パートナーのいびきがすごいと、心配になったり、ご自身の睡眠が妨げられたりして悩むかもしれません。「彼女のいびきがすごくて眠れない」「どう伝えれば傷つけずに済むだろう」という方にまず大前提として知ってほしいのは、いびきは睡眠中の無意識の現象であり、本人に悪気はないということです。単に指摘するだけでは傷つけるだけになるため、原因に寄り添い、一緒に改善に取り組む姿勢が重要です。
この記事では、彼女のいびきがすごいと感じる主な原因、角が立たない伝え方、具体的な対策、別れたいほどつらいと感じたときに考えたいこと、病気のサインと受診まで解説します。彼女との関係を守りながらいびきを改善したい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
まず「彼女のいびきがすごい」と感じたときに知ってほしいこと

画像引用元:PRTIMES「<2025年 いびきに関する実態調査>いびきに関する最新調査報告発表!」
パートナーのいびきがすごいと、心配になったり、ご自身の睡眠が妨げられたりして悩むかもしれません。まず大前提として知っておいてほしいのは、いびきは睡眠中の“無意識”の現象であり、本人に悪気はないということです。
いびきは中高年男性特有の悩みだと思われがちですが、上記の調査データが示すように、「いびきに悩んでいる(または過去に悩んでいた)」と回答した人は、全体で48.5%、男性では54.2%、女性でも42.8%に達しています。このように、いびきは男女問わず非常に多くの人が抱える悩みであり、20代や30代でも発生します。
そのため、単に指摘したり不満を伝えるだけでは、傷つけるだけになってしまうでしょう。パートナーとの関係を良好に進めたいのであれば、思い当たる原因に対して寄り添ったり、改善に向けて解決策を提示するなどの対応が必要不可欠です。
「彼女のいびきがすごい」と感じる主な原因
いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、そこを空気が通過する際に粘膜が振動して起こります。彼女のいびきが一時的にひどい場合もあれば、慢性的な原因が隠れている場合もあります。
原因1|疲労やストレスによる一時的ないびき
仕事が忙しく極度に疲労している時や、精神的なストレスが溜まっている時は、全身の筋肉が通常よりも強く弛緩(ゆるむ)します。これには喉や舌を支える筋肉も含まれるため、舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道を狭めていびきが発生しやすくなります。
原因2|飲酒・寝不足による喉の緩み
特に就寝前のアルコール摂取は、いびきを誘発・悪化させる大きな原因です。アルコールには筋肉を弛緩させる作用が強いため、喉の筋肉がだらんと緩み、気道を塞ぎやすくなります。また、寝不足が続いている状態も、疲労と同様に筋肉の緩みを引き起こします。
原因3|鼻炎・花粉症・鼻づまりなど呼吸系のトラブル
アレルギー性鼻炎や花粉症、風邪、あるいは鼻中隔弯曲症(鼻の骨が曲がっている)などの鼻疾患によって慢性的に鼻が詰まっていると、睡眠中に十分な空気を鼻から取り込めません。その結果、不足した酸素を補おうと無意識に「口呼吸」になります。口呼吸になると、鼻呼吸の時よりも舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、いびきが発生・悪化します。
原因4|睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性
もし、いびきが非常に大きいだけでなく、途中で「ピタッ」と音が止まり、しばらくして「グガッ」と苦しそうに呼吸を再開するような様子が見られたら、単なるいびきではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。これは気道が一時的に閉塞する状態で、日中の強い眠気や長期的な健康リスク(高血圧など)につながるため、特に注意が必要です。
「いびきがすごい彼女」にどう伝える?角が立たない伝え方
いびきは非常にデリケートな問題です。特に女性にとっては「恥ずかしい」という気持ちが強いため、伝え方を間違えると彼女を深く傷つけてしまう可能性があります。非難するのではなく、あくまで「心配している」というスタンスで伝えることが鉄則です。
- 「昨日ちょっと疲れてた?」と体調を気遣うトーンで
最も角が立たない切り出し方です。「いびきがうるさかった」と音の大きさ(迷惑)を主語にするのではなく、「昨日は呼吸が苦しそうだったけど、疲れてない?」「最近、ちゃんと眠れてる?」など、あくまで彼女の体調や睡眠の質を心配する形で切り出しましょう。「もしかしたら枕が合ってないのかもね」と、原因を道具のせいにするのも一つの手です。 - 録音して一緒に聞くと“客観的に”話しやすい
本人は自分のいびきを知らないため、どれほどうるさいか、あるいは呼吸が止まっているかを説明しても、なかなか深刻さが伝わらないことがあります。その場合は、いびきアプリなどを活用して客観的なデータを録音し、二人で事実を共有しながら話し合うと、彼女自身も問題を客観的に捉えやすくなります。 - 「健康のために対策してみようか」で前向きに誘導
いびきが恥ずかしいことではなく、健康(特にSASのリスク)に関わる問題であると理解してもらうことが重要です。「うるさいから治して」という命令ではなく、「もし睡眠の質が悪いなら、一緒に簡単な対策を試してみようか」と、二人で取り組む前向きな解決策として提案し、一緒に改善に取り組む姿勢を見せましょう。
彼女のいびきがすごいときに試したい具体的な対策
いびきの原因に合わせて、まずは手軽に試せる対策から始めてみましょう。深刻なSASが疑われる場合は別ですが、多くの場合、これらで軽減する可能性があります。
| 対策 | 効果 | 難易度 | コメント |
|---|---|---|---|
| 横向きで寝てもらう | 気道が広がり音が減る | ★☆☆ | 一番手軽 |
| 枕を変える | 首の角度を整える | ★☆☆ | 高さ3〜5cmが目安 |
| マウステープ | 口呼吸を防ぐ | ★★☆ | 貼るだけで簡単 |
| ナステント・鼻腔拡張具 | 鼻の通り改善 | ★★☆ | 慣れが必要 |
| スマホいびきアプリ | 音の記録と比較 | ★☆☆ | 一緒に聞くと効果的 |
| 耳鼻科・睡眠外来受診 | 原因を特定 | ★★★ | SAS疑いなら必須 |
「彼女と別れたいほどつらい」と感じたときに考えたい3つのこと
毎晩のいびきが原因でご自身の睡眠が深刻に妨害され、日中の体調不良やイライラが続き、「もう限界だ」「別れたいほどつらい」と感じてしまうこともあるかもしれません。それほど、睡眠妨害は深刻な問題です。
しかし、そう結論を出す前に、以下の3つの視点を持ってみてください。
ポイント1|本人も悩んでいる可能性が高い
あなたが「いびきがうるさくて眠れない」と物理的な苦痛を感じているのと同じで、彼女自身も「いびきをかいているかもしれない」という事実を対処できずに悩んでいる可能性があります。
特に女性にとって、いびきは男性が思う以上に「恥ずかしいこと」「女性らしくないこと」という社会的な偏見があり、非常にデリケートなコンプレックスとなり得ます。彼女は「もし彼に迷惑をかけていたらどうしよう」「うるさいと思われて嫌われたくない」と、不安を抱え込んでいるかもしれません。
さらに、いびきは睡眠中の無意識の現象であるため、自分の意志ではコントロールできません。あなたが我慢して何も言わずに不機嫌な態度を取ったり、寝室で距離を置いたりすると、彼女は「理由もわからず拒絶された」と感じ、さらに追い詰められてしまう悪循環に陥る危険性があるため、注意が必要です。
ポイント2|一時的な原因であることも多い
いびきの原因は、肥満や骨格といった根本的なものだけではなく、その時期特有の「一時的な体調の変化」であるケースも非常に多いのです。
例えば、前述したように、仕事の極度な疲労やストレスが溜まっている時期だったり、花粉症やアレルギー性鼻炎が発症し、鼻づまりで口呼吸になっているだけかもしれません。また、お酒を飲んだ日は、アルコールの筋弛緩作用で誰でもいびきが出やすくなります。
さらに言えば、女性特有のホルモンバランスの変化が影響している可能性もあります。例えば、妊娠中の体重増加によるものかもしれませんし、更年期に入り始めてホルモンバランスが変わり、喉の筋力が低下しやすくなっているのかもしれません。
これらは「彼女自身が変わってしまった」のではなく、あくまで「状況」や「体調」によるものです。適切な対策を行うことで、いびきが劇的に改善する可能性は十分にあります。「今」のつらさだけで、二人の未来を判断してしまうのは早計かもしれません。
ポイント3|責めるより“支える”方が関係は長続きする
「うるさくて眠れない!」「なんとかしてくれ!」と彼女を感情的に「責める」ことは、最も避けるべき対応です。それは彼女に深い自己嫌悪と羞恥心を抱かせ、二人の間に修復困難な亀裂を生む可能性があります。
いびきは、健康状態のバロメーターでもあります。つらい気持ちは一度脇に置き、「うるさい」と突き放すのではなく、彼女の体を気遣い「支える」姿勢を見せることが何よりも重要です。
これは「彼女一人の恥ずかしい問題」ではなく、「二人の睡眠の質と、二人の健康の問題」として捉え直すチャンスです。一緒に情報を集め、対策グッズを試し、必要であれば「一緒に検査に行ってみよう」と誘ってみるようにしてください。
「彼女のいびき=病気かも?」と思ったら

もし彼女のいびきが単にうるさいだけでなく、以下のような特徴が見られたら、それは治療が必要な病気のサインかもしれません。
いびきに加えて、睡眠中に呼吸が数十秒止まったり、呼吸が途切れたりする様子がアプリの録音やあなたの観察で確認できた場合、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の強い疑いがあります。SASは、日中の強い眠気や集中力低下だけでなく、長期的には高血圧、心疾患、脳卒中などのリスクを高めるため、放置は非常に危険です。
その場合は、二人で専門外来(睡眠センター、呼吸器内科、耳鼻咽喉科など)を受診し、検査を受けることを強く推奨します。検査の結果、SASと診断されれば、CPAP(シーパップ)療法や専用のマウスピース(スリープスプリント)治療などが、保険適用で受けられます。
関連記事:「CPAP(シーパップ)とは?睡眠時無呼吸症候群の治療法や具体的な使い方、費用目安を徹底解説」
まとめ|彼女のいびきは支えの姿勢で一緒に改善を
いびきは睡眠中の無意識の現象で本人に悪気はありません。中高年男性特有の悩みと思われがちですが、実際は男女問わず20代や30代でも発生し、女性の場合は疲労やホルモンバランスの変化でも引き起こされます。単に指摘するだけでは傷つけるだけなので、原因に寄り添い改善に向けて解決策を提示する対応が必要です。
彼女のいびきがすごいと感じる主な原因は4つです。疲労やストレスによる一時的ないびき、飲酒・寝不足による喉の緩み、鼻炎・花粉症・鼻づまりなど呼吸系のトラブル、睡眠時無呼吸症候群の可能性です。特にいびきが途中でピタッと止まり苦しそうに呼吸を再開する様子が見られたら、SASのサインかもしれません。
角が立たない伝え方として、体調を気遣うトーンで切り出す、録音して一緒に聞くと客観的に話しやすい、健康のために対策してみようかと前向きに誘導するという3つのポイントがあります。具体的な対策として、横向きで寝てもらう、枕を変える、マウステープ、ナステント・鼻腔拡張具、スマホいびきアプリ、耳鼻科・睡眠外来受診などがあります。
別れたいほどつらいと感じたときに考えたい3つのこととして、本人も悩んでいる可能性が高い、一時的な原因であることも多い、責めるより支える方が関係は長続きするというポイントがあります。これは二人の睡眠の質と健康の問題として捉え直すチャンスです。
睡眠中に呼吸が止まる様子が確認できた場合はSASの強い疑いがあり、専門外来で検査を受けることを推奨します。診断されれば、CPAP療法や専用マウスピース治療が保険適用で受けられます。
