避妊や月経関連の悩みを抱える女性にとって、低用量ピルは有効な選択肢の一つです。しかし、ピルの処方を受けるためには産婦人科での診察が必要不可欠です。
本記事では、産婦人科でピルを処方してもらう際の流れや注意点、費用、そして適切な産婦人科の選び方について詳しく解説します。
産婦人科でピルだけもらうことはできる?結論、コンビニで買うようにはもらえない!
結論から言うと、コンビニでジュースを買うようにはピルを貰えません。詳しく見ていきましょう。
産婦人科でピルだけをもらうことはできない理由
ピルの処方には、医師による診察と処方箋の発行が必要なので、産婦人科でピルだけをもらうことはできません。
理由としては、ピルは医療用医薬品に分類されているため、薬局で処方箋なしに購入することはできないということ。
そして、医師法第20条により、医師は自ら診察なしに治療や処方箋の交付を行うことが禁止されていることが挙げられます。そのため、産婦人科医が患者を直接診察せずにピルを処方することは法的に認められていません。
ピルの処方にあたっては、患者の健康状態や生理の状況、他の薬の服用歴などを医師が直接確認する必要があるため、産婦人科でピルだけをもらって帰るということはできないのです。
参考:厚生労働省「医師法」
ピルの処方は本人でないとダメ
原則として本人が受診しなければピルの処方はできないため、男性など、パートナーが代理でピルを処方してもらうこともできません。
ピルの処方にあたっては、ピルの効果や副作用、正しい服用方法などを本人が直接理解することが重要であり、パートナーなどの代理人では十分な理解が得られない可能性があるからです。
また、ピルを服用する際は、本人の健康状態や生理の状況、他の薬の服用歴などを医師が直接確認する必要があり、他者からの情報だけでは正確な判断が難しいため、本人の受診が必要になります。
ただし、処方箋があればピルの受け取り自体は本人以外でもできますので、体や心が辛いときは無理せずお願いしても良いでしょう。
産婦人科でピルを処方してもらう際の流れ
それでは、産婦人科でピルを処方してもらう際の具体的な流れを見ていきましょう。
STEP1.産婦人科の診療時間に合わせて、Webまたは電話で予約
予約なしでピル処方の相談に対応している産婦人科もありますが、予約をした方がスムーズに処方してもらえるので効率的です。
STEP2.問診票に記入
問診票を正確に記入することで、産婦人科側が受診者の状況を把握することができます。診察がスムーズに進むよう、問診ではなるべく正確な情報を記入しましょう。
STEP3.産婦人科医による診察を受ける
医師による診察で、ピルの効果や副作用、正しい服用方法の説明を受けます。
ピルを安全に服用するために必要な情報を得られるので、不安なことは遠慮なく質問しましょう。
STEP4.診察後、医師の判断でピルが処方される
医師の判断により、受診者に合わせて適切なピルを処方してもらいます。初回は1〜3ヶ月分、継続の場合は3〜6ヶ月分を処方されるのが一般的です。
処方されたピルは自宅で適切な方法で服用します。飲み忘れや副作用など、服用に関する不安や疑問があれば、気兼ねなく医師や薬剤師に相談しましょう。
高校生が産婦人科でピルだけもらう方法と注意点
高校生がピルを処方してもらうことは可能ですが、親の同意が必要になることもあります。ここでは高校生が産婦人科でピルを処方してもらう方法と注意点について解説します。
高校生が受診できる産婦人科を選ぶ
受診する産婦人科を選ぶ際に、親の同意が必要か確認してみましょう。
一般的には未成年者の医療行為には親の同意が必要とされていますが、一部の産婦人科では親の同意なしでもピルを処方してもらえる場合もあります。
電話で確認したり、インターネットで口コミを調べたりするのもおすすめです。
また、クリニックによっては学生証などの身分証の提示が求められることが多いので、事前に用意しておくことをお勧めします。
ピルに関する正しい知識を身につけておく
高校生がピルを処方してもらう際は、まず医師からのカウンセリングを受けることが重要です。ピルの効果や副作用、正しい服用方法などについて理解を深めることで、自分の身を守ることにつながります。
ピルの服用に伴うリスクを知っておくことも大切です。ピルには血栓症などの重大な副作用があり、喫煙者や肥満傾向にある人は特に注意しなければなりません。
また、ピルは高い避妊効果がありますが、100%避妊できるわけではありません。
避妊具を使わない性行為は性感染症の恐れもありますので、避妊具を併用することを心がけましょう。
ピルの処方に関する相談-学校や親に内緒でピルをもらう方法は?-
高校生の場合でも、一部の産婦人科では親の同意なしでもピルを処方してもらうことができます。しかし、親に内緒でピルを処方してもらうことは、親との信頼関係を損なう可能性もあるので、できれば相談しておくことが望ましいです。
避妊目的でピルを飲みたいとは言いづらいですが、ピルには避妊以外にもさまざまな効果があります。
- 月経不順
- 過多月経
- 月経痛
- PMSの緩和
このように避妊目的以外にも服用することができるため、別のメリットも伝えてピルをもらう方法もひとつの手です。
また、東京都福祉保健局では、中学生・高校生の思春期特有の様々な悩みに関する相談に答えてくれる窓口を設置しています。
アフターピル(緊急避妊薬)処方のための同行支援などもおこなっていますので、親に相談できない悩みを抱えている場合は、一人で抱え込まずに支援制度を活用してみてください。
※参考:東京都福祉保健局
産婦人科でピルだけもらう際の値段と費用
産婦人科でピルを処方してもらう際の費用は、ピルの種類や医療機関によって異なります。産婦人科でピルを処方してもらう際の値段と費用について詳しく解説します。
ピル処方のための診察料について
ピルを処方してもらうためには、医師による診察が必須ですが、診察料は初診時と再診時で金額が異なります。
- 初診料:0円~5,000円程度
- 再診料:0円~2,500円程度
診察料は医療機関によって異なるため、正確な値段を知りたい場合は、事前にホームページやクリニックに問い合わせて確認しましょう。
ピルの種類による価格差
ピルには、先発薬とジェネリック医薬品があり価格に大きな差があります。
- 先発薬ピル:1錠あたり1,000円前後
- ジェネリックピル:1錠あたり500円から800円程度
先発薬のピルは、開発費用が高額なため比較的高価ですが、ジェネリック医薬品のピルは、先発薬の特許が切れた後に販売される後発薬のため安価となっています。
注意点として、ジェネリック医薬品は先発薬と同じ有効成分を含んでおり、避妊効果に差はありませんが、添加物が異なるため、アレルギーなどに注意が必要です。
ピルの種類を選ぶ際は、価格だけでなく、自分の体質や生活スタイルに合ったものを選ぶことが重要ですので、医師に相談しながら適切なピルを処方してもらいましょう。
ピル処方にかかる総費用の目安
ピルを処方してもらう際の総費用は、診察料、ピルの価格、処方料や調剤料などを合わせた金額となります。
なお、医師が「病気の治療の一環として低用量ピルの服用が必要」として処方した場合を除いて、健康保険が適用されないため、ピルの処方は全額自己負担となります。
具体的な総費用の目安は以下の通りです。
先発薬のピルを処方する場合
初診料 | 0円〜4,000円 |
ピル代(3ヶ月分) | 7,000円~12,000円 |
処方料・調剤料 | 1,000円~2,000円 |
合計 | 8,000円~18,000円 |
ジェネリック医薬品のピルを処方する場合
初診料 | 0円〜4,000円 |
ピル代(3ヶ月分) | 1,500円~3,000円 |
処方料・調剤料 | 1,000円~2,000円 |
合計 | 2,500円~9,000円 |
このように、ピルを処方してもらう際の総費用は、数千円から1万円以上と幅があります。事前に医療機関に確認し、費用を把握しておくことが大切です。
また、ピルは長期的に服用する必要があるため、継続的に費用がかかることを念頭に置いておきましょう。
ピルの処方を希望する際の産婦人科選びのポイント
ピルを処方してもらうためには、産婦人科を受診する必要がありますが、地域によっては選択肢が限られていたり、ピルの処方に積極的でない医療機関もあるため、事前に産婦人科を慎重に選ぶことが大切です。
ここでは、ピルの処方を希望する際の産婦人科選びのポイントについて解説します。
ポイント1|ピルの種類の豊富さ
ピルには先発薬とジェネリック医薬品があり、さらに有効成分の種類も複数存在します。自分に合ったピルを選ぶためには、処方できるピルの種類が豊富な産婦人科を選ぶことが大切です。
また、ピルの有効成分にも違いがあり、体質によって合う合わないがあります。
途中から別のピルに切り替えることも少なくありませんので、少しでも身体の不調を感じた場合は、担当の医師に相談するようにしましょう。
代表的なピルには、
- トリキュラー
- マーベロン
- ファボワール
などがありますが、産婦人科によっては、処方できるピルの種類が限られている場合があります。
自分に合ったピルを見つけるためには、処方できるピルの種類が豊富な医療機関を選ぶと良いでしょう。
ポイント2|通いやすさ
ピルは継続して服用する必要があるため、通院の利便性も産婦人科を選ぶ際のポイントになります。
自宅や職場から近い産婦人科を選ぶ
ピルは継続して服用する必要があるため、定期的に医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
遠方の医療機関に通う場合は、交通費や時間的なロスが大きくなるため、なるべく自宅や職場から近い産婦人科を選ぶほうが通院の負担が少なくなるので通いやすいでしょう。
診療時間や予約の取りやすさ
産婦人科によっては、平日の昼間しか診療を行っておらず、仕事や学校との両立が難しいということがあります。
予約が埋まりがちでスケジュール調整が難しい場合も、スムーズな通院ができないことにつながります。
継続的な服用のためには、自分のライフスタイルに合わせて通いやすい産婦人科を探すことが大切です。
ポイント3|アフターフォロー
ピルを処方してもらった後も、副作用や体調変化、避妊効果への不安など、様々な相談ニーズが出てくるため、医療機関のアフターフォローが重要です。
具体的には、以下のようなサポート体制があると安心です。
- 電話やメールでの相談窓口の設置
- 定期的な再診予約の案内
- 副作用が出た際の対応の明確化
- 避妊に失敗した際の対処法の説明
特に、副作用が出た際の対応が重要です。副作用の症状によっては、ピルの種類を変更する必要があります。
そのような場合に、スムーズに対応してくれる医療機関を選ぶと良いでしょう。ピルを安全に続けるためには、サポートが期待できる医療機関を見つけることが大切です。
ピル処方ならオンライン診療もおすすめ
近年、オンラインで医師の診療を受けられるオンライン診療が増えており、ピルの処方を受ける際にも、オンライン診療を利用するのがおすすめです。
オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながらビデオ通話で医師の問診を受けることができ、ピルの処方が必要と判断された場合は処方箋が自宅に郵送されます。
ここではオンライン診療のメリット、デメリットについて解説していきます。
オンライン診療のメリット
オンライン診療のメリットについて具体的に説明していきます。
通院の手間が省ける
対面の医療機関に足を運ぶ必要がないため、移動時間や交通費がかからず、時間的・金銭的な負担が軽減されます。
低用量ピルは定期的な診察と処方が必要なので、通院の手間がなく通いやすいオンライン診療がおすすめです。
診療時間を気にせず受診できる
オンライン診療であれば、平日の昼間に限らず夜間や休日でも診療を受けられるサービスが多数あり、仕事や学校との両立がしやすくなります。
自宅までピルを郵送してくれるサービスもありますので、薬局に受け取りに行く手間も省くことが可能です。
人目を気にせず診療を受けられる
オンライン診療では、プライバシーが守られやすいというメリットもあります。
また、対面の医療機関に比べて、人目を気にせずに診療を受けられるため、恥ずかしさを感じにくいのもメリットとして挙げられます。
オンライン診療のデメリット
オンライン診療のデメリットについて解説していきます。
医師の診断が限定的になる可能性がある
対面診療であれば、医師が直接的に触診や視診をして総合的に判断することができますが、オンラインの場合は問診のみのため、診断が限定的になる可能性があります。
緊急時の対応が難しい
処方箋の郵送に時間がかかるため、緊急時の対応が難しい場合があります。
オンライン診療を利用する際は信頼できるサービスを選ぶことが大切であり、国が認可した事業者かどうかを確認し、口コミや評判もチェックしましょう。
なお、厚生労働省は、オンライン診療の安全で適切な利用のために知っておいてほしいこととして「安心・安全にオンライン診療を受けるためのチェックリスト」を公表しています。
このように、オンライン診療にはメリットとデメリットがあります。自分のニーズに合わせて利用するか検討してみてくださいね。
まとめ:産婦人科でピルだけもらうための重要ポイント
産婦人科でピルを処方してもらう際のポイントについて解説しました。
ピルは医療用医薬品のため、処方を受けるには医師の診察が必須ですが、処方箋があれば、本人以外でも受け取りは可能です。
産婦人科は慎重に選び、ピルの効果と副作用を十分に理解した上で、自分に合ったピルを処方してもらいましょう。
また、ピルの継続的な服用には費用がかかるため、自分のライフスタイルに合わせて適切な避妊法を検討することが大切です。
ピルは避妊効果が高い一方、副作用のリスクもあるため、医師からのアドバイスを参考に、適切な服用を守るようにしてください。
緊急アフピルであれば、避妊専門の医師が常に在籍しており、24時間365日待ち時間なしで無料相談が可能で、国内で承認されているアフターピルを8,800円(税込)〜販売しております。心配な方やアフターピルの購入を迷われている方は、お気軽にご相談ください。