2型糖尿病治療薬として注目されているマンジャロは、その優れた効果からダイエット目的での使用を検討する人も増えているのが現状です。しかし、マンジャロの強力な作用には相応のリスクも伴います。
この記事では、マンジャロの危険性が懸念される具体的な理由から、起こりうる副作用、そして絶対に避けるべき使用法まで、安全に治療を進めるために知っておくべき重要な情報を詳しく解説します。マンジャロの使用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に掲載されている体験談や口コミは、あくまで個人の感想です。効果・効能には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。また、本記事の内容は医学的アドバイスではありませんので、使用を検討される際は必ず医師にご相談ください。

三重大学医学部医学科を卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院にて糖尿病・代謝・内分泌内科を専門とする臨床経験を積み、専門医としての研鑽を重ねる。糖尿病、脂質異常症、甲状腺疾患、副腎疾患、骨粗鬆症などの内分泌・代謝疾患に幅広く対応し、生活習慣病を含む慢性疾患の包括的な管理に精通している。専門は「糖尿病・代謝・内分泌」。エビデンスに基づいた診療と、患者一人ひとりの生活背景を重視したきめ細やかな医療を実践している。
目次
マンジャロの危険性が懸念される3つの理由

マンジャロ(チルゼパチド)は、世界で初めてのGIP/GLP-1受容体作動薬という新しいタイプの2型糖尿病治療薬です。従来のGLP-1受容体作動薬に比べ、血糖降下作用や体重減少効果が非常に高いことが特徴で、大きな注目を集めています。
しかし、その効果の高さゆえにいくつかの危険性が指摘されていることも事実です。ここでは、マンジャロの危険性が懸念される主な理由について解説します。
理由1|強い副作用や急激な体重減少のリスクがある
マンジャロは、特に治療開始初期に胃腸障害(吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛など)といった副作用が高頻度で現れることが報告されています。多くの場合は時間と共に軽快しますが、症状が強く現れることも少なくありません。
また、その強力な体重減少効果から、予期せぬ急激な体重減少をきたす可能性があります。適切な栄養管理や医師の指導なしに体重が急激に減少すると、筋肉量の低下や栄養失調、電解質異常などを引き起こし、健康を著しく害する危険性があるため注意が必要です。
理由2|自己判断や適応外使用による健康被害の可能性がある
マンジャロは本来、2型糖尿病患者の治療薬として承認された医薬品であり、医師の厳格な診断と処方のもとで使用されるべきものです。しかし、その高い痩身効果が注目され、美容やダイエット目的で安易に自己判断で使用するケースが懸念されています。
糖尿病ではない人が使用した場合、低血糖のリスクが特に高まります。重度の低血糖は命に関わることもあるため、医師による適切な処方が不可欠です。
理由3|自由診療での使用は副作用被害救済制度の対象外となる
日本には、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した重篤な健康被害に対して、医療費や年金などを給付する「医薬品副作用被害救済制度」があります。しかし、この制度は、国内で承認された効能・効果、用法・用量で医薬品を使用した際に適用されるものです。
そのため、2型糖尿病の治療目的ではなく、ダイエット目的などの「適応外使用」として自由診療でマンジャロを処方された場合、万が一重篤な副作用が生じても、この救済制度の対象外となり、十分な補償を受けられない可能性があります。
事前に知っておきたい!マンジャロの主な副作用
マンジャロは、高い血糖改善効果と体重減少効果が期待できる一方で、いくつかの副作用が報告されています。治療を安全に進めるためには、どのような副作用があるのかを事前に理解しておくことが重要です。
マンジャロの主な副作用は消化器系症状が多い

(KEGG「医療用医薬品:マンジャロ」を元に編集部作成)
マンジャロの投与で比較的多くみられる副作用は、消化器系の症状です。特に、治療の開始時や投与量を増やした際に、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退などが現れることがあります。
これらの症状は、治療を継続するうちに体が薬剤に慣れていくことで自然に軽快していく場合がほとんどです。しかし、症状が長く続いたり、日常生活に支障をきたしたりするほど強い場合には、無理をせず速やかに医師や薬剤師に相談する必要があります。
マンジャロで稀に起こる重篤な副作用
頻度は低いものの、マンジャロの使用中に注意すべき重篤な副作用も存在します。
副作用名 | 初期症状 |
---|---|
低血糖 | 高度な空腹感、冷汗、手足の震え |
急性膵炎 | 激しい上腹部の痛み、または腰背部の痛み、発熱、吐き気、嘔吐、食欲の低下 |
胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸 | 上腹部、特に右季肋部の痛み、発熱、皮膚や結膜などの黄染(黄色くなる) |
アナフィラキシー、血管性浮腫 | じんましん、目や口唇周囲の腫れ、呼吸困難(気道のむくみによる) |
イレウス | 排便の停止、腹痛、腹部膨満感、食欲不振、悪心、嘔吐 |
参考:くすりのしおり「マンジャロ皮下注2.5mgアテオス」
上記の重篤な副作用は命に関わる可能性もあるため、初期症状を見逃さず、異常を感じたらすぐに医療機関に連絡してください。
関連記事:「マンジャロの副作用は?対処法や使用時の注意点も解説」
マンジャロの危険性が高まる使用法は?NG行為3選
マンジャロは、使い方を誤ると深刻な健康被害を引き起こすリスクが著しく高まります。ここでは、特に避けるべき危険な使用法を3つ紹介します。マンジャロを安全に使用するために、以下の行為は控えるようにしてください。
NG行為1|医療機関を通さずに個人輸入で入手する
医師の処方箋なしに、海外のサイトなどからマンジャロを個人輸入する行為は極めて危険です。個人輸入で入手した製品は、偽造品や不純物が混入した粗悪品である可能性が否定できません。有効成分が全く入っていなかったり、逆に過剰に含まれていたり、あるいは全く異なる有害な物質が含まれている危険性もあります。
このような製品を使用すれば、期待した効果が得られないばかりか、予期せぬ重篤な健康被害を招く恐れがあります。万が一、健康被害が起きてもすべて自己責任となるため注意が必要です。
参考:厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」
NG行為2|該当しない人や持病持ちの人が自己判断で使う
マンジャロは、全ての人が安全に使える薬ではありません。過去に膵炎や甲状腺髄様癌の既往がある方やその家族歴がある方、重度の胃腸障害を持つ方など、マンジャロの使用が禁忌、あるいは慎重な判断を要する場合があります。
医師は診察を通じてこれらのリスクを評価した上で処方の可否を判断しますが、本来は治療対象ではない人が医師の診断を経ずに自己判断で使用すると、思わぬ副作用に見舞われるリスクが高まります。必ず医師の診察を受けてから使用することが大切です。
NG行為3|適切な用法や容量を守らない
マンジャロは、副作用のリスクを最小限に抑えるため、低い用量から開始して体の状態を見ながら段階的に増量していく必要があります。早く効果を得たいからと自己判断で高用量を使用したり、医師の指示した以上の量を投与したりする行為は、消化器症状をはじめとする副作用の発現リスクを急激に高めるため、絶対に行うべきではありません。
また、週に1回という定められた投与間隔を守らないことも、血中濃度の不安定化を招き、効果が適切に得られないだけでなく、副作用のリスクを高める要因となります。用法・用量を厳守することが重要です。
マンジャロの処方なら、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめ
マンジャロダイエットに関心があり、手軽に始めたいとお考えであれば、オンライン診療のミライメディカルクリニックがおすすめです。オンラインでマンジャロの診察から処方、そして薬の受け取りまでをスムーズに行えます。
自宅や職場など、場所を選ばずに医師の診察を受けられるため、医療機関への移動時間や待ち時間を気にすることなく、ご自身の都合の良い時間にオンラインで相談が可能です。これは、ダイエットを継続していく上での大きな利便性と言えるでしょう。
また、オンライン診療でありながらも、医師による丁寧なカウンセリングと診察を受けることができます。マンジャロダイエットに関する疑問や不安をじっくりと相談し、ご自身の健康状態やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスを受けることができます。
なお、マンジャロ注射以外にも、リベルサスやメトホルミン、フォシーガなどの服用タイプの薬剤もあるため、医師と相談の上、ご自身に合ったものを検討してみてください。
まとめ
マンジャロは体重減少効果が期待される一方、その強力な作用ゆえに適切な使用が不可欠となります。特に注意すべきは、治療初期の胃腸障害や急激な体重減少、低血糖などの副作用リスクです。
また、個人輸入での入手や自己判断での使用は、偽造品のリスクや重篤な健康被害を招く可能性があり、万が一の際には副作用被害救済制度の対象外となってしまいます。適切な用法・用量を守らない使用も、副作用リスクを著しく高める要因となるため注意が必要です。
マンジャロの使用を検討する際は、必ず医師の診察を受け、定期的な経過観察のもとで慎重に治療を進めることが重要です。気軽にマンジャロを処方してもらいたいなら、オンライン診療のミライメディカルクリニックへご相談ください。