抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒

抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒とは(よくかんさんかちんぴはんげ)

販売名ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 4.5gを含有する。
日局 半夏(ハンゲ)5.0g 日局 蒼朮(ソウジュツ)4.0g
日局 茯苓(ブクリョウ)4.0g 日局 川芎(センキュウ)3.0g日局 釣藤鈎(チョウトウコウ)3.0g 
日局 陳皮(チンピ)3.0g 日局 当帰(トウキ)3.0g 
日局 柴胡(サイコ)2.0g 日局 甘草(カンゾウ)1.5g

※引用:くすりのしおり「ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(医療用)」

抑肝散加陳皮半夏は、「イライラして胃がキリキリする」といったイライラや不眠といった神経症状」に加えて、「胃腸の不調や吐き気」も同時に改善したい場合に選ばれる処方です。

抑肝散との違いは?抑肝散加陳皮半夏の効果

抑肝散加陳皮半夏 は、神経の高ぶりを鎮める漢方薬である「抑肝散」に、陳皮(チンピ)半夏(ハンゲ) という2つの生薬を加えることで、胃腸を守り、消化機能を助ける作用がプラスされています。

陳皮とはミカンの皮を乾燥させたもので、「気」の巡りを良くし、胃もたれや吐き気、食欲不振といった消化器系の機能を整える効果が期待できます。

半夏は消化器系の水分代謝を調整し、痰や吐き気や嘔吐、不安や不眠に伴う胃の不調にも用いられます

そのため、胃腸が弱い方でも服用しやすいのが特徴です。

抑肝散加陳皮半夏は下記9つの成分で構成されています。

生薬名期待できる作用
抑肝散の成分
ハンゲ(半夏)吐き気を鎮め、胃のつかえ感を取る✗(抑肝散には含まれない)
日局チンピ(陳皮)気の巡りを良くし、胃腸の働きを整える✗(抑肝散には含まれない)
ソウジュツ(蒼朮)胃腸の働きを助ける
ブクリョウ(茯苓)水分代謝を整え、精神的な安定に寄与 
センキュウ(川芎)血行を促進し、体の巡りを良くする
チョウトウコウ(釣藤鈎)鎮静作用があり、神経の高ぶりや興奮を鎮める 
トウキ(当帰)血液を補い、体を温める
サイコ(柴胡)ストレスやイライラを和らげ、自律神経のバランスを整える
カンゾウ(甘草)多くの生薬の働きを調和させ、胃腸を保護する 

抑肝散加陳皮半夏の効果5選

1. 精神神経症状(イライラ、不眠、神経症)

ストレスや不安で心が落ち着かない、イライラしやすい、なかなか寝付けない、といった症状に効果が期待できます。神経の過敏さを和らげ、心身のバランスを整えます。

2. 消化器系の不調

特に、ストレスが原因で胃がキリキリする、食欲がない、吐き気や嘔吐があるといった場合に適しています。陳皮と半夏が胃腸の働きを助け、症状の改善が期待できます。

3. 月経前症候群(PMS)

月経前に現れるイライラや情緒不安定、怒りっぽいなどの精神的な症状に補助的に用いられることがあります。。これは、女性ホルモンの変動に伴う不調を指す「血の道症」の範疇に含まれます。

4. 小児の夜泣きやひきつけ

夜泣きやかんしゃくなど、子どもの情緒不安定な症状に対して使われることもあります。ただし、お子さんへの使用は医師とよく相談のうえで判断が必要でが必要です。

5. 認知症に伴う周辺症状(BPSD)

興奮や徘徊、落ち着きのなさなど、認知症の周辺症状に対して補助的な目的で処方されることもあります。

抑肝散加陳皮半夏の内服が向いている方

抑肝散加陳皮半夏は、次のような体質の方に適しています。

  • イライラしやすく、怒りっぽい
  • 神経が高ぶって眠れない
  • ストレスで胃腸の調子が悪くなる
  • 吐き気や嘔吐がある
  • めまいや動悸がする
  • 食欲不振や消化不良がある
  • 子どもの夜泣き、かんの虫(癇癪)
  • 認知症の周辺症状(興奮、徘徊など)

抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒の服用方法

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与 します。

1包2.5gなので、1日2~3包内服します。

なお、年齢・体重・症状により適宜増減するため、医師の指示のもと内服しましょう。

抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒の副作用

抑肝散は一般的に安全性が高いとされる漢方薬ですが、他の医薬品と同様に副作用が生じる可能性があります。

軽度な副作用は、消化器症状です。

消化器症状:食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢 など

また、稀にみられる重篤な副作用として、次の2つがあります(いずれも頻度不明)。次の症状がある場合は、服用を中止し、医師の診察を受けてください。

間質性肺炎息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱など
偽アルドステロン症むくみ、血圧上昇、手足のだるさ、低カリウム血症など
ミオパチー、横紋筋融解症低カリウム血症症状(脱力感、筋力低下、筋肉痛)など

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抑肝散加陳皮半夏は市販薬としても販売されていますが、配合されている成分や量が異なることがあります。体質や症状に応じた適切な選択のために、医師に相談することをおすすめします。

忙しくてなかなか通院する時間が取れないという方もいるかもしれません。

通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります。

インターネット環境があれば、ご自宅などから医師の診察を受けることが可能で、抑肝散の処方についても相談できます。

診察後はネコポス、もしくは宅急便コンパクトで郵送され、最短当日発送で内服薬を受け取ることが可能です。

電話で気軽に診察を受けられるので、担当医師以外と顔を合わせる必要もありません。

また、ミライメディカルクリニックでは、抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒以外にもさまざまな漢方薬を処方しています。医師に相談しながら、ご自身の症状や体質に合った漢方薬を見つけることができます。

漢方の服用に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

参考:厚生労働省健康・医療オンライン診療について

抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒に関するよくある質問

抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒に関するよくある質問とその回答を紹介します。

抑肝散加陳皮半夏の効果はいつ頃から感じられますか?
抑肝散加陳皮半夏の効果を感じるまでの時間は、体質や症状、服用量などによって個人差があります。

内服を始めてから副作用が見られない場合、まずは1ヶ月継続して効果を確認することが多いです。


漢方薬は、西洋薬(一般的な薬剤)と比べて効果が現れるまでに時間がかかる傾向がありますが、根本から体質を改善する効果が期待できるため、根気強く服用を続けることが大切です。

効果が感じられない場合は、服用量や服用方法を見直したり、他の漢方薬との併用を検討したりする必要があることもあるため、医師または薬剤師に相談してみてください。
抑肝散加陳皮半夏は睡眠薬ですか?
抑肝散加陳皮半夏は睡眠薬ではありません。

睡眠薬が脳に直接作用して眠気を引き起こすのに対し、抑肝散加陳皮半夏は眠りを妨げている神経の高ぶりや不安感を鎮めることで、自然な眠りに入りやすくするお薬です。
妊娠中や授乳中に抑肝散加陳皮半夏を服用しても大丈夫ですか?
妊娠中や妊娠の可能性がある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ処方されます。

授乳中も治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、処方時に授乳の継続又は中止が検討されます。
育児のストレスなどで怒りっぽくなったり、イライラがある際に処方されることがありますが、自己判断で内服せず、まずは内服前に医師に相談しましょう。
抑肝散加陳皮半夏との併用に注意が必要な漢方はなんですか?
抑肝散加陳皮半夏の成分と重複する漢方は、効果が強く出過ぎたり過敏症が起こる可能性があります。
例:五苓散、桂枝茯苓丸など

特に注意が必要とされるのは、「甘草」を含む漢方薬の重複です。
甘草を過剰に摂取すると、むくみ、血圧上昇、低カリウム血症、偽アルドステロン症などが起こりやすくなります。
例:芍薬甘草湯、六君子湯など

併用禁忌の薬はありませんが、注意が必要な薬はあるため、診察時や処方時には内服している薬を申告するようにしましょう。

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