カンジダになったら彼氏に言うべき?感染のリスクや誤解されない伝え方について

「カンジダ症になったかも」そんな時、素直に彼氏に言うべきか、またどのように伝えるか迷う人も多いはず。カンジダへの知識が乏しい場合、「カンジダ=浮気」と誤解されることもありますが、性行為だけが発症原因ではありません。

この記事では、カンジダ症を彼氏に伝えるべきかどうか、またその伝え方について、分かりやすく解説します。さらに、カンジダ症の原因や症状、治療法についても詳しく説明します。カンジダ症に対する正しい知識を学び、適切に対処できるようにしましょう。

医師 新田凌也
当記事の監修医師
医師:新田 凌也
島根大学医学部卒業卒業後、神戸大学医学部附属病院、丹波医療センター研修。ミライメディカルクリニックでオンライン診療全般を担当。

カンジダ症を彼氏に言うべき?

説明が億劫で彼氏に伝えづらいという方もいるはずです。しかし、トラブルを回避するために、以下の場合は伝えたほうがいいでしょう。

  • 彼氏が性器のかゆみや炎症などの症状を訴えている場合
  • 同棲しているなど、日常的に接触がある場合
  • 浮気を疑われているなど、関係性に不安がある場合

特に同棲している場合は、タオルの共有などでも感染のリスクがあります。ピンポン感染と呼ばれる、パートナー間での感染の繰り返しを防ぐためには、素直に打ち明けるのが最善です。

また、男性はカンジダへの知識が乏しい場合が多く、「カンジダ=浮気」と誤解してしまう可能性があるため注意が必要です。カンジダ菌は常在している菌であり、何らかのきっかけで過剰に増殖することで発症します。

思わぬ疑いを持たれないよう、「カンジダは誰でもかかる可能性のある感染症である」ということを丁寧に説明することが大切です。

カンジダ症は性病ではない?主な発症原因は?

性行為によってカンジダに感染する可能性はありますが、性行為だけが発症原因ではありません。ここでは、性行為以外での発症原因を3つ紹介します。

原因1|ストレスや過労による免疫力の低下

ストレスや過労は、免疫力を低下させる大きな要因です。免疫力が低下すると、体内の常在菌であるカンジダ菌が異常に増殖し、カンジダ症を発症しやすくなります。

十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、免疫力を維持することが大切です。毎日7時間以上の睡眠時間を確保し、野菜や果物を積極的に摂取することで、免疫力の向上に繋がります。

原因2|ピルや抗生物質などの内服薬による影響

ピルや抗生物質などの内服薬も、カンジダ症の発症リスクを高める可能性があります。これらの薬は、膣内の常在菌のバランスを崩し、カンジダ菌の増殖を促進する可能性があるためです。

ピルや抗生物質を服用している方は、カンジダ症の症状に注意し、気になる症状があれば医師に相談しましょう。例えば、おりものの量や色、臭いに変化があった場合は、早めに婦人科を受診することが推奨されます。

参考:J-Stage「外陰・膣カンジダ症を巡って

原因3|生活習慣や体質によるもの

生活習慣や体質も、カンジダ症の発症に影響を与える可能性があります。

例えば、通気性の悪い下着を着用したり、トイレの後で後ろから前を拭いたりする習慣は、カンジダ菌の増殖を助長する可能性があります。また、糖尿病などの持病がある方も、カンジダ症を発症しやすいため注意が必要です。

これってカンジダ症?3つの主な症状

カンジダ症は、カンジダ菌というカビの一種が原因で起こる感染症です。女性では外陰部や膣に感染することが多く、主に以下の3つの特徴的な症状があります。

症状1|デリケートゾーンのかゆみや違和感

カンジダの最も一般的な症状は、デリケートゾーンのかゆみです。外陰部や腟に強い炎症が起こり、腫れたり赤くなることもあります。

我慢出来ないほどの強いかゆみが出る場合もあり、普段の生活に支障をきたすことも少なくありません。尿道口付近に炎症が広がると、排尿時に痛みを感じることがあります。

症状2|白くポロポロとしたおりもの

特徴的な症状として、おりものの量が増え、白く、酒粕状やカッテージチーズ状のポロポロとしたおりものが出ます。独特の状態で、通常のおりものとは明らかに異なります。臭いの変化はほとんどありません。

症状3|性行為時の痛みや不快感

性行為の際に痛みを感じたり、不快感を覚えることもあります。デリケートゾーンの皮膚は元来薄いため、炎症により過敏になり、触れるだけでも不快感を覚えることがあるのです。

カンジダは性感染症ではありませんが、性行為で感染することもあります。コンドームを使用しても感染を完全に防ぐことはできないため、治癒するまでの期間は性行為を控え、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

カンジダ症の治療方法は?

カンジダ症は、適切な治療を行うことで改善できます。症状の程度や状況によって治療方法は異なりますので、ご自身に合った方法を選択することが大切です。

治療方法1|軽度の場合は自然治癒することも

軽度のカンジダ症の場合、身体の自浄作用によって自然治癒することもあります。これは、カンジダ菌が本来誰でも持っている常在菌であり、異常増殖しない限りは基本的に無害だからです。

ただし、自然治癒するのは、あくまでも軽度な場合に限られます。はじめは症状が軽くても次第に悪化する可能性があるため、症状が出た場合は自然治癒を期待せず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

治療方法2|膣錠投与(再発であれば市販でも購入可)

膣カンジダ症の主要な治療法として、膣錠による治療が一般的です。市販薬としても入手可能で、以下のような特徴があります。

1回投与タイプ600mgの膣錠を1回投与するだけで1週間効果が持続します。就寝前に1回挿入するだけで済むため、使用が簡単です。
6日間投与タイプ100mgの膣錠を6日間連続で使用します。3日程度で症状の改善が見られ始めますが、完治のためには6日間の継続使用が必要です。

膣カンジダの市販薬は再発時のみ使用可能です。初めて症状が出た場合は、必ず医師の診察を受ける必要があります。また、6日間使用しても症状が改善しない場合は、再度受診するようにしましょう。

「病院に行くのは恥ずかしい」と思う人も少なくありませんが、カンジダは女性なら誰でもかかる可能性のある一般的な感染症です。婦人科や産婦人科であれば、よくある受診理由の一つなので、あまり考えすぎず気軽に受診してみてください。

まとめ

カンジダ症は多くの女性が経験する可能性のある一般的な感染症です。性行為で感染することもありますが、これは性病ではなく、ストレスや免疫力の低下、ピルや抗生物質の服用、不適切な生活習慣など、様々な要因で発症する可能性があります。

主な症状は、デリケートゾーンのかゆみや違和感、白くポロポロとしたおりもの、性行為時の痛みや不快感などです。治療は医療機関での処方薬や、再発時の場合は市販薬での対応も可能です。初めて症状が出た場合は必ず医師の診察を受けましょう。

彼氏へ言うべきかどうかについては、同棲している場合や症状がある場合など、状況に応じて検討が必要です。特に男性は知識が乏しいことが多いため、「カンジダは誰でもかかる可能性のある一般的な感染症」と丁寧に説明することが大切です。

カンジダ症は、早期に適切な治療を行うことで、すぐに症状を改善することができます。もし疑いがある場合は、一人で悩まず、早めに医療機関を受診することをおすすめします。また、彼氏に症状がある場合は、一緒に受診を検討してみてください。

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