方には個人差がありますが、一般的には治療を開始して2〜4週間ほどで、食欲の変化や体重の減少を実感し始める方が多いです。
- 初期（〜1ヶ月）：食欲が自然と落ち、体重が1〜3kg程度減少する。
- 中期（3ヶ月頃）：平均して-5kg前後の体重減少を達成する方も多い。
- 長期（半年頃）：継続することで-10kg以上の大幅な減量も期待できる。
ただし、投与初期は吐き気や倦怠感といった副作用が出やすい時期でもあります。これらの症状は多くの場合、体が薬に慣れる1〜2週間で落ち着いていくため、焦らずに治療を続けることが大切です。
マンジャロ治療を始めるなら、ミライメディカルクリニックがおすすめ！
マンジャロダイエットに関心があり、手軽に始めたいとお考えであれば、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめです。オンラインでマンジャロの診察から処方、そして薬の受け取りまでをスムーズに行えます。
自宅や職場など、場所を選ばずに医師の診察を受けられるため、医療機関への移動時間や待ち時間を気にすることなく、ご自身の都合の良い時間にオンラインで相談が可能です。これは、ダイエットを継続していく上での大きな利便性と言えるでしょう。
また、オンライン診療でありながらも、医師による丁寧なカウンセリングと診察を受けることができます。マンジャロダイエットに関する疑問や不安をじっくりと相談し、ご自身の健康状態やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスを受けることができます。
なお、マンジャロ注射以外にも、リベルサスやメトホルミン、フォシーガなどの服用タイプの薬剤もあるため、医師と相談の上、ご自身に合ったものを検討してみてください。
まとめ｜マンジャロが「なぜ痩せるか」を理解して賢く使う
マンジャロ使用者139人への独自アンケート調査では、1〜5kg痩せた人が約57%、6〜10kg痩せた人が約32%、10kg以上痩せた人が約3%という結果で、約9割が1〜10kgの体重減少を経験しています。多くの人が数ヶ月かけて緩やかに、しかし着実に体重が減っていくタイプの効果を実感しています。
マンジャロが痩せる理由は、GLP-1作用による食欲抑制、胃内容物排出遅延作用による満腹感の持続、GIP作用による脂肪代謝促進の3つです。GLP-1が脳の視床下部に働きかけて満腹感を感じやすくし、胃の動きを緩やかにすることで少量でも長く満腹感が続きます。さらにGIPが脂肪細胞に直接働きかけて脂肪燃焼を活性化させ、摂取カロリーを減らしながら蓄積された脂肪の燃焼を促進する二刀流でダイエットをサポートします。
従来のGLP-1単剤（リベルサスなど）と比較して、マンジャロはGIPとGLP-1のデュアル作用により体重減少率15〜20%と、GLP-1単剤の5〜10%よりも高い効果が期待できます。効果の現れ方には個人差がありますが、一般的には治療開始から2〜4週間で食欲の変化や1〜3kg程度の体重減少を実感し始め、3ヶ月頃に平均-5kg前後、半年継続で-10kg以上も期待できます。
ミライメディカルクリニックのようなオンライン診療なら、マンジャロのメカニズムや効果的な使い方について専門医に相談しながら、科学的根拠に基づいた安全なダイエットが可能です。治療を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
